リーンシックスシグマは大企業のためのものなのか

投稿日

リーンシックスシグマは大企業のためのものなのか

 

▼さらに深く学ぶなら!
「品質マネジメント」に関するセミナーはこちら!

▼さらに幅広く学ぶなら!
「分野別のカリキュラム」に関するオンデマンドセミナーはこちら!

時々「リーンシックスシグマは大企業のためのものなのか」という質問を頂きます。答えはもちろん否です。リーンシックスシグマはもちろん中小企業でもその力を発揮します。確かにリーンシックスシグマはモトローラで生まれ、GEはそれを全面的に採用し成功した。今では米国を始めとする海外の多くの大企業はリーンシックスシグマを使っていますが、十数年前と比べて大きく違うことは、その裾野が格段に広くなったことです。今では米国では企業の規模を問わず、また業種を問わず、リーンシックスシグマが広く普及しています。

 

なぜリーンシックスシグマは企業の規模や業種を問わないのでしょうか。

 

第一の理由はやはり、リーンシックスシグマは「問題解決のためのフレームワーク」であり、企業の規模や業種を特定したものではない、ということです。企業規模や業種に関わらず、問題や課題を解決するためにリーンシックスシグマというフレームワークを使うことができます。

 

第二の理由は、リーンシックスシグマがプロジェクト単位で業務を進めるためでしょう。

 

リーンシックスシグマは...

リーンシックスシグマは大企業のためのものなのか

 

▼さらに深く学ぶなら!
「品質マネジメント」に関するセミナーはこちら!

▼さらに幅広く学ぶなら!
「分野別のカリキュラム」に関するオンデマンドセミナーはこちら!

時々「リーンシックスシグマは大企業のためのものなのか」という質問を頂きます。答えはもちろん否です。リーンシックスシグマはもちろん中小企業でもその力を発揮します。確かにリーンシックスシグマはモトローラで生まれ、GEはそれを全面的に採用し成功した。今では米国を始めとする海外の多くの大企業はリーンシックスシグマを使っていますが、十数年前と比べて大きく違うことは、その裾野が格段に広くなったことです。今では米国では企業の規模を問わず、また業種を問わず、リーンシックスシグマが広く普及しています。

 

なぜリーンシックスシグマは企業の規模や業種を問わないのでしょうか。

 

第一の理由はやはり、リーンシックスシグマは「問題解決のためのフレームワーク」であり、企業の規模や業種を特定したものではない、ということです。企業規模や業種に関わらず、問題や課題を解決するためにリーンシックスシグマというフレームワークを使うことができます。

 

第二の理由は、リーンシックスシグマがプロジェクト単位で業務を進めるためでしょう。

 

リーンシックスシグマは、解決したい問題(業務)はすべてプロジェクトとして捕らえます。大企業には大きなプロジェクトが、そして中小企業にも会社規模に見合ったプロジェクトが存在します。

 

大企業のプロジェクトは規模も大きく複雑かもしれませんが、それを小さなサブ・プロジェクトに分割していきます。分割した個々のプロジェクトは、中小企業のプロジェクトと恐らく似たようなものになるでしょう。つまり極端な言い方をすれば、大企業と中小企業の違いは、プロジェクトの数だけかもしれません。

 

大企業も中小企業も、リーンシックスシグマを使って個々のプロジェクトが抱える問題や課題を解決していく、それだけのことです。集積した個々のプロジェクトの成功が企業の成功だとすれば、リーンシックスシグマがは企業規模を問うことは決してありません。

 

もし企業規模を問うことがあるとすれば、初めてリーンシックスシグマを導入する時かもしれません。

 

リーンシックスシグマの導入には人的投資と技術投資、つまり教育やトレーニング、ソフトウェアなどが欠かせないので、時間と費用、人材が必要になってきます。企業がそれを捻出できるかどうかが最大の課題です。大企業はそれができるかもしれませんが、余裕の少ない中小企業は人的投資と技術投資に躊躇せざるを得ない場合があるでしょう。

 

座して死を待つか、打って勝負に出るか、経営者やリーダーの決断次第です。

 

