海外物流に学ぶ 物流関心度を高める(その6)

投稿日

 SCM
 日本と海外の物流差について知っている人はそれほど多くないのではないでしょうか。実物流についての差と物流マネジメントの差があります。この中で双方ともに海外に学ぶべき点は多々あると思われます。
 
 この中でも特に物流マネジメントの差に注目したいと思います。日本では一般的に物流出身者がトップに就くことは大変まれだと思われます。残念なことですが、日本では物流業務に携わる人はエリートコースとはかけ離れた、どちらかというとマイナーな部署で仕事をするイメージがあります。
 
 この要因は長い歴史の中で物流が企業の中で軽視されてきたこと、そしてその状況を変えることができなかったことにあります。物流経験者ならわかることですが、この状況に何かしら愚痴を言いたくなるものです。しかし、それを言ったところで何も変わりませんから、自分たちが努力して状況を好転させるしか道はありません。
 
 海外ではCLOというポジションがあります。これは Chief logistics officer の略で、組織の中では物流のトップで、かつ他部門と同格に扱われている役員ということになります。物流部門に発言権が出ますので、より社内で物流改革が促進されると思われます。日本も、このような位置づけの管理者を社内に設けたいものです。
 
 物流を学問として位置付けている点も海外に学ばなければなりません。これは物流業務を行っている「産」から発信する必要があります。結果的に物流知識を持った優秀な人財獲得につながるわけですから。
 
 企業内の物流組織も、より幅の広い業務を行えるように努力していくべきでしょう。そのためには今すぐに多くのことを学ばなければなりません。
 
 そして、物流自体が会社に対して多くの貢献をしなければなりません。コスト削減でも、リードタイム短縮でも良いし、顧客満足度向上や環境対策だって構いません。
 
 具体的に、誰にでもわかるように物流貢献度を示す必要があります。今までは物流の貢献度が見えづ...
 SCM
 日本と海外の物流差について知っている人はそれほど多くないのではないでしょうか。実物流についての差と物流マネジメントの差があります。この中で双方ともに海外に学ぶべき点は多々あると思われます。
 
 この中でも特に物流マネジメントの差に注目したいと思います。日本では一般的に物流出身者がトップに就くことは大変まれだと思われます。残念なことですが、日本では物流業務に携わる人はエリートコースとはかけ離れた、どちらかというとマイナーな部署で仕事をするイメージがあります。
 
 この要因は長い歴史の中で物流が企業の中で軽視されてきたこと、そしてその状況を変えることができなかったことにあります。物流経験者ならわかることですが、この状況に何かしら愚痴を言いたくなるものです。しかし、それを言ったところで何も変わりませんから、自分たちが努力して状況を好転させるしか道はありません。
 
 海外ではCLOというポジションがあります。これは Chief logistics officer の略で、組織の中では物流のトップで、かつ他部門と同格に扱われている役員ということになります。物流部門に発言権が出ますので、より社内で物流改革が促進されると思われます。日本も、このような位置づけの管理者を社内に設けたいものです。
 
 物流を学問として位置付けている点も海外に学ばなければなりません。これは物流業務を行っている「産」から発信する必要があります。結果的に物流知識を持った優秀な人財獲得につながるわけですから。
 
 企業内の物流組織も、より幅の広い業務を行えるように努力していくべきでしょう。そのためには今すぐに多くのことを学ばなければなりません。
 
 そして、物流自体が会社に対して多くの貢献をしなければなりません。コスト削減でも、リードタイム短縮でも良いし、顧客満足度向上や環境対策だって構いません。
 
 具体的に、誰にでもわかるように物流貢献度を示す必要があります。今までは物流の貢献度が見えづらかったために十分な評価を得られなかったかもしれません。海外の会社がどのようにして物流で会社に貢献しているのかについて調べてみましょう。
 
 今回の連載は、如何でしょうか。多角的な面で、物流の関心度を高めなければならないことにお気づきになったことと思います。
 
 繰り返しですが、物流の関心度を高め、地位向上を図っていくのは当事者の皆様です。他力本願では実現できません。是非、物流で会社に貢献して、今まで以上に努力をして下さい。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
海外工場支援者のための「物流指導7つ道具」(その2)

第2回 道具1「現地物流診断シート」   ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.工場立地と物流    工場が海...

第2回 道具1「現地物流診断シート」   ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.工場立地と物流    工場が海...


SCMはなぜ難しい サプライチェーンマネジメントによる全体最適化(その1)

  【サプライチェーンマネジメントによる全体最適化 連載記事目次】 1. SCMはなぜ難しい 2. SCM戦略とは 3. 変動メカニズム...

  【サプライチェーンマネジメントによる全体最適化 連載記事目次】 1. SCMはなぜ難しい 2. SCM戦略とは 3. 変動メカニズム...


サプライチェーンマネジメント(SCM)とは?メリットや注目される背景を簡単に解説

インターネットの普及やグローバル化などによる事業環境の変化に伴い、サプライチェーンマネジメント(SCM)が改めて注目を集めています。ものづくりに関わる...

インターネットの普及やグローバル化などによる事業環境の変化に伴い、サプライチェーンマネジメント(SCM)が改めて注目を集めています。ものづくりに関わる...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
  見積もり段階での物流費:会社で物流を意識するということ(その2)

  ◆営業が意識すべき物流費 営業は大いに物流を意識して欲しいと思います。しかし見積もり段階で「物流はよくわからない」からということで、...

  ◆営業が意識すべき物流費 営業は大いに物流を意識して欲しいと思います。しかし見積もり段階で「物流はよくわからない」からということで、...


パートナーとなって欲しい物流会社を探すには アウトソースを過信するな(その3)

◆ 物流会社評価を実施する  物流アウトソースを行った時に「こんなはずではなかった」という思いを持たれる荷主会社が多いようです。このような思いはどこ...

◆ 物流会社評価を実施する  物流アウトソースを行った時に「こんなはずではなかった」という思いを持たれる荷主会社が多いようです。このような思いはどこ...


輸出物流コストを低減するには(その2)

 前回のその1に続いて解説します。   1.輸出物流作業の設計  輸出物流のコストを安く抑えるためには、内陸部に物流拠点を設け、そこで輸出向け梱...

 前回のその1に続いて解説します。   1.輸出物流作業の設計  輸出物流のコストを安く抑えるためには、内陸部に物流拠点を設け、そこで輸出向け梱...