メーカー物流の使命とは:物流現状把握の重要性(その9)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 

◆ メーカー物流の使命

 サプライチェーンのオーナーといえばメーカーですが、メーカーのサプライチェーンはものの調達から始まります。サプライチェーンにおける物流の位置づけについてはっきりとさせておくことが望ましいと思います。メーカーの物流の使命は何なのでしょうか。このプロセスにおける物流の使命は調達を効率よく実施していくことでしょう。

 物流の現状を把握するには調達ロットが挙げられます。調達ロットはジャストインタイムを志向する工場から見ると小さい方が望ましいのです。一方で調達コストも下げることが物流には課されています。つまり調達物流コストも現状把握のためのKPIになります。もちろん調達物流を実施している会社であることが条件ではありますが。

 工場にものが届いたら今度はそれを生産ラインに供給する作業が待っています。この業務における物流の使命は生産ラインの効率化です。生産ラインの作業者がいかに使う部品を簡単に取ることができるかで物流の貢献度を測ることができます。生産ライン作業者が「歩行せずに」「手を伸ばすだけで」部品が取れることが理想です。

 これを実現できているかは生産ライン作業者が歩行なしで取れる部品比率などといったKPIが考えられます。生産ラインに対するサービス度の現状を把握することが必要になるのです。ものが出来上がったらタイムリーに出荷場まで運搬します。この現状把握は効率的な物流ができているかどうかを見ましょう。

 

 物流作業者が一人で一時間あたりどれくらいの量を運搬できているかを把握してみましょう。タイムリーな物流ができているかどうかは生産ラインエンドでの完成品の滞留時間を調べてみるとよいかもしれません。そして完成品を顧客のもとに運びます。この場合も納入リードタイムや物流コストが現状把握のKPIになるでしょう。いかに少ない在庫で対応できているかもポイントになります。出荷物流効率化のためには「トラック合わせ...

サプライチェーンマネジメント

 

◆ メーカー物流の使命

 サプライチェーンのオーナーといえばメーカーですが、メーカーのサプライチェーンはものの調達から始まります。サプライチェーンにおける物流の位置づけについてはっきりとさせておくことが望ましいと思います。メーカーの物流の使命は何なのでしょうか。このプロセスにおける物流の使命は調達を効率よく実施していくことでしょう。

 物流の現状を把握するには調達ロットが挙げられます。調達ロットはジャストインタイムを志向する工場から見ると小さい方が望ましいのです。一方で調達コストも下げることが物流には課されています。つまり調達物流コストも現状把握のためのKPIになります。もちろん調達物流を実施している会社であることが条件ではありますが。

 工場にものが届いたら今度はそれを生産ラインに供給する作業が待っています。この業務における物流の使命は生産ラインの効率化です。生産ラインの作業者がいかに使う部品を簡単に取ることができるかで物流の貢献度を測ることができます。生産ライン作業者が「歩行せずに」「手を伸ばすだけで」部品が取れることが理想です。

 これを実現できているかは生産ライン作業者が歩行なしで取れる部品比率などといったKPIが考えられます。生産ラインに対するサービス度の現状を把握することが必要になるのです。ものが出来上がったらタイムリーに出荷場まで運搬します。この現状把握は効率的な物流ができているかどうかを見ましょう。

 

 物流作業者が一人で一時間あたりどれくらいの量を運搬できているかを把握してみましょう。タイムリーな物流ができているかどうかは生産ラインエンドでの完成品の滞留時間を調べてみるとよいかもしれません。そして完成品を顧客のもとに運びます。この場合も納入リードタイムや物流コストが現状把握のKPIになるでしょう。いかに少ない在庫で対応できているかもポイントになります。出荷物流効率化のためには「トラック合わせ生産」を実施することも効果的です。トラックに積載できる量を生産ロットとするやり方です。

 いかがでしょうか。サプライチェーンを支える立場にある物流にはさまざまな貢献すべき要素があることをお分かりいただけたのではないでしょうか。サプライチェーンという広い視点で物流は取り組んでいくことが必要です。そのために物流の現状を正しく把握し修正が必要な個所は直すことでより高度な物流サービスを実施していきましょう。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーンマネジメントにおけるERP -ソフトウェアの本質的な方向性-

 ERP(エンタープライズ・リソース・プラニング)を直訳すると、経営資源計画システムとなります。しかし日本では、統合業務パッケージと訳された言葉が使われて...

 ERP(エンタープライズ・リソース・プラニング)を直訳すると、経営資源計画システムとなります。しかし日本では、統合業務パッケージと訳された言葉が使われて...


海外工場支援者のための「物流指導7つ道具」(その2)

第2回 道具1「現地物流診断シート」   ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.工場立地と物流    工場が海...

第2回 道具1「現地物流診断シート」   ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.工場立地と物流    工場が海...


物流効率化の決め手、荷姿モジュール 物流改善ネタ出し講座 (その5)

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
トラック運送:物流業務の魅力向上(その2)

  ◆トラックドライバーの報酬 新たにドライバーになる人が増えないため、現役ドライバーの高齢化が進んでいます。高齢化が進むと体力も衰え、...

  ◆トラックドライバーの報酬 新たにドライバーになる人が増えないため、現役ドライバーの高齢化が進んでいます。高齢化が進むと体力も衰え、...


  効率的な仕事の推進:物流管理監督者の仕事の仕方(その3)

  ◆マネジメント力の向上 物流管理監督者は、仕事のパフォーマンスを見ていくこと、つまり当初の計画通りに仕事ができているかを日々確認する...

  ◆マネジメント力の向上 物流管理監督者は、仕事のパフォーマンスを見ていくこと、つまり当初の計画通りに仕事ができているかを日々確認する...


輸送は買い手市場か 今後の物流に向けて荷主が取り組むべきこと(その1)

◆ トラック待機時間の解消を  消費増税の際に駆け込み需要はあったものの、それを顧客にタイムリーに運べていなかったという事実がありました。物流は経済...

◆ トラック待機時間の解消を  消費増税の際に駆け込み需要はあったものの、それを顧客にタイムリーに運べていなかったという事実がありました。物流は経済...