清掃でなぜ組織は成果が出せるのか?

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5S

 

【この連載の前回:整理で部下を成長させるには?へのリンク】

新5S思考術、今回は、「清掃」について解説します。

  • 3ヶ月たったのですが、設備のトラブルが減ってきたんです。(金属加工業)
  • 長い間悩んでいた異物の不具合がゼロになりました。(電子部品製造業)
  • 装置の能力が復帰して二倍の生産性になりました。(食品加工業)
  • オフィスネットワークの脆弱性をリスクの想定だけでなく、実際に改善することができました。(IT業)

 

清掃活動を進めて数ヶ月たつとこのような変化が職場の中に現れ始めます。ただし、清掃活動を行っている組織のうち、上記の成果が得られているのは「あること」を行っている組織であり、ごく一部に限られます。ほとんどの組織では、お掃除をやって「綺麗になったね!」で終わっているのが現状です。

 

1.成果を出している組織が行っている 清掃 での「あること」とは?

成果を出している組織が行っているのは、 コーチング心理学 や NLP( 神経言語プログラミング )といった人間の心理を効果的に清掃活動に取り入れているということです。職場がキレイになると共に、実はあなたの部下や後輩の気付き力が高まり、問題検出力や問題分析力、問題解決の行動力の育成に威力を発揮するようになります。

 

清掃とは、職場をキレイにすることも含め「あなたの部下や後輩の頭の中をピカピカに磨き上げる。」といった活動です。頭の中をピカピカだとチョット遠回りな言い回しなので「思考を磨き上げる」といったほうがいいかもしれません。磨かれた思考が育つから、問題検出や問題解決に強い人材が育ちます。

 

私たちの脳は、目・耳・鼻・口・皮膚がキャッチした様々な情報を受け取り、まるで超高性能コンピュータのように情報処理を繰り返し周囲で起きているできごとを認知しています。例えば、次のようです。

  • 目 → 光情報(電磁波)
  • 耳 → 音情報(空気振動波)
  • 鼻 → 匂い情報(化学物質)
  • 口 → 味情報(化学的物質)
  • 皮膚 → 体の動き・接触・温度・感情等の体感覚情報(物理的な現象)

 

目や耳などから入ってくる情報は、物理や化学的な信号なのに脳内で処理を実行することで、意味のある現象(ものごと)を認知します。この話をすると、私はいつも脳とは不思議な器官だなと思ってしまいます。この物理化学的な信号を総称して モダリティー とよんでいます。私たちの脳は、モダリティーを神経を通じて情報を受け取り続け、リアルタイムにモノゴトを認知しているのです。

 

2.モダリティーには優位性がある

私たち人間にとって代表的なモダリティーは目・耳・皮膚からのモダリティーです。また、人によって理解しやすいモダリティーが異なっています。

  • 目 からの情報を理解しやすい人  → 視覚優位( Vタイプ, Visual type )
  • 耳 からの情報を理解しやすい人  → 聴覚優位( Aタイプ, Auditory type )
  • 皮膚 からの情報を理解しやすい人 → 情動優位( Kタイプ, Kinesthetic type )

 

例えばあなたがAタイプだとすると、言葉や文字でものごとを考えやすく情報伝達も言葉や文字を用いやすいタイプです。しかし相手が視覚優位のVタイプだと目で見たものごとを理解しやすく、逆に言葉や文字による情報を理解しにくいといった現象が起きやすくなります。

VAKについて詳しく知りたい方は次のリンクから動画をご覧下さい。

  https://www.youtube.com/watch?v=EgEai0h3x1U&t=37s


人にはモダリティーの優位性があるということは、部下や後輩にもモダリティーの優位性があります。つまり、あなたが部下や後輩に説明するときもモダリティーの優位性を考慮した説明をしなければなりません。モダリティーの優位性を活用した説明テクニックは、リーダーにとって必須スキルです。

 

また、人によってモダリティー(VAK)の優位性は異なりますが、あくまでも受け取りやすいモダリティーのことをさしています。例えばVタイプが優位な人は目からの情報だけでものごとを理解するワケでなく、耳からや皮膚からの情報もキャッチします。VAKの中で目からの情報が最もキャッチしやすいということだけなのです。

 

学習のシーンでは、VAKを同時に刺激することで学習効果が高めることができます。まさに、やって見せて(V)、言って聴かせて(A)、やらせてみる(K)なのです。

 

