物流営業と顧客満足

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SCM

 

1.営業活動の基本

皆さんの会社では物流業務をアウトソースしているかもしれません。その時に業務の委託先はどのようにして選びましたでしょうか。よくある答えは「有名な会社だから」「別の同業者が使っているから」「街中でよく見かける会社だから」といったところが多いようです。

 

何事も同じなのですが、人は知名度の高い会社からモノを購入します。誰もが知っている会社には「安心感」があるからです。ではあなたの会社はこのような有名な会社でしょうか。もしそうでないならば、営業活動を工夫しないとなかなか仕事は取れません。

 

仮にたまたま取れた仕事も下請け仕事だったり、極端に単価の安い仕事だったりします。これでは十分な利益を確保することは困難で、従業員に対する給料や福利厚生を良くすることはたやすくありません。

 

物流の中でも運送事業者は約6万3000社あると言われています。その内99%以上が中小企業です。名前の知られた会社はごく一部だということになるわけです。これらの会社のほとんどは利益が出ない実態にあります。過当競争やドライバー確保のための経費が掛かっていることが大きいのかもしれません。

 

つまりほとんどの会社は効果的な営業を行わないと利益が出ないリスクを抱えているのです。では顧客の側からみると運送事業者の営業活動はどう見えているのでしょうか。最大の疑問点は「カタログを持っていないこと」でしょう。この点、気づいている会社はほとんどありません。気づいていれば対処をしていると思われます。

顧客からみるととても不思議なことなのですが、カタログも持たずに営業に行っているのです。顧客は営業に来られたら、自社にフィットした物流サービスを持っているのかどうかを判断したいのです。運送事業者にとって営業は仕事です。時間と経費を要して潜在顧客のもとへと行くわけですから。顧客にとってみてもそれと同様です。営業に来られて、貴重な時間を割いているわけです。にもかかわらず、本来得られるべき情報を得られないのであれば、それは時間のムダに他なりません。

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2.運送の基本的な部分をカタログで

運送事業者にとって営業は仕事です。時間と経費を要して潜在顧客のもとへと行くわけですから。顧客にとってみて営業に来られて、貴重な時間を割いているわけです。にもかかわらず、本来得られるべき情報を得られないのであれば、それは時間のムダに他なりません。そこで潜在顧客に迷惑がられないようにするためには、相手が欲しいと思っている情報を提供することです。それを営業の場で提示できなければなりません。

 

ではそのためにどのような準備が必要でしょうか。いろいろな業種のいろいろな顧客を訪問するわけですから、膨大な資料を考えがちです。しかしもっとシンプルに考えましょう。どの業種でも共通の項目は何でしょうか。それは「価格」です。顧客が一番気にするのは価格なのです。

 

運送価格は運ぶ距離と物流量で決まります。それ以外に荷役の方法や、荷物の価格などによっても変わってくるわけですが、まずは運送の基本的な部分について示せるようにしましょう。その方法ですが、いくつかの運送パターンを想定し、それを「基本パターン」としてカタログに示します。

 

たとえば「4トン車利用、400km運送、車建て契約」として価格を提示するのです。こういったパターンをいくつか作って物流カタログとするのです。これは基本パターンですから、条件は運送事業者側で決めればよいのです。その条件であればこの価格ですよ、という表現で問題ありません。

 

この提示があれば顧客はそのパターンにあてはめた運送を発注するのか、別条件を運送事業者に提示するのかの判断が求められます。これによって、まず交渉の第一歩をカタログとして提示することができました。話は具体的に進み始めることでしょう。

 

カタログがなければ顧客に条件を提示してもらい、見積もりを作ることになるのでしょうが、ここまで至らないケースのほうが多いと思われます。運送事業者の方はよく考えていただきたいのですが、自分で何かを購入するときには必ずと言ってよいほどカタログを参照するはずです。

 

これを「運送はそれぞれパターンが異なるからカタログ化は困難」と言うことは言い訳にすぎません。厳しい言い方かもしれません、手を抜いて仕事をとれるほど甘くはない、ということです。世の中のほとんどの物流事業者はまともなカタログを持っていません。だからこそ「やったもの勝ち」の状況を作りやすいと考えるべきでしょう。

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3.アウトソースの範囲と価格

お客様に喜ばれる物流営業は何も運送や保管だけの仕事とは限りません。今やアウトソースする範囲は広がってきています。受注の可能性がある物流業務について物流カタログにまとめ、それも持って顧客のところに出かけていきましょう。それを見せて説明することが次のステップにつながるのです。

 

物流業務に最も近いところの仕事といえば「流通加工」ではないでしょうか。簡単な組立作業や検査作業などは物流の前後に位置していますので、非常に取り組みやすいのではないでしょうか。これらの仕事は物流効率にも関わっています。複雑な形状の製品は輸送効率を落としますので、輸送した後に組立を実施すると輸送費低減につながります。

 

検査作業は組立後、出荷の前に実施します。組立工程から製品を引き取って来て、それを出荷するのは物流が実施します。そこでその流れの中にいる物流が検査作業を行うことはとても素直なことなので...

