◆ 待ち時間解消の方策
トラックの待ち時間はなぜ発生するのでしょうか。
原因の一つに着荷主での「到着時刻」を定めていないことがあります。到着時刻を定めていない場合、多くの納入トラックが一定の時間帯に集中し、到着順に荷降ろしをしていくため、後から到着したトラックに待ちが発生するのです。前回お話した国土交通省の「トラック運送事業における下請・荷主適正取引ガイドライン」にもありますとおり、物流事業者から待ち時間の改善の要請があった場合、それなりの対応をすることが望ましいでしょう。
この対応策しては納入時間帯を分散させること、それとともに業者ごとに納入時刻を定めることが挙げられます。もう一つの要因としては、納入場所の手狭さが挙げられます。トラックの着けられるポートが一つしかない場合、分散してもある程度の待ち時間が発生する可能性があります。このような場合はトラックポートの増設が考えられます。
また荷降ろしをフォークリフトで行っている場合、その数量不足が納入待ちを招いていることが考えられます。着荷主のオペレーターが荷降ろしを実施している場合はオペレーターの工数不足、トラックドライバーが自ら荷降ろしをする場合は、フォークリフトの台数不足が考えられます。以上、これらへの対応が着荷主の課題となるでしょう。
また待ち時間ではなく、荷降ろし時間そのものが長くなる可能性があります。その要因には次のようなものが考えられます。荷降ろし時の運搬距離が長い、荷降ろし場が分かりづらく迷いが発生する、荷降ろし時に仕分けや棚入れなどの付帯作業が発生する、などです。まず荷降ろし距離短縮のためにトラックポートと荷降ろし場を近接化することを実行します。また迷い防止のためには、表示を誰が見ても分かるように、大きく目立つように付けましょう。最後に、これは契約で決まることでしょうが、荷降ろし時の付帯作業について、少なくとも取り決めの無いことを...