あなたも一瞬で「技術が伝わる」エンジニアになれる(その1)

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  技術マネジメント
 

 

【あなたも一瞬で「技術が伝わる」エンジニアになれる 連載目次】

1. 会話を「技術を世に出すために役立つツール」として活用するには

2.「出会って30秒で仲間のように話せるラポール」を身に着ければ安泰!(初級編)

3.「話題や相手の気持ちを考えなくても」喜ばれる会話ができる!(初級編)

4. 五感で伝える威力は絶大!(初級編)

5. 相手が自ら動く、たった1行の魔法の言葉(中級編)

6.「あの人は毎回フラフラと言うことが変わって困る」という場合の会話法(中級編)

7.「ネガティブな内容が含まれる報告書、企画書、認可書類を一瞬で合意する」形容詞化戦略(上級編)

 

1. 会話を「技術を世に出すために役立つツール」として活用するには

 
 エンジニアの話は専門的な内容を話しているので仕方ないのですが、分かりにくいということになっています。でも本当に「伝わる」問題を解決できる原因があるとしたら?ここで書く内容は「実学」です。今回は、既に何人もの人に実施して頂き、仕事に劇的な変化を与えた内容を解説します。
 
 エンジニアである皆さんに使って頂き、会話を苦労なしに「技術を世に出すために役立つツール」として積極的に活用して頂きたいと考えています。ただし、これまで皆さんが馴染んできた「常識」と随分違う内容が含まれます。それが嫌な方はここで読むのを終わりにしても構いません。
 
 「伝える」方法は星の数ほどあります。皆さんが今採用されている方法でうまく行っているのなら、それが一番いい方法なのです。でも、まだうまく「伝わる」方法が見つかっていなくて、これまでの知識と違う内容を「試して」みてもいい、という方はこの先を読んでみて下さい。一つの答えが見つかると思います。
 

2. エンジニアの話が「伝わらない」本当の理由

 
 多くのエンジニアは「伝わる」話し方の真逆を教えられて、「伝わらない」話し方をしています。きちんとした教育の機会がなく、失敗している先輩の方法をOJTされている場合がほとんどです。
 
 例えば、説明しても分かってもらえない場合、「詳細な説明資料」「補足説明資料」「概要書」を作る方がいます。それで解決!しましたか?追加の説明資料の説明が分かってもらえなくて、質問が質問を呼ぶ負の連鎖に落ち込んだ方が多いんじゃないでしょうか?本当の原因は内容の不足ではありません。「相手は最初からNo.を決めている」のです。
 
 では、なぜそうなるかというと、エンジニアが相手に戦いをしかけているからです。相手は防御のために拒否の反応を示します。このとき、口調が丁寧かどうかは関係ありません。
 

3. エンジニアは相手を攻めている自覚がない

 
 では、何が「戦い」なのか、というと「正しいことを相手に分かってもらう」ことです。ここで、「正しいことを分かってもらうなんて常識以前じゃないか!」と感じた方は「相手を攻めている自覚が完全にない」状態です。言い方を変えればわかりやすいかも知れません。「私の説明が正しいのだから、あなたの意見を変えて、私の意見に改めなさい」もし、自分がこう言われたら?思わず防御しませんか?
 
 これだけ聞くと「じゃぁ、嘘で相手を言いくるめるのか!許さん!」と激高する方がいます。でも、少しお待ちください。これからご紹介する方法は「嘘はつかない」「事実を伝える」をモットーにしています。理由は簡単です。誰しも嘘をつききれるほど賢くないからです。「嘘はつかない」「事実を伝える」はものすごく楽です。でも、表向きは少し格好良く「技術者倫理に照らして」としておきましょう。
 

4. 最初にYes.を勝ち取ってから会話開始

 
 これから様々具体的な思考法やツールをご紹介しますが、根源となる原理は変わりません。「最初にYes.を勝ち取ってから会話開始!」これに尽きます。エンジニアは「内容の説明→Yes.」だと思い込んでいるのですが、現実の世界はほとんどが「Yes.→内容の理解」なのです。具体的な例で説明します。
 
 職場で仲のいい人、信頼できる人を想像してください。その人に「ちょっと困ったことがありまして・・・」と相談するとどうなります?「どうしたの?何?」と一緒に解決策を考えてくれます。内容を聞く前から「力になってあげるよ!」なのです。これが「Yes.→内容の理解」です。
 
 一方、初めて話をする同僚に「ちょっと困ったことがありまして・・・」と話しかけると「そういうことを急に言われても・・・」と敬遠されてしまいます。最初にNo.なのです。
 
 2つの会話はあたりまえのようでいて、会話の根本原理を示しています。
 

5. エンジニアの会話はラポールで決まる

 
 ならば良好な人間関係だ!
 
