共同改善活動とは:物流購買の勘所(その10)

投稿日

 

◆共同改善活動

物流サプライヤーを指導することが自社の利益として返ってくることは明確です。物流現場の仕事の仕方を改善することで、仕事をさばく時間が短縮し、物流サプライヤーのコストが下がります。その一部を自社に返してもらうことがよいやり方だと思います。その代わりと言っては何ですが、サプライヤーに対して指導料は請求しないことです。

 

この指導は共同改善という形で実行することも効果的ではないでしょうか。購買側にとってみると購入コスト低減につながります。一方でサプライヤー側にとってみると、改善力の向上や、管理技術力の向上に結び付くのです。これは無形の財産として価値あるものだと考えられます。

 

よく荷主に対する改善提案は、物流サプライヤーにしてみると売り上げの低下につながるため、やりたがらないという話を聞きます。しかし、このような短絡的な見方をしていると、目先の売り上げ減以上に失うものが大きいと考えられます。つまり、改善活動に協力的ではないサプライヤーだとして、発注候補会社からも外されてしまいかねません。

 

荷主会社同士のネットワークでこのようなよくない噂が広がれば、ますます将来の売り上げ減少につながるものと思われます。

 

消極的な活動が、このような大きなデメリットを招くことを考えれば、荷主との共同改善活動に積極的に参加することで、今保有していない能力(改善力・技術力)を吸収してしまうことの方がよほどメリットあるのではないでしょうか。購買側はこのようなサプライヤーのメリットを明確にした上で、共同改善活動に参加を促していけばよいと思います。

 

先に...

 

◆共同改善活動

物流サプライヤーを指導することが自社の利益として返ってくることは明確です。物流現場の仕事の仕方を改善することで、仕事をさばく時間が短縮し、物流サプライヤーのコストが下がります。その一部を自社に返してもらうことがよいやり方だと思います。その代わりと言っては何ですが、サプライヤーに対して指導料は請求しないことです。

 

この指導は共同改善という形で実行することも効果的ではないでしょうか。購買側にとってみると購入コスト低減につながります。一方でサプライヤー側にとってみると、改善力の向上や、管理技術力の向上に結び付くのです。これは無形の財産として価値あるものだと考えられます。

 

よく荷主に対する改善提案は、物流サプライヤーにしてみると売り上げの低下につながるため、やりたがらないという話を聞きます。しかし、このような短絡的な見方をしていると、目先の売り上げ減以上に失うものが大きいと考えられます。つまり、改善活動に協力的ではないサプライヤーだとして、発注候補会社からも外されてしまいかねません。

 

荷主会社同士のネットワークでこのようなよくない噂が広がれば、ますます将来の売り上げ減少につながるものと思われます。

 

消極的な活動が、このような大きなデメリットを招くことを考えれば、荷主との共同改善活動に積極的に参加することで、今保有していない能力(改善力・技術力)を吸収してしまうことの方がよほどメリットあるのではないでしょうか。購買側はこのようなサプライヤーのメリットを明確にした上で、共同改善活動に参加を促していけばよいと思います。

 

先に改善手法や現場管理技術を教えてあげてしまうこともあり、だと思います。なぜなら、そういった力があれば、改善提案力も増加していくからです。その結果として、自社にとってありがたい提案を物流サプライヤーから提案をもらうことができるのです。

 

次回に続きます。

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
経営判断のための会計法「スループット会計」について

 スループット会計とは、キャッシュフローベースの会計システムで、需要の変化と製造から販売までのサプライチェーンのマネージメントとオペレーションを同期化させ...

 スループット会計とは、キャッシュフローベースの会計システムで、需要の変化と製造から販売までのサプライチェーンのマネージメントとオペレーションを同期化させ...


サプライチェーンにおけるポジショニング

 製造業再編の発生理由は、サプライチェーン上での存在意義をどうするかという、企業のポジショ二ングのし直しといって良いでしょう。   これまでの...

 製造業再編の発生理由は、サプライチェーン上での存在意義をどうするかという、企業のポジショ二ングのし直しといって良いでしょう。   これまでの...


輸送改善はなぜ『おいしい』のか 儲ける輸送改善 (その1)

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流の実力を知りたい方へ

1. 正しい物流コスト認識とは  皆さんの会社では物流のレベルについて把握できていますでしょうか。このような質問をすると困った顔をする方がほとんどで...

1. 正しい物流コスト認識とは  皆さんの会社では物流のレベルについて把握できていますでしょうか。このような質問をすると困った顔をする方がほとんどで...


効率的な海上輸送:グローバルロジスティクスを考える(その1)

  ◆効率的な海上輸送 最近では海外が大きな市場になって日本の製造業はこぞって海外進出しています。従来は海外で生産した方が安くできるとい...

  ◆効率的な海上輸送 最近では海外が大きな市場になって日本の製造業はこぞって海外進出しています。従来は海外で生産した方が安くできるとい...


儲かる物流商品とは 利益率を確保する物流会社の取組(その1)

◆ 利益の出る会社と出ない会社  前回もお話させていただきました通り、コモディティ化された物流商品では他社と違いが出ないため価格競争になります。顧客...

◆ 利益の出る会社と出ない会社  前回もお話させていただきました通り、コモディティ化された物流商品では他社と違いが出ないため価格競争になります。顧客...