◆ 段取り替え時間短縮で在庫削減
1.品質を考える:まだ段取り替え時間は遅すぎる
モノが溢れる時代になってから、少品種大量生産からますます多品種小ロット生産になってきています。そのために段取り替え回数も相当増えてきていますが、その段替え時間短縮の対策をまだ十分に対応していない工場が数多く見られます。プレスや成型の段替えを1人作業で、しかもゆっくりと工具や材料などを探しながら1時間以上も時間をかけて作業をしている場面に遭遇することがあります。
また一発で良品が出ないので、調整作業や手直し作業を何度も繰り返していることも見られます。簡単な段替えならばシングル段取り(10分未満)でできてしまうものが、それを見ても知らん顔をしている上司がおられることにがっくりすることが何度もありました。まだ段取り替え改善に着手されていないことは実にもったいないことです。
よほど儲かっている会社かと思うと、売上が落ちて利益も出なくなっている会社ほどそのような状態であり、その先行きにこちらの方が心配になってくるほどです。段替えに時間が掛かるのがもう当たり前だと錯覚してしまい、そのために未だに大ロットで生産して仕掛や在庫を多く持ってしまわれています。この仕掛や在庫は結局お金を眠らせてしまうことも気づかなくなっているかのようです。
当たり前のことですが、段替えをしている時には生産できないので売上が立たず儲けになりません。しかもお客様からは多くの品種を要求され少量になってきています。従ってこの段替えを短時間でできるようにして、多品種対応のため、多くの段替えをしていく必要があります。そして仕掛や在庫を極力少なくし、しかも欠品が発生しないように取り組んでいくような板ばさみの活動が必要になってきているのです。“あっちを立てればこっちが立たず”の関係ですが、それを改善していくにはまだ十分に活用していない全社員の潜在能力と才能を発揮させていくことです。本当は彼らは改善したがっており、宝の持ち腐れは損失です。
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