3.問題検出力や問題解決力を高めるためのカギは「○○を持った 清掃 」

問題検出力や問題解決力を高めるためには、VAKをフルにつかった清掃が効果的です。具体的には「テーマを持った清掃」をすることです。そして!その時のキーワードは「にくいを探せ!!」です。

 

例えばリーダーであるあなたは、部下や後輩に対して「清掃しにくいところを探しながら清掃してください。」とテーマを与えて清掃を実施させると次のように部下や後輩がVAKを使いながら清掃を行うようになります。

 

  • 目で見て清掃しにくい部分を探す。(Vを刺激)
  • 清掃しにくいところを考えながら清掃のしにくい部分を探す。(Aを刺激)
  • 清掃という動作をしながら清掃のしにくい部分を探す。(Kを刺激)

 

「テーマを持った清掃」はVAKを同時に刺激をすることができ、学習効果を高めることができるのです。5S活動と新5S思考術の違いは、VAKを使った学習を取り入れ、思考を磨き上げることなのです。

 

「テーマを持った清掃」における「にくい探し」には次のようなものが考えられます。

  • 清掃しにくい部分
  • 歩きにくい部分
  • 見にくい部分
  • 安全作業をしにくい部分
  • 探しにくい部分  

 

さまざまなにくいを見つけることは、まさにリーダーの腕の見せどころです。どのような「にくいを探す」かで、部下や後輩の気付きレベルが変わってきてしまいます。

 

4.「にくい探し」はリーダーの傾聴...

5S

 

【この連載の前回:整理で部下を成長させるには?へのリンク】

新5S思考術、今回は、「清掃」について解説します。

  • 3ヶ月たったのですが、設備のトラブルが減ってきたんです。(金属加工業)
  • 長い間悩んでいた異物の不具合がゼロになりました。(電子部品製造業)
  • 装置の能力が復帰して二倍の生産性になりました。(食品加工業)
  • オフィスネットワークの脆弱性をリスクの想定だけでなく、実際に改善することができました。(IT業)

 

清掃活動を進めて数ヶ月たつとこのような変化が職場の中に現れ始めます。ただし、清掃活動を行っている組織のうち、上記の成果が得られているのは「あること」を行っている組織であり、ごく一部に限られます。ほとんどの組織では、お掃除をやって「綺麗になったね!」で終わっているのが現状です。

 

1.成果を出している組織が行っている 清掃 での「あること」とは?

成果を出している組織が行っているのは、 コーチング心理学 や NLP( 神経言語プログラミング )といった人間の心理を効果的に清掃活動に取り入れているということです。職場がキレイになると共に、実はあなたの部下や後輩の気付き力が高まり、問題検出力や問題分析力、問題解決の行動力の育成に威力を発揮するようになります。

 

清掃とは、職場をキレイにすることも含め「あなたの部下や後輩の頭の中をピカピカに磨き上げる。」といった活動です。頭の中をピカピカだとチョット遠回りな言い回しなので「思考を磨き上げる」といったほうがいいかもしれません。磨かれた思考が育つから、問題検出や問題解決に強い人材が育ちます。

 

私たちの脳は、目・耳・鼻・口・皮膚がキャッチした様々な情報を受け取り、まるで超高性能コンピュータのように情報処理を繰り返し周囲で起きているできごとを認知しています。例えば、次のようです。

  • 目 → 光情報(電磁波)
  • 耳 → 音情報(空気振動波)
  • 鼻 → 匂い情報(化学物質)
  • 口 → 味情報(化学的物質)
  • 皮膚 → 体の動き・接触・温度・感情等の体感覚情報(物理的な現象)

 

目や耳などから入ってくる情報は、物理や化学的な信号なのに脳内で処理を実行することで、意味のある現象(ものごと)を認知します。この話をすると、私はいつも脳とは不思議な器官だなと思ってしまいます。この物理化学的な信号を総称して モダリティー とよんでいます。私たちの脳は、モダリティーを神経を通じて情報を受け取り続け、リアルタイムにモノゴトを認知しているのです。

 

2.モダリティーには優位性がある

私たち人間にとって代表的なモダリティーは目・耳・皮膚からのモダリティーです。また、人によって理解しやすいモダリティーが異なっています。

  • 目 からの情報を理解しやすい人  → 視覚優位( Vタイプ, Visual type )
  • 耳 からの情報を理解しやすい人  → 聴覚優位( Aタイプ, Auditory type )
  • 皮膚 からの情報を理解しやすい人 → 情動優位( Kタイプ, Kinesthetic type )

