職場で新たなルールが制定された時や、その内容が変更になったとき、変更点を伝えながら新たなルールを守るよう周囲に促すような場面は、リーダーの方なら多く経験されていることでしょう。このような場面で周知はしたもののすぐに定着せず、困ったことはありませんか? もっと効率的で効果的な方法がないのかと思うことでしょう。今回は、周知・定着させるときにつかう効率的な説明方法についてのお話です。
1.相手の『感じ方』や『捉え方』にもタイプ がある
人には、様々なタイプが存在し、ルールに対する『感じ方』や『捉え方』にもそれぞれ異なるタイプがあります。このタイプがあるために、あなたが説明しても『伝わる人』と『伝わらない人』に分かれるのです。
あなたも相手側の 『感じ方』や『捉え方』 の異なるプログラム毎に、それぞれ合わせた伝え方をすれば、『説明力』と『説得力』が増し、新しいルールの定着化も効率的かつ効果的に展開できます。
2.LABプロファイル® の活用で、相手があなたの説明を容易に聞き入れてくれる!
言葉の科学LABプロファイル®注では、脳はコンピュータのように見立てられており、数々のプログラムで動いているという前提から発展した知識体系です。そのプログラムは、メタプログラムと名付けられており、約150種類のプログラムが発見されています。それぞれのプログラムを観察してみると、14種類にまで分類できることが解りました。そして、この分類が行われたことで、相手のモチベーションの高揚や維持に影響する『話し方・伝え方』が容易にできることがわかりました。
注.LABプロファイル®:脳のプログラムに該当するプログラムは、メタプログラムと呼ばれていますが、67個のプログラムがその研究からわかっています。また、文献よっては、メタ・メタ・プログラムというさらに詳細に分けられた研究結果も発表されていて、その数は、なんと!154個にもなります。ロジャー・ベイリーは、これらを日常で実用的に使うためにはという考えで整理を進め、14個のメタプログラムを理解し応用することで、相手のモダリティーやサブモダリティー形成にストレス無く対話を進めることができるようにしました。この、実用的で効果的な知識体系が LABプロファイル® です。 LABプロファイル® は、言葉の魔術を使いこなす、シェリー・ローズ・シャーベイにより、書籍「影響言語で人を動かす」で全世界に発信されています。
3.ルールに関するメタプログラムは4つ~それぞれの説明方法
このプログラムを応用することで、相手があなたの説明を聞き入れるモチベーションを高め、効率的/効果的な理解を促すことができます。
①自分型
- 【特徴】自分には自分のやり方があり、他人もそれに従うと思っている。
- 【このタイプへの説明のしかた】『あなたのやり方も効果があります。他の人はどうでしょう?』
- 【ポイント】まずは、自分の考えや思いを受け入れながら、モチベーションを高めます。後に、他人の立場になって考えることを促します。
②無関心型
- 【特徴】 自分(相手)のやり方だけを意識し、新しいことや周囲のこと意識することができない。
- 【このタイプへの説明のしかた】『あなたのやり方をさらによくするためには、新しいことや周囲に目を向けることが大切です。』
- 【ポイント】 まずは、その人自身の考えや思いを受け入れながら、モチベーションを高めます。その後に、周囲の人の立場を意識させるよう促します。
③迎合型
- 【特徴】 自分のやり方にあいまいさがあるため、周囲が決めたルールに従う行動をとります。また周囲にも、そのルールに従うよう、広める行動をとります。
- 【このタイプへの説明のしかた】『あなたも私と一緒に新しいルールを広めてください。』
- 【ポイント】 ルールを守り、それを広げるよう促します。
④寛容型
- 【特徴】 自分のやり方はシッカリもっているが、周囲のやり方も認めている。
- 【このタイプへの説明のしかた】『今までのやり方で面倒だったことが、やりやすくなりました。』
- 【ポイント】 新しいルールのメリットを伝え、新しいルールを認めさせます。
もし、複数以上のメンバーに新しいルールを説明するときには、あらゆるパターンが存在していることを前提に説明をしてみましょう。
4.説明方法の具体例
『私たちの職場では、ルールに従って仕事を進めています。(→自分型のモチベーションを刺激する)しかし、顧客のニーズの変化がさらに多様化していることにも気付かなければなりません。...