国内マザー工場を中心とした海外拠点の省エネ展開事例

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 省エネルギーは1973年(昭和48年)の第一次オイルショックに端を発し、 以降第二次オイルショックを契機に本格的な取り組みへと移ってきています。そして地球温暖化、第三次オイルショック、3.11東日本大震災と省エネの 必要性は環境面、経済面で一般企業だけでなく一般家庭にまで本格的に 浸透し始めてきています。 もはや省エネは社会的なミッションとなっているといっても過言ではありません。

 近年、省エネ法に基づいて省エネ運営組織(省エネ委員会など)を設置し、 総消費エネルギーを対象に組織的に取り組んでいる企業も多くなってきています。 特に最近の特徴は、省エネもグローバル化しているということです。そこで今回は、グローバル化に伴い国内マザー工場を中心とした海外拠点の 省エネ活動展開事例を紹介します。

 当社では10年ほど前まで韓国での省エネをお手伝いする機会が結構あり、現地法人の指導を行っていました。 その後日本企業の海外拠点進出は益々盛んになり、コンサルティングにおけるインフラも変わってきています。

 昨年、国内にマザー工場を持つ某社の省エネを展開するに当たり、3つある海外拠点の中で最もエネルギーを使用しているシンガポールの拠点を対象に、同時展開をすることになりました。

 マザー工場の目標は10%、シンガポール工場の目標は35%でした。生産している品種は同じで生産形態もほぼ似たような形をとっていました。 以下、海外拠点展開型省エネ活動の取り組み方の概要を紹介いたします。

 まず体制ですが、マザー工場に中心となる省エネチームを置きます。そしてシンガポール工場にも、日本人スタッフを中心に有力な現地メンバーでチームを編成します。更に、本社の環境安全部のスタッフを支援メンバーとして編成し、各工場の活動支援に入ってもらいました。

 次にマザー工場が主体となって先行して活動を進めます。その際、初会合に海外工場の主担当が参加し、進め方や考え方を共有化すると共に、キックオフにて目標達成に向けて同時宣言を行います。

 その後一カ月遅れで主要海外拠点をスタートさせ(その間に進め方等の 翻訳を進めておいてもらう)、先行しているマザー工場は分析情報等を海外工場に提供し、海外工場はそれらを参考に展開を始めます。

 海外工場への指導は、国内マザー工場の活動が先行し、省エネアイディアが出始めたり構想案が出来つつある辺りをタイミングとして数回(2~3日/回) 現地に出向いて進め方、考え方の説明や実践フォローを行います。

 ここでは、以下のような指導を実施しました。

1.省エネプログラムを全工程説明提案し、実践させる

2.実践結果の検討を行う

 機能的なものの見方を理解し、機能的に工程を分析し、エネルギーロスを見出す方法を身に付ける。

3.文化の違いを考慮して省エネのポイントを十分に理解してもらう

 例えば地理的、更には製品の特性上、空調によるエネルギー使用量が多いが、本当に...

 省エネルギーは1973年(昭和48年)の第一次オイルショックに端を発し、 以降第二次オイルショックを契機に本格的な取り組みへと移ってきています。そして地球温暖化、第三次オイルショック、3.11東日本大震災と省エネの 必要性は環境面、経済面で一般企業だけでなく一般家庭にまで本格的に 浸透し始めてきています。 もはや省エネは社会的なミッションとなっているといっても過言ではありません。

 近年、省エネ法に基づいて省エネ運営組織(省エネ委員会など)を設置し、 総消費エネルギーを対象に組織的に取り組んでいる企業も多くなってきています。 特に最近の特徴は、省エネもグローバル化しているということです。そこで今回は、グローバル化に伴い国内マザー工場を中心とした海外拠点の 省エネ活動展開事例を紹介します。

 当社では10年ほど前まで韓国での省エネをお手伝いする機会が結構あり、現地法人の指導を行っていました。 その後日本企業の海外拠点進出は益々盛んになり、コンサルティングにおけるインフラも変わってきています。

 昨年、国内にマザー工場を持つ某社の省エネを展開するに当たり、3つある海外拠点の中で最もエネルギーを使用しているシンガポールの拠点を対象に、同時展開をすることになりました。

 マザー工場の目標は10%、シンガポール工場の目標は35%でした。生産している品種は同じで生産形態もほぼ似たような形をとっていました。 以下、海外拠点展開型省エネ活動の取り組み方の概要を紹介いたします。

 まず体制ですが、マザー工場に中心となる省エネチームを置きます。そしてシンガポール工場にも、日本人スタッフを中心に有力な現地メンバーでチームを編成します。更に、本社の環境安全部のスタッフを支援メンバーとして編成し、各工場の活動支援に入ってもらいました。

 次にマザー工場が主体となって先行して活動を進めます。その際、初会合に海外工場の主担当が参加し、進め方や考え方を共有化すると共に、キックオフにて目標達成に向けて同時宣言を行います。

 その後一カ月遅れで主要海外拠点をスタートさせ(その間に進め方等の 翻訳を進めておいてもらう)、先行しているマザー工場は分析情報等を海外工場に提供し、海外工場はそれらを参考に展開を始めます。

 海外工場への指導は、国内マザー工場の活動が先行し、省エネアイディアが出始めたり構想案が出来つつある辺りをタイミングとして数回(2~3日/回) 現地に出向いて進め方、考え方の説明や実践フォローを行います。

 ここでは、以下のような指導を実施しました。

1.省エネプログラムを全工程説明提案し、実践させる

2.実践結果の検討を行う

 機能的なものの見方を理解し、機能的に工程を分析し、エネルギーロスを見出す方法を身に付ける。

3.文化の違いを考慮して省エネのポイントを十分に理解してもらう

 例えば地理的、更には製品の特性上、空調によるエネルギー使用量が多いが、本当に温調(冷却、冷房)しなければならないもの、箇所はどこか、そしてその程度は、必要性は?といったことをしっかり理解してもらう。

4.リーダー、事務局及びスタッフと取り組み方、巻き込み方の作戦を練る

 現地に訪問できない期間は、マザー工場の主会合時にWeb会議システムを活用して、遠隔指導(提案とフォロー)を行います。 このWeb会議はマザー工場の主メンバー、本社スタッフ、海外拠点の チームリーダーと事務局の三者参画方式で進めます。

 このような形で海外拠点の省エネを進めた結果、実施も進んで目標を達成し、 活動は成功を収め、十分な評価を得ることができました。

 これからは海外拠点での省エネも重要ですので、ぜひ参考にして下さい。

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この記事の著者

城田 靖彦

改善活動は人財育成の場です。ポテンシャルを引き出し成果を出す活動を効果的に提案いたします。

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