現地物流会社を育てる:海外物流での勘所(その3)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 

◆現地物流会社を育てる

物流の中で特にインランド輸送はローカル業務という色合いが強いと思います。海上輸送で国と国の間を運ぶ業務がグローバル業務であることとは対照的です。このローカル色の強いインランド輸送ですが、うまくやるポイントは何でしょうか。それはいかに現地の物流業者を使うか、という点にある気がします。

 

日本のメーカーが海外進出する際に今まで日本国内で取引をしている物流会社に一緒に出てもらうケースがあります。それは気心の知れた物流会社にプレーしてもらうことが楽だからです。しかしこの選択は果たして正しいのでしょうか。

 

日本で上手く仕事ができたからといって、海外では必ずしも同じパフォーマンスを発揮できるかというとそうでもないからです。工場の中で行う物流業務とは異なり、公道を走る輸送業務ではなおさらです。一番よいのは現地の物流会社をしっかりと指導し、彼らにハイパフォーマンスを発揮してもらうことだと思います。

 

国によっては日系の物流会社に対する嫌がらせがあります。道中で止められて金を要求されることがあります。公然とした強盗も発生します。そういったリスクを負うよりも、実際に優秀な現地物流会社と取引し、さらにその会社を育ててあげること、これが海外で物流を上手くやるコツなのです。

 

こういったことは経験しないとなかなかわからないことかもしれません。しかし海外展開の先陣企業がいろいろ物流上での失敗をしています。先輩企業から学ぶところはたくさんあります。失敗から学ぶこと、成功から学ぶこと、話を聞いて自社の物流に活か...

サプライチェーンマネジメント

 

◆現地物流会社を育てる

物流の中で特にインランド輸送はローカル業務という色合いが強いと思います。海上輸送で国と国の間を運ぶ業務がグローバル業務であることとは対照的です。このローカル色の強いインランド輸送ですが、うまくやるポイントは何でしょうか。それはいかに現地の物流業者を使うか、という点にある気がします。

 

日本のメーカーが海外進出する際に今まで日本国内で取引をしている物流会社に一緒に出てもらうケースがあります。それは気心の知れた物流会社にプレーしてもらうことが楽だからです。しかしこの選択は果たして正しいのでしょうか。

 

日本で上手く仕事ができたからといって、海外では必ずしも同じパフォーマンスを発揮できるかというとそうでもないからです。工場の中で行う物流業務とは異なり、公道を走る輸送業務ではなおさらです。一番よいのは現地の物流会社をしっかりと指導し、彼らにハイパフォーマンスを発揮してもらうことだと思います。

 

国によっては日系の物流会社に対する嫌がらせがあります。道中で止められて金を要求されることがあります。公然とした強盗も発生します。そういったリスクを負うよりも、実際に優秀な現地物流会社と取引し、さらにその会社を育ててあげること、これが海外で物流を上手くやるコツなのです。

 

こういったことは経験しないとなかなかわからないことかもしれません。しかし海外展開の先陣企業がいろいろ物流上での失敗をしています。先輩企業から学ぶところはたくさんあります。失敗から学ぶこと、成功から学ぶこと、話を聞いて自社の物流に活かすことも多々あるでしょう。

 

とにかく日本の物流がベストだとか、そのやり方を海外展開すべきだという「間違った認識」は捨てましょう。海外物流にも学ぶべき点があります。現地の優れた物流を上手く取り入れて自社のサプライチェーンにぜひ磨きをかけていきましょう。

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
SCMの適切な評価指標 SCM最前線 (その12)

 前回のその11に続いて解説します。   3. よく使われているSCM指標の評価     下記は、一般的にSCMで使...

 前回のその11に続いて解説します。   3. よく使われているSCM指標の評価     下記は、一般的にSCMで使...


サプライチェーンにおけるリードタイムとは

 サプライチェーンにおけるリードタイムは、サプライチェーンの入口に部材が投入されてキャッシュフローとなる製品が顧客に納入されるまでの時間の合計です。例えば...

 サプライチェーンにおけるリードタイムは、サプライチェーンの入口に部材が投入されてキャッシュフローとなる製品が顧客に納入されるまでの時間の合計です。例えば...


工場内物流の三つの役割

 生産効率を劇的に向上する工場内物流の三つの役割を、解説します。顧客のオーダーに基づき資材を調達して超短納期でものづくりを行い、効率的かつ低コスト物流にて...

 生産効率を劇的に向上する工場内物流の三つの役割を、解説します。顧客のオーダーに基づき資材を調達して超短納期でものづくりを行い、効率的かつ低コスト物流にて...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
運輸安全マネジメントに取り組む 物流安全管理(その4)

 前回のその3に続いて解説します。    運輸事業者自らが安全管理に取り組み、輸送の安全性の向上を図ることを狙いとして、「運輸安全マネジメント制度」が...

 前回のその3に続いて解説します。    運輸事業者自らが安全管理に取り組み、輸送の安全性の向上を図ることを狙いとして、「運輸安全マネジメント制度」が...


物流改善スキルと交渉力 効果的な物流人財育成(その3)

       物流人財育成の中でも最も重要なスキルとして物流改善スキルが挙げられます。物流企画力と同じくらい大切です。...

       物流人財育成の中でも最も重要なスキルとして物流改善スキルが挙げられます。物流企画力と同じくらい大切です。...


物流設備投資時の注意事項:物流現状把握の重要性(その4)

  ◆ 物流設備投資時の注意事項  運搬の自動化を行うことで運搬工数を削減することは、物流作業を効率化するための投資の発生です。この時に...

  ◆ 物流設備投資時の注意事項  運搬の自動化を行うことで運搬工数を削減することは、物流作業を効率化するための投資の発生です。この時に...