 

例えばあなたがAタイプだとすると、言葉や文字でものごとを考えやすく情報伝達も言葉や文字を用いやすいタイプです。しかし相手が視覚優位のVタイプだと目で見たものごとを理解しやすく、逆に言葉や文字による情報を理解しにくいといった現象が起きやすくなります。

VAKについて詳しく知りたい方は次のリンクから動画をご覧下さい。

  https://www.youtube.com/watch?v=EgEai0h3x1U&t=37s


人にはモダリティーの優位性があるということは、部下や後輩にもモダリティーの優位性があります。つまり、あなたが部下や後輩に説明するときもモダリティーの優位性を考慮した説明をしなければなりません。モダリティーの優位性を活用した説明テクニックは、リーダーにとって必須スキルです。

 

また、人によってモダリティー(VAK)の優位性は異なりますが、あくまでも受け取りやすいモダリティーのことをさしています。例えばVタイプが優位な人は目からの情報だけでものごとを理解するワケでなく、耳からや皮膚からの情報もキャッチします。VAKの中で目からの情報が最もキャッチしやすいということだけなのです。

 

学習のシーンでは、VAKを同時に刺激することで学習効果が高めることができます。まさに、やって見せて(V)、言って聴かせて(A)、やらせてみる(K)なのです。

 

3.問題検出力や問題解決力を高めるためのカギは「○○を持った 清掃 」

問題検出力や問題解決力を高めるためには、VAKをフルにつかった清掃が効果的です。具体的には「テーマを持った清掃」をすることです。そして!その時のキーワードは「にくいを探せ!!」です。

 

例えばリーダーであるあなたは、部下や後輩に対して「清掃しにくいところを探しながら清掃してください。」とテーマを与えて清掃を実施させると次のように部下や後輩がVAKを使いながら清掃を行うようになります。

 

  • 目で見て清掃しにくい部分を探す。(Vを刺激)
  • 清掃しにくいところを考えながら清掃のしにくい部分を探す。(Aを刺激)
  • 清掃という動作をしながら清掃のしにくい部分を探す。(Kを刺激)

 

「テーマを持った清掃」はVAKを同時に刺激をすることができ、学習効果を高めることができるのです。5S活動と新5S思考術の違いは、VAKを使った学習を取り入れ、思考を磨き上げることなのです。

 

「テーマを持った清掃」における「にくい探し」には次のようなものが考えられます。

  • 清掃しにくい部分
  • 歩きにくい部分
  • 見にくい部分
  • 安全作業をしにくい部分
  • 探しにくい部分  

 

さまざまなにくいを見つけることは、まさにリーダーの腕の見せどころです。どのような「にくいを探す」かで、部下や後輩の気付きレベルが変わってきてしまいます。

 

4.「にくい探し」はリーダーの傾聴力も試される

あなたの部下や後輩が「テーマを持った清掃」で何かしらの気付きを得たときには、必ずその内容を傾聴してください。

 

あなたが傾聴することで、部下や後輩も「また、次のにくいを探そう!」とモチベーションが高まります。もしあなたが、傾聴という姿勢を示さず「そんなの探したっていみないだろ!」とか「いま忙しいからあとでね。」という姿勢を示すと、部下や後輩は次のにくいを探すモチベーションが下がってしまうのです。リーダーの傾聴力も腕の見せどころなのです。

 

「テーマを持った清掃」のポイントは次の 3つです。

  • テーマを持った清掃で VAK を刺激し学習効果を高める。
  • リーダーのテーマ選定力が大切。
  • リーダーの傾聴力が大切。

 

これら行動の連携が、 部下の思考を磨き上げ、 問題検出力 や 問題分析力、 問題解決 の行動力を育てます。「 清掃で思考を磨き上げる 」 これこそが成果を上げる組織の方程式なのです。今回は、 生産ラインを中心に清掃のお話をしましたが、 次回は事務間接部門( オフィス系 )における清掃です。

 

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この記事の著者

坂田 和則

現場を見る目が違うからリピート率90%超え。 等身大の言葉で語るから現場ウケしてます。 問題/課題解決モチベーションに火を付けるのなら!

現場を見る目が違うからリピート率90%超え。 等身大の言葉で語るから現場ウケしてます。 問題/課題解決モチベーションに火を付けるのなら!


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