自動車サプライチェーンに学ぶ グローバルサプライチェーン(その5)

投稿日

 SCM

1. ジャストインタイム生産

 最終組み立てメーカーである自動車メーカーを最下流とし、そこにつながるサプライチェーンはまさにグローバルワイドで形成されています。グローバルサプライチェーンが最も進んでいる産業が自動車製造業でしょう。

 自動車サプライチェーンでは自動車メーカーのオーダーのもと、原則として同一情報で、1次請け以下の部品メーカーが生産を行っています。在庫を極限まで落としたジャストインタイム生産を実施していますので、リードタイムも短くなっています。部品調達は世界で最もコストメリットがあるところで生産し組立地へ送ることになっています。

2. グローバル調達

 このグローバル調達で注意しなければならない点があります。それは為替と海上輸送運賃の振れです。これは読むことが困難なため、出たところ勝負になってしまいがちです。そうなると計画していた時にはコストメリットがあった部品調達が実は儲からなかったということになりがちなのです。

 本来ではタイで生産し日本に送って組み立てることがベストと思われていたものが、実際には日本で生産して日本で組み立てる方が効果があるということも実際に起きているのです。それだけにグローバルサプライチェーンは難しいと言えます。生産地を選ぶ場合にはよほど価格差がないと危険だということになってしまいます。こういった点で...

 SCM

1. ジャストインタイム生産

 最終組み立てメーカーである自動車メーカーを最下流とし、そこにつながるサプライチェーンはまさにグローバルワイドで形成されています。グローバルサプライチェーンが最も進んでいる産業が自動車製造業でしょう。

 自動車サプライチェーンでは自動車メーカーのオーダーのもと、原則として同一情報で、1次請け以下の部品メーカーが生産を行っています。在庫を極限まで落としたジャストインタイム生産を実施していますので、リードタイムも短くなっています。部品調達は世界で最もコストメリットがあるところで生産し組立地へ送ることになっています。

2. グローバル調達

 このグローバル調達で注意しなければならない点があります。それは為替と海上輸送運賃の振れです。これは読むことが困難なため、出たところ勝負になってしまいがちです。そうなると計画していた時にはコストメリットがあった部品調達が実は儲からなかったということになりがちなのです。

 本来ではタイで生産し日本に送って組み立てることがベストと思われていたものが、実際には日本で生産して日本で組み立てる方が効果があるということも実際に起きているのです。それだけにグローバルサプライチェーンは難しいと言えます。生産地を選ぶ場合にはよほど価格差がないと危険だということになってしまいます。こういった点でも、グローバルサプライチェーンに貢献するために幅広い知識と経験が必要だということになるでしょう。

 サプライチェーンの管理は1社で行うにしても、こういった周辺知識はその道に長けた会社で実施していくことが望ましいのです。だからこそ前回お話しましたアライアンスが必要になるのです。

 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
供給を考える。 物流改善ネタ出し講座 (その6)

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...


SCM構築の必要性・目的を明確にすることの重要性 SCM最前線 (その3)

1. SCM構築の必要性・目的を明確化する重要性を取り上げる意味     読者の皆様にとって、「SCM構築の必要性・目的を明確化の...

1. SCM構築の必要性・目的を明確化する重要性を取り上げる意味     読者の皆様にとって、「SCM構築の必要性・目的を明確化の...


海外工場支援者のための「物流指導7つ道具」(その5)

第5回 道具4「物流会社選定ツール」(中)   ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 【選定ステップ3】候補会社評価表の作成 ...

第5回 道具4「物流会社選定ツール」(中)   ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 【選定ステップ3】候補会社評価表の作成 ...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
日常活動:エンジニアリングとしての物流(その3)

  ◆荷姿改善と倉庫の有効活用 エンジニアリングとしての物流は、オペレーション開始後はそれをご破算にしてやり直すことは困難なので、現在の...

  ◆荷姿改善と倉庫の有効活用 エンジニアリングとしての物流は、オペレーション開始後はそれをご破算にしてやり直すことは困難なので、現在の...


物流業務の方法と標準化 物流4M管理の重要性(その6)

 もうひとつの物流4M、「方法」について考えていきましょう。物流4Mにおける方法とは物流業務のやり方ということになるでしょう。ものを輸送する時に「モード」...

 もうひとつの物流4M、「方法」について考えていきましょう。物流4Mにおける方法とは物流業務のやり方ということになるでしょう。ものを輸送する時に「モード」...


物流情報の一元化によるコスト削減とは

1. 社内コミュニケーション  物流を効率化するためには荷物を集めるという原則があります。物量が集まれば一単位当たりのコストは下がります。そこでもの...

1. 社内コミュニケーション  物流を効率化するためには荷物を集めるという原則があります。物量が集まれば一単位当たりのコストは下がります。そこでもの...