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1.営業活動の基本

皆さんの会社では物流業務をアウトソースしているかもしれません。その時に業務の委託先はどのようにして選びましたでしょうか。よくある答えは「有名な会社だから」「別の同業者が使っているから」「街中でよく見かける会社だから」といったところが多いようです。

 

何事も同じなのですが、人は知名度の高い会社からモノを購入します。誰もが知っている会社には「安心感」があるからです。ではあなたの会社はこのような有名な会社でしょうか。もしそうでないならば、営業活動を工夫しないとなかなか仕事は取れません。

 

仮にたまたま取れた仕事も下請け仕事だったり、極端に単価の安い仕事だったりします。これでは十分な利益を確保することは困難で、従業員に対する給料や福利厚生を良くすることはたやすくありません。

 

物流の中でも運送事業者は約6万3000社あると言われています。その内99%以上が中小企業です。名前の知られた会社はごく一部だということになるわけです。これらの会社のほとんどは利益が出ない実態にあります。過当競争やドライバー確保のための経費が掛かっていることが大きいのかもしれません。

 

つまりほとんどの会社は効果的な営業を行わないと利益が出ないリスクを抱えているのです。では顧客の側からみると運送事業者の営業活動はどう見えているのでしょうか。最大の疑問点は「カタログを持っていないこと」でしょう。この点、気づいている会社はほとんどありません。気づいていれば対処をしていると思われます。

顧客からみるととても不思議なことなのですが、カタログも持たずに営業に行っているのです。顧客は営業に来られたら、自社にフィットした物流サービスを持っているのかどうかを判断したいのです。運送事業者にとって営業は仕事です。時間と経費を要して潜在顧客のもとへと行くわけですから。顧客にとってみてもそれと同様です。営業に来られて、貴重な時間を割いているわけです。にもかかわらず、本来得られるべき情報を得られないのであれば、それは時間のムダに他なりません。

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2.運送の基本的な部分をカタログで

運送事業者にとって営業は仕事です。時間と経費を要して潜在顧客のもとへと行くわけですから。顧客にとってみて営業に来られて、貴重な時間を割いているわけです。にもかかわらず、本来得られるべき情報を得られないのであれば、それは時間のムダに他なりません。そこで潜在顧客に迷惑がられないようにするためには、相手が欲しいと思っている情報を提供することです。それを営業の場で提示できなければなりません。

 

ではそのためにどのような準備が必要でしょうか。いろいろな業種のいろいろな顧客を訪問するわけですから、膨大な資料を考えがちです。しかしもっとシンプルに考えましょう。どの業種でも共通の項目は何でしょうか。それは「価格」です。顧客が一番気にするのは価格なのです。

 

運送価格は運ぶ距離と物流量で決まります。それ以外に荷役の方法や、荷物の価格などによっても変わってくるわけですが、まずは運送の基本的な部分について示せるようにしましょう。その方法ですが、いくつかの運送パターンを想定し、それを「基本パターン」としてカタログに示します。

 

たとえば「4トン車利用、400km運送、車建て契約」として価格を提示するのです。こういったパターンをいくつか作って物流カタログとするのです。これは基本パターンですから、条件は運送事業者側で決めればよいのです。その条件であればこの価格ですよ、という表現で問題ありません。

 

この提示があれば顧客はそのパターンにあてはめた運送を発注するのか、別条件を運送事業者に提示するのかの判断が求められます。これによって、まず交渉の第一歩をカタログとして提示することができました。話は具体的に進み始めることでしょう。

 

カタログがなければ顧客に条件を提示してもらい、見積もりを作ることになるのでしょうが、ここまで至らないケースのほうが多いと思われます。運送事業者の方はよく考えていただきたいのですが、自分で何かを購入するときには必ずと言ってよいほどカタログを参照するはずです。

 

これを「運送はそれぞれパターンが異なるからカタログ化は困難」と言うことは言い訳にすぎません。厳しい言い方かもしれません、手を抜いて仕事をとれるほど甘くはない、ということです。世の中のほとんどの物流事業者はまともなカタログを持っていません。だからこそ「やったもの勝ち」の状況を作りやすいと考えるべきでしょう。

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3.アウトソースの範囲と価格

お客様に喜ばれる物流営業は何も運送や保管だけの仕事とは限りません。今やアウトソースする範囲は広がってきています。受注の可能性がある物流業務について物流カタログにまとめ、それも持って顧客のところに出かけていきましょう。それを見せて説明することが次のステップにつながるのです。

 

物流業務に最も近いところの仕事といえば「流通加工」ではないでしょうか。簡単な組立作業や検査作業などは物流の前後に位置していますので、非常に取り組みやすいのではないでしょうか。これらの仕事は物流効率にも関わっています。複雑な形状の製品は輸送効率を落としますので、輸送した後に組立を実施すると輸送費低減につながります。

 

検査作業は組立後、出荷の前に実施します。組立工程から製品を引き取って来て、それを出荷するのは物流が実施します。そこでその流れの中にいる物流が検査作業を行うことはとても素直なことなのです。実際に出荷倉庫で製品を保管しつつ検査作業を行っている会社もあります。ぜひこの一連の業務ができることをカタログに記述し、顧客にPRしていきましょう。

 

次に考えるべきは「管理業務」です。この管理業務は荷主会社にとってもアウトソースできればありがたいと思っているものでもあります。たとえば部品や資材の発注業務。これは在庫管理ともかかわりがありますので、受注していくと実在庫管理とセットでできます。

 

そして生産管理業務。これは工場内物流を行いながらできる業務でもあります。部品や資材を生産工程にタイムリーに届けることを通して、秩序ある生産活動に寄与することができます。これこそが真の生産管理だということになります。

 

こういった「管理業務」もカタログに記載しておきましょう。物流作業だけではなく管理業務もできる会社だと思ってもらえればしめたものです。ぜひカタログというツールを準備し、お客様に喜ばれる物流営業を実施していきましょう!

 

 

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この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

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