人に何かを教えたり、大勢の前で説明をする時に、なかなか説明した内容が伝わらないことは多々あります。今回は、説明上手のやっている伝え方のノウハウについておはなしします。説明力と説得力が増す内容です。
1. 相手の経験と知識 を有効活用!
人に何かを教える時、伝えたい情報をそのまま伝えようとすると、相手の理解度が低くなる、という実験結果があるそうです。そこで相手の経験と知識をうまく使いながら説明すると、伝わりやすくなります。それは、一歩立ち止まって、相手に考えさせる説明法です。
この実験では、文献を読みながらその内容を理解させ、その理解度を確認するという内容だったのですが、2つの実験パターンに分けて行われました。
- ひとつ目は、そのまま文献を読む。
- ふたつ目は、質問事項を考えながら文献を読む。
この実験から解ったことは、ふたつ目のパターンの方が試験結果が良かったということでした。なぜ、試験結果が良くなったのでしょうか。
2. 人の記憶は、知識や経験に紐付けると記憶されやすい
私たちの脳は、インプットされる情報をそのまま受け入れるよりも、関連する知識や経験を紐付けることによってより深くモノゴトを理解します。
例えば、ドアノブを見たら全世界ほとんどのドアを開けることができるのと同じで、相手の経験と知識から、初めて見るドアノブでも使い方を考え、ドアを開けることができる能力が備わっています。説明も同じで、説明を受けている内容に対し、過去の経験と知識を使いながら理解すると、記憶の中から同じようなパターンを探し出し照合することで、短い時間で理解をすることができます。
この脳の特性を使って説明すれば、あなたの説明内容も相手に伝わりやすくなります。
3. 相手に考えさせながら説明を続ける
具体的には、『相手に考えさせながら説明を続ける』ことが大切です。
例えば
- (1) 相手の経験や知識のレベルに合わせた言葉を使いながら、相手の思考にムリを与えないよう説明する。
- (2) 質問を投げかけ、相手の持っている過去の経験や知識を引き出すように説明する。
- (3) いま与えている情報と、過去の相手の経験と知識を照合し、どのようなギャップがあるかを意識させながら説明する。
特に(3)が重要で、私たちの脳はギャップを感じることで『思考スイッチ』が入りやすくなるので、このスイッチを入れてあげられるよう、話をしてあげてください。
私が、人前で何かを説明するときにも、(3)の「スイッチを入れる」をふんだんに使っています。できるだけ多くの人が経験しそうなコトをあらかじめ見つけ出しておき、その話にプラスして説明をしながら「皆さんが知っていることと、いまお話ししていることの違いは”何”でしょうか?」や「”なぜ?”違いがあるのでしょうか?」など、質問を交えて説明を進めます。
この時、相手の思考を邪魔しないよう、思考を巡らす時間を与えることも大切なので...