受注と納入 物流リードタイム短縮を考えよう(その1)

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サプライチェーン

 

1、受注リードタイムはどれくらいか

 物流がコストだけを追求する時代は終わり、現在は『サプライチェーン全体の効率化』が求められています。このサプライチェーンの効率化のために、とてもとても重要な要素は「リードタイム短縮」です。

 顧客の立場で考えると分かりますが「買ったものはすぐ欲しい」のです。「欲しいものはすぐ手に入れたい」のです。つまり、この顧客の欲求を満たすようなサプライチェーンを構築することが必要です。

 物流は、できる限りリードタイムを短縮し、顧客の要望に応えられるような体制づくりをしておかなければならないのです。

 物流のリードタイムとは「受注から納入までの時間」を指すことが一般的です。つまりお客様が輸送を依頼されてから、その荷物が目的地に到着するまでの時間をできるだけ短くしていくことを考えていかなければなりません。

 この輸送事例を分解して考えましょう。

 まず受注リードタイムです。このリードタイムは、受注してからお客様の指定する場所に荷物を引き取りに行くまでの時間です。この時間をできるだけ短縮します。必要な車両を手配する、運転員を確保するなどの準備が必要になります。この準備時間がどれくらいかかるかがキーとなるのです。

 この受注リードタイムは2日くらいが平均的なところかもしれません。庸車[1]を使っている場合、これくらいの時間が当然と思われている会社もあることでしょう。しかしこの「当然」という思考が仕事の拡大の阻害要因になっている可能性があります。

 リードタイムの考察でこれくらいの時間が当然と思っていると、この「当然」という思考が仕事拡大の阻害要因になります。「当然」という考え方はどの会社も持っていることだと思います。だからこそ、それをブレークスルーしていくことが必要です。なぜなら業界として「当然」と思われていることは、どの会社でも同じ対応をしていると考えられるからです。つまりその中で他社と違ったことをやれば「目立つ」のです。目立てば顧客から注目されることになるのです。

 もし受注リードタイムを2日から1日に短縮できれば、顧客はその1日を別の業務に充てることができるのです。その1日分の在庫を減らすこともできるのです。この受注リードタイム短縮は顧客にとって大変喜ばれるサービスに違いありませんので、ぜひ対応を考えましょう。

 

2、納入リードタイムの短縮

 次に「納入リードタイム」について考えてみましょう。

 納入リードタイムとは、顧客の荷物を引き取ってから指定場所へ届けるまでの時間です。この時間にはいろいろな機能が含まれている可能性があります。例えば荷物の仕分けや詰め替え作業、梱包作業や実輸送、通関業務などが考えられます。

 それぞれの機能ごとに時間を短縮する努力が必要です。仕分けや詰め替え、梱包作業などを行う際に「待ち時間」が存在していないでしょうか。もちろん各工程の処理能力がありますから、すべての顧客の荷を待たせず作業に取り掛かることは困難かもしれません。

 しかし待ち時間を当たり前のこととせずに「縮める改善」は不可欠です。各機能ご...

サプライチェーン

 

1、受注リードタイムはどれくらいか

 物流がコストだけを追求する時代は終わり、現在は『サプライチェーン全体の効率化』が求められています。このサプライチェーンの効率化のために、とてもとても重要な要素は「リードタイム短縮」です。

 顧客の立場で考えると分かりますが「買ったものはすぐ欲しい」のです。「欲しいものはすぐ手に入れたい」のです。つまり、この顧客の欲求を満たすようなサプライチェーンを構築することが必要です。

 物流は、できる限りリードタイムを短縮し、顧客の要望に応えられるような体制づくりをしておかなければならないのです。

 物流のリードタイムとは「受注から納入までの時間」を指すことが一般的です。つまりお客様が輸送を依頼されてから、その荷物が目的地に到着するまでの時間をできるだけ短くしていくことを考えていかなければなりません。

 この輸送事例を分解して考えましょう。

 まず受注リードタイムです。このリードタイムは、受注してからお客様の指定する場所に荷物を引き取りに行くまでの時間です。この時間をできるだけ短縮します。必要な車両を手配する、運転員を確保するなどの準備が必要になります。この準備時間がどれくらいかかるかがキーとなるのです。

 この受注リードタイムは2日くらいが平均的なところかもしれません。庸車[1]を使っている場合、これくらいの時間が当然と思われている会社もあることでしょう。しかしこの「当然」という思考が仕事の拡大の阻害要因になっている可能性があります。

 リードタイムの考察でこれくらいの時間が当然と思っていると、この「当然」という思考が仕事拡大の阻害要因になります。「当然」という考え方はどの会社も持っていることだと思います。だからこそ、それをブレークスルーしていくことが必要です。なぜなら業界として「当然」と思われていることは、どの会社でも同じ対応をしていると考えられるからです。つまりその中で他社と違ったことをやれば「目立つ」のです。目立てば顧客から注目されることになるのです。

 もし受注リードタイムを2日から1日に短縮できれば、顧客はその1日を別の業務に充てることができるのです。その1日分の在庫を減らすこともできるのです。この受注リードタイム短縮は顧客にとって大変喜ばれるサービスに違いありませんので、ぜひ対応を考えましょう。

 

2、納入リードタイムの短縮

 次に「納入リードタイム」について考えてみましょう。

 納入リードタイムとは、顧客の荷物を引き取ってから指定場所へ届けるまでの時間です。この時間にはいろいろな機能が含まれている可能性があります。例えば荷物の仕分けや詰め替え作業、梱包作業や実輸送、通関業務などが考えられます。

 それぞれの機能ごとに時間を短縮する努力が必要です。仕分けや詰め替え、梱包作業などを行う際に「待ち時間」が存在していないでしょうか。もちろん各工程の処理能力がありますから、すべての顧客の荷を待たせず作業に取り掛かることは困難かもしれません。

 しかし待ち時間を当たり前のこととせずに「縮める改善」は不可欠です。各機能ごとに少しずつ短縮することで、納入リードタイムが1日短縮することはあり得ることです。作業自体の効率化も当然必要になってきます。仕分け作業を5分かけていたものを4分に短縮する、そのためにレイアウト改善や歩行改善を行うなどの「作業改善」が必要になるのです。

 輸送リードタイムを短縮する取り組みは行われていると思います。経由地を含めたルート改善やクロスドックでの滞留時間の短縮などを行いつつ、さらに改善の余地が無いかを検証していきましょう。これによって数時間のリードタイム短縮が可能かもしれません。ちりも積もれば山となるのです。

 次回に続きます。

 [1]庸車(ようしゃ):車両が不足したときに他の業者からトラックを借り受けて配送してもらうこと。

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この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

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