物流仕様書とは:物流アウトソースの前にやるべきこと(その2)

投稿日

SCM

 

1.RFP(Request for Proposal)の実行

前回お話させていただきました通り、物流業務発注に際してできるだけ細部の条件を明確化して相手に伝えるという行為をしっかりと行っていただきたいと思います。これは原則として「物流仕様書」としてアウトソース先に提示することがベストです。この内容と条件でアウトソース先は業務を組み立てて実施します。もし相手から何かしらの提案が欲しいのであればRFP(Request for Proposal)を実施すればよろしいと思います。

 

もし相手が物流のプロであれば、荷主から提示された物流の進め方に対して「もっとこうした方がよい」という提案があるはずです。この提案を受け入れて物流業務を再構築することでよりよい結果を得られることでしょう。荷主から提示された物流条件を100%受け入れたとすれば、一つはその物流仕様が完璧だったという見方ができます。もう一つの見方は頼りないアウトソース先であるため、気の利いた提案が出てこなかったという解釈です。

 

後者の場合は「期待外れの物流アウトソース」に陥る可能性がありますので注意が必要です。荷主に対してアドバイスできない業者とは取引をしない方が無難です。このRFPは期待を込めて実施するとよいでしょう。長い期間で付き合っていくパートナー選びはより慎重に行いたいものです。少し時間がかかってもよいと思いますので、ぜひRFPは実行しましょう。

 

2.物流結果を評価できるしくみ構築

物流アウトソースをする前に準備しておきたいこととしまして、その物流結果を評価できるしくみを構築しておく、ということが挙げられます。結果系の評価項目として「物流コスト」、要因系の評価項目として「トラック積載率」が挙げられます。これを常に一...

SCM

 

1.RFP(Request for Proposal)の実行

前回お話させていただきました通り、物流業務発注に際してできるだけ細部の条件を明確化して相手に伝えるという行為をしっかりと行っていただきたいと思います。これは原則として「物流仕様書」としてアウトソース先に提示することがベストです。この内容と条件でアウトソース先は業務を組み立てて実施します。もし相手から何かしらの提案が欲しいのであればRFP(Request for Proposal)を実施すればよろしいと思います。

 

もし相手が物流のプロであれば、荷主から提示された物流の進め方に対して「もっとこうした方がよい」という提案があるはずです。この提案を受け入れて物流業務を再構築することでよりよい結果を得られることでしょう。荷主から提示された物流条件を100%受け入れたとすれば、一つはその物流仕様が完璧だったという見方ができます。もう一つの見方は頼りないアウトソース先であるため、気の利いた提案が出てこなかったという解釈です。

 

後者の場合は「期待外れの物流アウトソース」に陥る可能性がありますので注意が必要です。荷主に対してアドバイスできない業者とは取引をしない方が無難です。このRFPは期待を込めて実施するとよいでしょう。長い期間で付き合っていくパートナー選びはより慎重に行いたいものです。少し時間がかかってもよいと思いますので、ぜひRFPは実行しましょう。

 

2.物流結果を評価できるしくみ構築

物流アウトソースをする前に準備しておきたいこととしまして、その物流結果を評価できるしくみを構築しておく、ということが挙げられます。結果系の評価項目として「物流コスト」、要因系の評価項目として「トラック積載率」が挙げられます。これを常に一定間隔で把握し、物流パフォーマンスの良し悪しを判断できるようにしておきましょう。特に発注前の数字データは重要です。それが少なくとも改善していくように日々のアウトソースマネジメントが必要になるのです。

 

次回に続きます。

◆【特集】 連載記事紹介連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
精度確保のキー『ブルウィップの克服』 SCM最前線 (その8)

1. ブルウィップ効果を取りあげる理由    前回の連載『最先端のSCMテーマS&OP』では、その実現のためには「SCMオペレーショ...

1. ブルウィップ効果を取りあげる理由    前回の連載『最先端のSCMテーマS&OP』では、その実現のためには「SCMオペレーショ...


SCMの適切な評価指標 SCM最前線 (その13)

 前回のその12に続いて解説します。   4. 適切なSCM評価指標がないことで発生する製造業の問題    適切なSCM指標が...

 前回のその12に続いて解説します。   4. 適切なSCM評価指標がないことで発生する製造業の問題    適切なSCM指標が...


ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その6)

1.JIT( Just In Time )と何が違うのか    前回のその5に続いて解説します。「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れな...

1.JIT( Just In Time )と何が違うのか    前回のその5に続いて解説します。「ギリギリまでつくらない、運ばない、仕入れな...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
荷主にとっての物流改善 顧客のニーズをつかむには(その2)

  ◆ 荷主の真意は何か  荷主が価格改定を要求する背景には「物流会社から改善提案」が提出されないからという大きな理由があります。価格改...

  ◆ 荷主の真意は何か  荷主が価格改定を要求する背景には「物流会社から改善提案」が提出されないからという大きな理由があります。価格改...


物流品質向上にこだわるとは

1. 物流品質の5カテゴリー  物流品質不良が減らずに困っているという会社は多いのではないでしょうか。ものづくりでは品質向上のためにさまざまな活動を...

1. 物流品質の5カテゴリー  物流品質不良が減らずに困っているという会社は多いのではないでしょうか。ものづくりでは品質向上のためにさまざまな活動を...


調達と商品陳列の同期化 輸送機能の高度化(その3)

        輸送のタイミングで着荷主に何かしらの行動を起こさせる機能は重要です。輸送されてきたものが届けばそこからその荷を建屋内で動かすなどの行...

        輸送のタイミングで着荷主に何かしらの行動を起こさせる機能は重要です。輸送されてきたものが届けばそこからその荷を建屋内で動かすなどの行...