1. 上流工程の状況把握
前回の自動車メーカーのサプライチェーンの事例でいけば、部品メーカーの下請、孫請けなどが上流工程にあたりますが、グローバルサプライチェーンで目立たずに見落とされがちなのが、この上流工程です。
震災時にご記憶の方もいらっしゃると思いますが、こういった上流工程の状況を把握していなかったために、復旧に時間がかかったという事実があります。そこでこういったサプライチェーンの上流工程にも目を配るように心がける必要があるのです。では誰がそこまで気を配ることが妥当でしょうか。
望ましい形は最終工程である自動車メーカーが把握をすることです。しかし、場合によってはこの Tier2以降の情報について Tier1メーカーが開示しない可能性があります。そこで Tier1メーカーが自分のところに納入する Tier2や Tier3の情報を確実に把握し、何か問題が出た時に速やかに情報をカーメーカーに開示する体制をとることも考えられます。
このつながったチェーンの一部だけ海外ということもありますから、できるだけサプライチェーンの最終工程の会社は全体像を把握し、有事の対応に支障をきたさないように準備を整えておくべきだからです。
2. グローバルサプライチェーンの管理
物流会社としましてもグローバルサプライチェーンの管理を業として行っていくつもりであれば、サプライチェーンの全体像を把握するために努力して情報を集めなければなりません。
そしてすべての構成メンバーに対して定期的に情報発信していくとよいのではないでしょうか。たとえば現時点での全体のリードタイムや在庫の状況、物流コストの状況など、サプライチェーンの効率化に影響を与えそうな情報を集めて発信していくのです。
・ ・ ・ ・ ・ ・
さて...