インドのビジネス事情

投稿日

 2013年1月17日にニューチャーネットワークス主催の賀詞交歓会で聴講した、タタ・コンサルタンシー・サービシズ・ジャパンの梶雅彦会長の講演は、インドのビジネス事情に関するものでした。

 興味深い内容でしたので、概要を紹介します。

--------------------------------------------------------------------------------

 インドにおけるビジネスは2000年くらいから注目され始め、2005年に日華排斥の機運が高まったことから近年加熱気味だが、日本よりも韓国勢に勢いがある。

 注目の理由は2020年に中国を抜いて人口世界一になるという点。しばらくはピラミッド型の年齢構成を維持しそう。 ところが日本との貿易実態は、対中国輸出の20分の一、輸入は30分の一で、在留邦人5千人は30分の一、日本へのインド人留学生は500人で150分の一と、大きな差がある。

 2006年出版の「フラット化する世界」、2008年の「東西逆転」で、21世紀はインドが世界経済の中心であると予想されている。 インド成長の原動力をいくつかあげてみる。

・世界最大の民主主義国家

・英国のcommonLawを基本とし、他国との融合が容易 ・教育水準の高さ

・人的ネットワーク 世界中に印僑が2200万人(金融、会計、法律など高度な知識業)

・米国におけるインド系の人口は中国、フィリピンに次ぐコミュニティ

 大学教授6500人や、ペプシコCEO、ドイツ銀行Co-CEOなど高校大学までインドで育ちながら、大企業や教育界で活躍していることは、日本人から見ると並大抵ではない。

 インドのIT産業は2000年問題が起爆剤となり米国に渡る人が増えた。ITバブル崩壊で10万人が母国に戻ったが、その優秀さを捨てがたく現地作業に切り替える例が相次ぎ、ここ8年で10倍の規模になっている。

 フォーチュン500のうち200社がインド企業にアウトソースしたり、インドに研究開発拠点を設置したりしており、主な分野は次のようになる。

①医療分野:米国免許を持つ医者が多数いるため

②製薬:ジェネリック中心に世界4位

③会計分野

④...

 2013年1月17日にニューチャーネットワークス主催の賀詞交歓会で聴講した、タタ・コンサルタンシー・サービシズ・ジャパンの梶雅彦会長の講演は、インドのビジネス事情に関するものでした。

 興味深い内容でしたので、概要を紹介します。

--------------------------------------------------------------------------------

 インドにおけるビジネスは2000年くらいから注目され始め、2005年に日華排斥の機運が高まったことから近年加熱気味だが、日本よりも韓国勢に勢いがある。

 注目の理由は2020年に中国を抜いて人口世界一になるという点。しばらくはピラミッド型の年齢構成を維持しそう。 ところが日本との貿易実態は、対中国輸出の20分の一、輸入は30分の一で、在留邦人5千人は30分の一、日本へのインド人留学生は500人で150分の一と、大きな差がある。

 2006年出版の「フラット化する世界」、2008年の「東西逆転」で、21世紀はインドが世界経済の中心であると予想されている。 インド成長の原動力をいくつかあげてみる。

・世界最大の民主主義国家

・英国のcommonLawを基本とし、他国との融合が容易 ・教育水準の高さ

・人的ネットワーク 世界中に印僑が2200万人(金融、会計、法律など高度な知識業)

・米国におけるインド系の人口は中国、フィリピンに次ぐコミュニティ

 大学教授6500人や、ペプシコCEO、ドイツ銀行Co-CEOなど高校大学までインドで育ちながら、大企業や教育界で活躍していることは、日本人から見ると並大抵ではない。

 インドのIT産業は2000年問題が起爆剤となり米国に渡る人が増えた。ITバブル崩壊で10万人が母国に戻ったが、その優秀さを捨てがたく現地作業に切り替える例が相次ぎ、ここ8年で10倍の規模になっている。

 フォーチュン500のうち200社がインド企業にアウトソースしたり、インドに研究開発拠点を設置したりしており、主な分野は次のようになる。

①医療分野:米国免許を持つ医者が多数いるため

②製薬:ジェネリック中心に世界4位

③会計分野

④ロイター通信、ニュース配信、編集をBangaloで

⑤リサーチ会社、企業分析

⑥オンライン家庭教師

 ----------------------------------------------------------------------

  旧英国植民地で、英語によるコミュニケーションと欧米的文化を知るメリットを活用し、今後ますます注目度が上がりそうな印象を受けた講演でした。

* 聞き取ったもののメモですので、不正確な部分があるかもしれません。ご注意ください。

   続きを読むには・・・


「海外事業進出」の他のキーワード解説記事

もっと見る
グローバルスタンダードに席捲されるモノづくり―日本が今後主導すべき分野は?―

1.はじめに  香港を拠点に華南地区のモノ作り現場に携わって10年余りが経ちました。この間、ISOをはじめとするグローバルスタンダードの浸透を常に意識せ...

1.はじめに  香港を拠点に華南地区のモノ作り現場に携わって10年余りが経ちました。この間、ISOをはじめとするグローバルスタンダードの浸透を常に意識せ...


ジャカルタ近郊の日系ものづくり企業に対するヒヤリング報告

 私はアセアン中心にアジアへ進出されるもの作り企業のお手伝いをしていますが、10月下旬から11月始めにかけて、ジャカルタ及びジャカルタ近郊の日系もの作り企...

 私はアセアン中心にアジアへ進出されるもの作り企業のお手伝いをしていますが、10月下旬から11月始めにかけて、ジャカルタ及びジャカルタ近郊の日系もの作り企...


グローバル競争を勝ち抜くためのグローバル・マーケティング戦略

 2012年は国内市場の「六重苦」を背景に、製造業の海外M&Aが活発でした。今後も、自民党の新政権が主導する金融緩和によって、企業の資金調達はます...

 2012年は国内市場の「六重苦」を背景に、製造業の海外M&Aが活発でした。今後も、自民党の新政権が主導する金融緩和によって、企業の資金調達はます...


「海外事業進出」の活用事例

もっと見る
国内マザー工場を中心とした海外拠点の省エネ展開事例

 省エネルギーは1973年(昭和48年)の第一次オイルショックに端を発し、 以降第二次オイルショックを契機に本格的な取り組みへと移ってきています。そして地...

 省エネルギーは1973年(昭和48年)の第一次オイルショックに端を発し、 以降第二次オイルショックを契機に本格的な取り組みへと移ってきています。そして地...


海外進出先での従業員ロイヤリティを考える-7人のフィリピン料理人の事例

 アジア各国に工場を進出し、従業員はなんとか集めたものの早期退職者が相次ぎ、操業を継続するのに苦労している企業が数多く存在します。現地工場で従業員の退職率...

 アジア各国に工場を進出し、従業員はなんとか集めたものの早期退職者が相次ぎ、操業を継続するのに苦労している企業が数多く存在します。現地工場で従業員の退職率...


国際生産成功のための基本的要点(その8)

前回のクエスチョンの回答例です。  1.彼(彼女)は(どこでも寝ら)れるから、大丈夫だ  2.彼(彼女)は(何でも食べら)れるから、大丈夫だ なんだ...

前回のクエスチョンの回答例です。  1.彼(彼女)は(どこでも寝ら)れるから、大丈夫だ  2.彼(彼女)は(何でも食べら)れるから、大丈夫だ なんだ...