社内ルールの確立とそれを守らせるしくみ 物流不良流出を防ぐには(その1)

 
  
 
 物流不良に悩んでいる会社も多いことかと思います。せっかく生産工程で良い製品を作ったとしても、物流工程で間違いが発生してしまったら台無しです。小売業や流通業ではものづくりの工程がありませんから、ほとんど物流的業務であると思われます。そこでの間違いはプロとしての意識が問われてしまう気がします。
 
 物流エラーを防ぐことは基本的にそれほど難しいことではありません。エラー防止のためにお金をかけることも不要です。まずやるべきことは社内ルールを確立すること。そしてそれを守らせるしくみを作ること。この2つです。これさえできれば物流エラーは限りなくゼロに近づけることができます。しかし多くの会社でこの2つを実行していません。ということは、物流エラーを発生させて下さいと言っているようなものです。
 
 第一歩としてきちんとした作業ルールを確立していきましょう。この作業ルールは一般的に標準作業と言われるものです。誰がその作業を行っても、同じ結果が出るようにする決まり事です。同じ結果とは物流品質に限らず、安全性やコストなども含まれます。
 
 ルールを作るにあたって気をつけたい点をお示しします。それは一つひとつの動作を軽視せずに、きちんと決めていくことです。たとえば数の数え方について見ていきます。物流品質不良の中に「誤数」というものがあります。つまり、顧客から求められた数量を間違って出荷してしまうことです。
 
 1個多い、1個少ないといった類のエラーです。これを防ぐために、容器から部品を取り出して、いったん作業台の上に並べ、求められた数量になっているかどうかを確認するというルールが考えられます。
 
 本来であれば、容器から取り出して、顧客に届ける箱に直接移し替えることで作業は済むでしょう。しかしその方法で誤数が発生する可能性があるのであれば、このようなルールを定めることも当然ありだと思います。
 
 このように職場のルールとしての標準作業を定めるとともに、それを守らせるしくみを確立します。その方法とは、標準作業を作業者に教え込むとともに、その通り実行できている...
かどうかを確認することです。
 
 前者は標準作業書を見せて、内容を説明し、今度は作業者に内容を説明させ、理解度を確認することです。そしてその通りに作業をやって見せ、やらせて見せて必要に応じ修正させます。
 
 後者は作業観察と呼ばれ、実際に物流工程で作業者が作業を行っている時に実施します。教えた標準作業通りの仕事をしているかどうかを観察して確認する行為です。
 
 この2つは物流現場監督者の重要な業務となります。
 
 次回に続きます。
 

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