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1. 検査記録のない工場
わたしは中国工場セミナーの中で、どんなにレベルの低い中国工場でもまったく記録がないというところはない、何らかの検査記録は取っていると話すことがあります。
ところが最近まったく検査記録のない中国工場を続けて2つ見ることになりました。天津郊外にある中国ローカル企業で1社は鉄の加工メーカー、もう1社はメッキ業者でした。両社とも顧客は中国企業ですが、顧客の中国企業を通して海外にも出荷しているとのことでした。
こうしたメーカーは品質保証をどのように考えているのでしょうか。今回は鉄加工メーカーについて書いてみたいと思います。この鉄加工メーカーは中堅クラスで従業員も150人規模の会社です。鉄の曲げ加工やプレスを主に手掛けています。驚いたのは、鉄コイルのスリットを自社でやっていたことです。
この会社、検査をやっていないということではなく検査はやっているが、その記録を残していないのでした。総経理が「うちは記録するという習慣がありません」と言っていました。
品管の責任者が1人いて、その下に検査員が2人います。この2人の検査員が生産工程を巡回して検査しています。検査員が不良を発見すると品管責任者に報告して、責任者が対応すること...