図. リーンシックスシグマの企業規模による違い

 

リーンシックスシグマ導入すれば100%企業が成長するとは決して言えません。どのような企業でも成長戦略にはリスクが伴い、リーンシックスシグマはそのリスクを軽減するだけで、完全に無くすことはできないからです。しかしリーンシックスシグマを導入して成長した企業はたくさんあるのも事実です。リスクを理解し、投資を行って次の成長に繋げるかどうかは、経営者の判断に掛かってきます。

 

幸いなことに、すでに米国を中心にしてリーンシックスシグマの実績が十分に培われています。成功事例や失敗事例の研究はもちろんのこと、今や各種の書籍やツール類、テンプレートなど豊富に出揃っています。またインターネットもリーンシックスシグマに関する情報の宝庫となりました。ほんの十数年前と比べて、リーンシックスシグマへの敷居は十分に低くなり、導入時のリスクは確実に下がりました。費用に関しても格段に安くなったと言えるでしょう。これは中小企業にとっては大変喜ばしいことです。

 

今やリーンシックスシグマは大企業のものだけではありません。中小企業が積極的に導入し、成功を収めるための一つの道具となっています。

 

連載記事紹介:ものづくりドットコムの人気連載記事をまとめたページはこちら!

 

【ものづくり セミナーサーチ】 セミナー紹介:国内最大級のセミナー掲載数 〈ものづくりセミナーサーチ〉 はこちら!

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

津吉 政広

リーンやシックスシグマ、DFSSなど、問題解決のためのフレームワークを使った新製品の開発や品質の向上、プロセスの改善を得意としています。「ものづくり」に関する問題を一緒に解決してみませんか?

リーンやシックスシグマ、DFSSなど、問題解決のためのフレームワークを使った新製品の開発や品質の向上、プロセスの改善を得意としています。「ものづくり」に関...


「シックスシグマ」の他のキーワード解説記事

もっと見る
Analyzeフェイズの目的 シックスシグマ (その6)

 前回のその5に続いて解説します。Analyzeフェイズでは収集したデータを分析し、特性Yのばらつきに影響を与えている因子を推測します。さらに問題の原因を...

 前回のその5に続いて解説します。Analyzeフェイズでは収集したデータを分析し、特性Yのばらつきに影響を与えている因子を推測します。さらに問題の原因を...


リーンシックスシグマ・プロジェクト:測定フェーズと GQM パラダイム

   リーンシックスシグマのプロジェクトは、各フェーズの終わりにミーティング(Tollgate Review Meeting)を設けて、そのフ...

   リーンシックスシグマのプロジェクトは、各フェーズの終わりにミーティング(Tollgate Review Meeting)を設けて、そのフ...


リーンシックスシグマ:属性一致分析(Attribute Agreement Analysis)

        リーンシックスシグマでは、測定システム分析(MSA: Measurement System ...

        リーンシックスシグマでは、測定システム分析(MSA: Measurement System ...


「シックスシグマ」の活用事例

もっと見る
TRIZ を使用した DfSS事例 (その2)

   前回のその1に続いて解説します。   5. D/O(Design and Optimize/設計と最適化)フェーズ &n...

   前回のその1に続いて解説します。   5. D/O(Design and Optimize/設計と最適化)フェーズ &n...


コスト重視のシックスシグマ

 シックスシグマとは品質管理での対日本戦略として生み出され、顧客にほぼ欠陥の無いサービスを提供するというビジョンに基づいた経営管理体系です。シグマ(=σ)...

 シックスシグマとは品質管理での対日本戦略として生み出され、顧客にほぼ欠陥の無いサービスを提供するというビジョンに基づいた経営管理体系です。シグマ(=σ)...


創造性と効率性を両立した技術開発プロセスの構築とは

   【目次】 品質管理学会の第50回年次大会研究発表会から、創造性と効率性を両立した技術開発プロセスの構築の事例...

   【目次】 品質管理学会の第50回年次大会研究発表会から、創造性と効率性を両立した技術開発プロセスの構築の事例...