貨客混載輸送や新技術の採用 物流新技術を活用する(その3)

投稿日

 
  SCM
 
 物流に、どんどんと新しい発想を取り入れていきたいものです。かつては「国鉄」の時代に旅客車両の後ろに貨物車両を連結し、貨客混載輸送を行っていました。最近ではJRとなり、旅客と貨物の会社が分かれたこともあり、すっかり見かけなくなりました。しかし、ここにきてまたこの方式が採用されつつあります。旅客鉄道の一部に貨物を積んで運ぶのです。両端末はトラック輸送に頼ることになりますが、一部区間だけでも実施すればドライバー不足やCO2削減に寄与できます。
 
 貨客混載は鉄道だけではありません。乗り合いバスでもタクシーでも荷物を運ぶことを可能とするように検討がなされています。現時点では乗り合いバスは350㎏未満の荷物を運ぶことが可能ですが、この重量制限を広げて対応します。
 
 タクシーも貨物自動車運送事業の許可を取ることで、過疎地域に限り荷物を運ぶことを可能とするのです。一方で、トラックも旅客自動車運送事業の許可を取ることで、過疎地域に限るという前提付きですが、人を運ぶことを可能とします。今までの固定的な考え方を打破し、新たな発想で物流を拡大していく良案です。特に過疎地域では高齢者が生活必需品を手に入れることが困難になります。
 
 新たな発想での物流が、高齢者や買物困難者を救うことにつながるわけです。近い将来には小型無人機(ドローン)を使った荷物配送も実現することでしょう。自動運転による配送も可能となるでしょう。
 
 このような新たな発想による取組と、新技術の採用が物流をさらに進化させることでしょう。私たちは今までの考え方から一...
 
  SCM
 
 物流に、どんどんと新しい発想を取り入れていきたいものです。かつては「国鉄」の時代に旅客車両の後ろに貨物車両を連結し、貨客混載輸送を行っていました。最近ではJRとなり、旅客と貨物の会社が分かれたこともあり、すっかり見かけなくなりました。しかし、ここにきてまたこの方式が採用されつつあります。旅客鉄道の一部に貨物を積んで運ぶのです。両端末はトラック輸送に頼ることになりますが、一部区間だけでも実施すればドライバー不足やCO2削減に寄与できます。
 
 貨客混載は鉄道だけではありません。乗り合いバスでもタクシーでも荷物を運ぶことを可能とするように検討がなされています。現時点では乗り合いバスは350㎏未満の荷物を運ぶことが可能ですが、この重量制限を広げて対応します。
 
 タクシーも貨物自動車運送事業の許可を取ることで、過疎地域に限り荷物を運ぶことを可能とするのです。一方で、トラックも旅客自動車運送事業の許可を取ることで、過疎地域に限るという前提付きですが、人を運ぶことを可能とします。今までの固定的な考え方を打破し、新たな発想で物流を拡大していく良案です。特に過疎地域では高齢者が生活必需品を手に入れることが困難になります。
 
 新たな発想での物流が、高齢者や買物困難者を救うことにつながるわけです。近い将来には小型無人機(ドローン)を使った荷物配送も実現することでしょう。自動運転による配送も可能となるでしょう。
 
 このような新たな発想による取組と、新技術の採用が物流をさらに進化させることでしょう。私たちは今までの考え方から一歩脱却してみる必要がありそうです。
 
 こんなことが出来たらいいな、ということを常に考えていくことが重要です。今まで人手で実施してきた仕事も機械に置き換えていくことで、将来的な人材不足に対応していくことが可能となります。情報システムを活用して管理業務の負荷を軽減することも可能となります。固定観念を外して、新たな物流を構築していきましょう。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
精度確保のキー『ブルウィップの克服』 SCM最前線 (その10)

 前回のその9に続いて解説します。   5. ブルウィップ克服の組織:SCMセンターについて    日本でSCMの導入が本格化...

 前回のその9に続いて解説します。   5. ブルウィップ克服の組織:SCMセンターについて    日本でSCMの導入が本格化...


工場内物流の三つの役割

 生産効率を劇的に向上する工場内物流の三つの役割を、解説します。顧客のオーダーに基づき資材を調達して超短納期でものづくりを行い、効率的かつ低コスト物流にて...

 生産効率を劇的に向上する工場内物流の三つの役割を、解説します。顧客のオーダーに基づき資材を調達して超短納期でものづくりを行い、効率的かつ低コスト物流にて...


サプライチェーンマネジメントの基礎

1. サプライチェーンマネジメントの要点  サプライチェーンマネジメント(SCM)は経営における考え方で、以下3点に要約されます。   ① 消費者需要...

1. サプライチェーンマネジメントの要点  サプライチェーンマネジメント(SCM)は経営における考え方で、以下3点に要約されます。   ① 消費者需要...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流への関心度向上 物流を認識しない経営者(その1)

       物は、黙っていても届くとの思いが強いのかもしれませんが、多くの経営者の物流に対する認識不足は大きいようです。    ところがあるこ...

       物は、黙っていても届くとの思いが強いのかもしれませんが、多くの経営者の物流に対する認識不足は大きいようです。    ところがあるこ...


輸配送改善のポイント(その2)

   前回のその1に続いて解説します。   4. 製品設計時に物流の思想を織り込む  まだまだ意識は浸透している感はありませんが、物流を意...

   前回のその1に続いて解説します。   4. 製品設計時に物流の思想を織り込む  まだまだ意識は浸透している感はありませんが、物流を意...


実オペレーションからSCMへ 物流業界の地位向上(その4)

  ◆ 物流会社の最低要件  「物流」という言葉が「ロジスティクス」となり、今では「サプライチェーン・マネジメント」と称されるまで発展を...

  ◆ 物流会社の最低要件  「物流」という言葉が「ロジスティクス」となり、今では「サプライチェーン・マネジメント」と称されるまで発展を...