書評検索結果

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「世界一やさしい問題解決の授業」渡辺健介著

投稿日 2014/02/20

本書は元マッキンゼーのコンサルタントであるMBAホルダーの著者が、中学生向けに問題解決を教えるという想定で執筆されています。

そのために音楽バンドやアニメ監督といった子供に馴染のあるシーンを例題としてMECE、課題分析シート、ギャップ分析、日程表、コスト分析、ポジションマトリクスなどを駆使して解決していきます。

子供たちがそこまでロジカルにやりますか?と突っ込みたくなるのをぐっと押さえれば、大人の入門書として立派に役立ちます。

「トヨタ生産方式」大野耐一著

投稿日 2014/02/05

本書は「トヨタ生産方式 」の生みの親である元トヨタ自工副社長の大野耐一氏本人が、その背景と考え方、歴史、そして内容を著述したものです。

出版の契機となったのは、この生産が下請けいじめであるなどの風評に対し、説明責任を果たす必要性を感じたためであるようです。トヨタ生産方式の進化の様子が興味深く克明に描かれており、日本人の国民性だからこそ実現可能なJITなど、常に世界の競合を意識して開発してきたことが分かります。

1978年に出版されながら、今でも色あせることなく、読むたびに新たな発見をもたらすことでしょう。

製造業に携わる人は、製造、技術、そして現場、経営によらず本棚に置いて、折々読み直す価値のある一冊です。

「コストマネジメント」小沢浩著

投稿日 2014/01/22

本書は公認会計士試験の受験参考書として作られているため、原価管理会計を理解するために必要な情報を網羅しています。

一方で著者は、原価は机上ではなく現場で発生するものであるという考えのもと、原価の維持、低減についても多くの頁を割いています。例えばIEやABC、さらにTOCに言及し、品質コストの章ではTQMとコストとの関係性も述べられます。

受験参考書の常として、章ごとに練習問題や過去問が設けられている点は、理解を深めるのに存外の効果を発揮しています。

「生産マネジメントの手法」圓川隆夫・伊藤謙治 著

投稿日 2014/01/08

本書はまだ日本が世界一の生産技術と信じていた1996年に出版されました。さすがに高品質だけではグローバル化に対応できない点は露呈しつつあり、時間競争を勝ち抜けるための「生産マネジメント」に焦点を当てているところに本書の特徴があります。

概論の後には、在庫理論、スケジューリング、プロジェクトマネジメント、ライン編成を解説し、その中でMRPにも一節を割いています。まさに経営工学の中核をなす手法群が並び、それらの意義は今でも失われたわけではありません。

これらの手法から、実行済み/有望/不要を自分たちの目であらためて精査しながら、工夫して取り込みたいものです。