手待ちのムダを削減する 物流でIEを駆使する(その3)

更新日

投稿日

サプライチェーンマネジメント

◆ IEで物流ロスを定量化する

 輸送会社も荷主構内での待機時間に苦労しています。ではそれをどこまで定量化して荷主と話し合いを持っているか、となると心もとない会社がほとんどのようです。IEではよく話題になりますが「手待ち」のムダを削減することは重要です。

 これには二つの理由がありそうです。一つ目は荷主に改善要請をするなんて恐れ多いこと、と考えている。二つ目は待機時間のデータを取ろうという意識が無いこと。

 いずれの理由にせよ、このままの状態では待機時間が短縮されることはあり得ないと思います。なぜなら荷主側に輸送会社の困り具合が伝わらないからです。

 トラックドライバーに荷主のゲートインタイムとゲートアウトタイムを毎回記録させ、そのデータを持って荷主と話し合いをすればそれを全く無視できる会社は少ないのではないでしょうか。

 ディズニーランドやスーパーのレジで人の待ち時間を短縮する工夫が実際に行われているそうです。待ち時間はロス以外の何物でもないからです。

 まずはデータを把握する。そしてそれに対して改善のアクションを取る。これは会社としてやるべき当たり前のことではないでしょうか。

 会社に悪影響を与える明らかなロスに対して、何もアクションを取らないことは無責任であると思いませんか。

 物流作業ではそれを行う作業者によるばらつきが大きいケースが目につきます。品質や所要時間、やり方のばらつきなどこれらの存在も望ましいものではありません。

 そもそも作業が標準化されていないためにこのようなばらつきが発生するのです。IEでは標準的な作業者が無理なくできる作業を標準作業として決めることを基本としています。

 物流すべての作業について標準化し、それに従って実施させるようにするこ...

サプライチェーンマネジメント

◆ IEで物流ロスを定量化する

 輸送会社も荷主構内での待機時間に苦労しています。ではそれをどこまで定量化して荷主と話し合いを持っているか、となると心もとない会社がほとんどのようです。IEではよく話題になりますが「手待ち」のムダを削減することは重要です。

 これには二つの理由がありそうです。一つ目は荷主に改善要請をするなんて恐れ多いこと、と考えている。二つ目は待機時間のデータを取ろうという意識が無いこと。

 いずれの理由にせよ、このままの状態では待機時間が短縮されることはあり得ないと思います。なぜなら荷主側に輸送会社の困り具合が伝わらないからです。

 トラックドライバーに荷主のゲートインタイムとゲートアウトタイムを毎回記録させ、そのデータを持って荷主と話し合いをすればそれを全く無視できる会社は少ないのではないでしょうか。

 ディズニーランドやスーパーのレジで人の待ち時間を短縮する工夫が実際に行われているそうです。待ち時間はロス以外の何物でもないからです。

 まずはデータを把握する。そしてそれに対して改善のアクションを取る。これは会社としてやるべき当たり前のことではないでしょうか。

 会社に悪影響を与える明らかなロスに対して、何もアクションを取らないことは無責任であると思いませんか。

 物流作業ではそれを行う作業者によるばらつきが大きいケースが目につきます。品質や所要時間、やり方のばらつきなどこれらの存在も望ましいものではありません。

 そもそも作業が標準化されていないためにこのようなばらつきが発生するのです。IEでは標準的な作業者が無理なくできる作業を標準作業として決めることを基本としています。

 物流すべての作業について標準化し、それに従って実施させるようにすることが大切です。多分これを行うだけでもムダな動作が無くなり、従来よりも生産性が向上すると考えられます。

 以上のようにムダを定量化する、一定の手法を使ってみる、作業の標準化を行うなど、IEを活用することで効果が見える点が多々あります。まず簡単なところからIEの導入をしてみる。そして徐々に取り組みを追加していくことをお勧めします。きっと思いもよらないメリットを享受できるものと思います。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
最先端のSCMテーマ、S&OP SCM最前線 (その7)

 前回のその6に続いて解説します。   4. 事業目標管理におけるS&OPの対象領域    これまで、S&OP...

 前回のその6に続いて解説します。   4. 事業目標管理におけるS&OPの対象領域    これまで、S&OP...


サプライチェーンとキャッシュフローの関係

1.時間こそキャッシュの源泉  モノがサプライチェーン上を駆け抜ける時間を短くすれば、キャッシュの回転スピードは上がります。われわれがよく知っている「時...

1.時間こそキャッシュの源泉  モノがサプライチェーン上を駆け抜ける時間を短くすれば、キャッシュの回転スピードは上がります。われわれがよく知っている「時...


海外工場支援者のための「物流指導7つ道具」(その9)

第9回 道具6「現地スタッフ教育マニュアル」 前回のその8に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.現地スタッフの実...

第9回 道具6「現地スタッフ教育マニュアル」 前回のその8に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.現地スタッフの実...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流とその他のニーズ:物流顧客のニーズを知る(その3)

  ◆ 物流ニーズとその他のニーズ  物流事業者の担当者は、まめに顧客の元を訪れいろいろと話をすることで着実に必要な情報を得ることが重要...

  ◆ 物流ニーズとその他のニーズ  物流事業者の担当者は、まめに顧客の元を訪れいろいろと話をすることで着実に必要な情報を得ることが重要...


設計手順・作業手順などのマニュアル 物流技術標準と物流作業標準を設定する(その2)

       1. 自社にとって倉庫が適切な仕様か判断する  物流技術標準を設定しておけば新たな拠点を設置する際に大変役立ちます。たとえばどれ...

       1. 自社にとって倉庫が適切な仕様か判断する  物流技術標準を設定しておけば新たな拠点を設置する際に大変役立ちます。たとえばどれ...


考慮すべき重要事項 物流BCPについて考える(その7)

         【物流BCPについて考える 連載目次】 1. 事業継続を脅かすリスク ...

         【物流BCPについて考える 連載目次】 1. 事業継続を脅かすリスク ...