カタログが物流サービスには無い 物流会社と荷主会社の関係性(その2)

投稿日

SCM

 

◆ 物流カタログを作ろう

 カタログには自社の製品と価格が載っています。それを見て購入者は買うかどうかを判断します。ところが物流会社が荷主会社に売り込みに行く際、会社案内はあっても「カタログ」がありません。ものを購入する際に必ずと言っていいほどあるカタログが物流サービスには無いのです。

 筆者はこれまで、荷主に対する物流会社の売り込みの場に何度も立ち会ったことがありますが、そこでカタログが提示されたことはありませんでした。その時の荷主会社の戸惑った表情をよく覚えています。つまり、売り込みに来た物流会社の商品が見えず、価格水準も分からないため、どう反応して良いのか判断に困るのです。

 物流会社からのこのような売り込みでは、翌日には荷主に忘れられてしまうことでしょう。カタログもないため、後日その会社のサービスの詳細を思い出すことすらできないのです。このような事にならないためにも、カタログには標準的なサービス内容とその価格を載せておけばよいのです。それさえあれば、荷主はある程度物流会社を判断できるからです。

 「物流サービスは個々の荷主で変わるから」とか「サービスの形態と種類は数多くあるから」といった言い訳をして物流カタログを作成できないと思っている会社があります。しかしこれは間違った考えです。最低限なくてはならないものになりますので、ぜひ荷主にどのような物流商品が提供できる会社なのかを知らせてほしいと思います。

 荷主会社があれこれ質問しなければ、会社の内容が分からないような売り込みは失敗です。お客様の立場に立って「ぱっと見て分かる」ツールをぜひ準備して商談に臨みましょう。

 

...

SCM

 

◆ 物流カタログを作ろう

 カタログには自社の製品と価格が載っています。それを見て購入者は買うかどうかを判断します。ところが物流会社が荷主会社に売り込みに行く際、会社案内はあっても「カタログ」がありません。ものを購入する際に必ずと言っていいほどあるカタログが物流サービスには無いのです。

 筆者はこれまで、荷主に対する物流会社の売り込みの場に何度も立ち会ったことがありますが、そこでカタログが提示されたことはありませんでした。その時の荷主会社の戸惑った表情をよく覚えています。つまり、売り込みに来た物流会社の商品が見えず、価格水準も分からないため、どう反応して良いのか判断に困るのです。

 物流会社からのこのような売り込みでは、翌日には荷主に忘れられてしまうことでしょう。カタログもないため、後日その会社のサービスの詳細を思い出すことすらできないのです。このような事にならないためにも、カタログには標準的なサービス内容とその価格を載せておけばよいのです。それさえあれば、荷主はある程度物流会社を判断できるからです。

 「物流サービスは個々の荷主で変わるから」とか「サービスの形態と種類は数多くあるから」といった言い訳をして物流カタログを作成できないと思っている会社があります。しかしこれは間違った考えです。最低限なくてはならないものになりますので、ぜひ荷主にどのような物流商品が提供できる会社なのかを知らせてほしいと思います。

 荷主会社があれこれ質問しなければ、会社の内容が分からないような売り込みは失敗です。お客様の立場に立って「ぱっと見て分かる」ツールをぜひ準備して商談に臨みましょう。

 

 次に荷主側の課題について考えてみましょう。物流会社に自社の要望をいかに的確に伝えるかが、荷主会社の大きな課題ということになります。物流コストは物流量によって大きく変動します。ということは荷主は物流会社に対し、しっかりと計算された物流量を提示しなければ、正確な価格を得ることができないということになります。

 

 次回に続きます。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーンマネジメントのプッシュとプル

 サプライチェーンマネジメントのプッシュ型とは、需要をあらかじめ見込んでいつ・どれだけ・誰に・売れるかの実需が発生する前に製品・仕掛り在庫を用意して、実際...

 サプライチェーンマネジメントのプッシュ型とは、需要をあらかじめ見込んでいつ・どれだけ・誰に・売れるかの実需が発生する前に製品・仕掛り在庫を用意して、実際...


サプライチェーンの戦略的経営モデル -人間系と情報技術(ICT)の融合-

 生産財メーカーの今後の経営モデルをサプライチェーンの原理原則からみると、熟練をベースとした人間系と情報技術(ICT)の融合といえます。「BTB(ビジネス...

 生産財メーカーの今後の経営モデルをサプライチェーンの原理原則からみると、熟練をベースとした人間系と情報技術(ICT)の融合といえます。「BTB(ビジネス...


フールプルーフを導入しよう 物流品質の向上 (その6)

1.フール・プルーフとは何か  工場で物流品質を最高水準に保つためには「人が間違いを犯しにくいしくみ」や、「品質向上に対する意識づけ」、「物流現場に...

1.フール・プルーフとは何か  工場で物流品質を最高水準に保つためには「人が間違いを犯しにくいしくみ」や、「品質向上に対する意識づけ」、「物流現場に...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流は認知されているか、地位向上を考える(その2)

  4. 実オペレーションからSCMへ   【この連載の前回:物流は認知されているか、地位向上を考える(その1)へのリンク】...

  4. 実オペレーションからSCMへ   【この連載の前回:物流は認知されているか、地位向上を考える(その1)へのリンク】...


改善実行と経験値の記録:物流改善(その3)

  ◆ 改善実行と経験値の記録  物流担当者の改善力を向上させていくための最短ルートは、実際に現場に出て5S等の改善で職場環境を変えてみ...

  ◆ 改善実行と経験値の記録  物流担当者の改善力を向上させていくための最短ルートは、実際に現場に出て5S等の改善で職場環境を変えてみ...


改善に終わりなし 物流で会社利益向上のチャンスを見逃すな(その2)

◆ 物流コスト削減と物流改善  改善の優等生といえば製造業です。全従業員に至るまで改善活動が浸透しています。従業員は毎月何かしらの「改善提案」をする...

◆ 物流コスト削減と物流改善  改善の優等生といえば製造業です。全従業員に至るまで改善活動が浸透しています。従業員は毎月何かしらの「改善提案」をする...