 人間関係の本を読むと「日ごろから信頼関係を築く」「飲みにケーションが効く」とか書いています。でも!これは表層を見ているだけで本質ではありません。表層の...
 
  技術マネジメント
 

 

【あなたも一瞬で「技術が伝わる」エンジニアになれる 連載目次】

1. 会話を「技術を世に出すために役立つツール」として活用するには

2.「出会って30秒で仲間のように話せるラポール」を身に着ければ安泰!(初級編)

3.「話題や相手の気持ちを考えなくても」喜ばれる会話ができる!(初級編)

4. 五感で伝える威力は絶大!(初級編)

5. 相手が自ら動く、たった1行の魔法の言葉(中級編)

6.「あの人は毎回フラフラと言うことが変わって困る」という場合の会話法(中級編)

7.「ネガティブな内容が含まれる報告書、企画書、認可書類を一瞬で合意する」形容詞化戦略(上級編)

 

1. 会話を「技術を世に出すために役立つツール」として活用するには

 
 エンジニアの話は専門的な内容を話しているので仕方ないのですが、分かりにくいということになっています。でも本当に「伝わる」問題を解決できる原因があるとしたら?ここで書く内容は「実学」です。今回は、既に何人もの人に実施して頂き、仕事に劇的な変化を与えた内容を解説します。
 
 エンジニアである皆さんに使って頂き、会話を苦労なしに「技術を世に出すために役立つツール」として積極的に活用して頂きたいと考えています。ただし、これまで皆さんが馴染んできた「常識」と随分違う内容が含まれます。それが嫌な方はここで読むのを終わりにしても構いません。
 
 「伝える」方法は星の数ほどあります。皆さんが今採用されている方法でうまく行っているのなら、それが一番いい方法なのです。でも、まだうまく「伝わる」方法が見つかっていなくて、これまでの知識と違う内容を「試して」みてもいい、という方はこの先を読んでみて下さい。一つの答えが見つかると思います。
 

2. エンジニアの話が「伝わらない」本当の理由

 
 多くのエンジニアは「伝わる」話し方の真逆を教えられて、「伝わらない」話し方をしています。きちんとした教育の機会がなく、失敗している先輩の方法をOJTされている場合がほとんどです。
 
 例えば、説明しても分かってもらえない場合、「詳細な説明資料」「補足説明資料」「概要書」を作る方がいます。それで解決!しましたか?追加の説明資料の説明が分かってもらえなくて、質問が質問を呼ぶ負の連鎖に落ち込んだ方が多いんじゃないでしょうか?本当の原因は内容の不足ではありません。「相手は最初からNo.を決めている」のです。
 
 では、なぜそうなるかというと、エンジニアが相手に戦いをしかけているからです。相手は防御のために拒否の反応を示します。このとき、口調が丁寧かどうかは関係ありません。
 

3. エンジニアは相手を攻めている自覚がない

 
 では、何が「戦い」なのか、というと「正しいことを相手に分かってもらう」ことです。ここで、「正しいことを分かってもらうなんて常識以前じゃないか!」と感じた方は「相手を攻めている自覚が完全にない」状態です。言い方を変えればわかりやすいかも知れません。「私の説明が正しいのだから、あなたの意見を変えて、私の意見に改めなさい」もし、自分がこう言われたら?思わず防御しませんか?
 
 これだけ聞くと「じゃぁ、嘘で相手を言いくるめるのか!許さん!」と激高する方がいます。でも、少しお待ちください。これからご紹介する方法は「嘘はつかない」「事実を伝える」をモットーにしています。理由は簡単です。誰しも嘘をつききれるほど賢くないからです。「嘘はつかない」「事実を伝える」はものすごく楽です。でも、表向きは少し格好良く「技術者倫理に照らして」としておきましょう。
 

4. 最初にYes.を勝ち取ってから会話開始

 
 これから様々具体的な思考法やツールをご紹介しますが、根源となる原理は変わりません。「最初にYes.を勝ち取ってから会話開始!」これに尽きます。エンジニアは「内容の説明→Yes.」だと思い込んでいるのですが、現実の世界はほとんどが「Yes.→内容の理解」なのです。具体的な例で説明します。
 
 職場で仲のいい人、信頼できる人を想像してください。その人に「ちょっと困ったことがありまして・・・」と相談するとどうなります?「どうしたの?何?」と一緒に解決策を考えてくれます。内容を聞く前から「力になってあげるよ!」なのです。これが「Yes.→内容の理解」です。
 
 一方、初めて話をする同僚に「ちょっと困ったことがありまして・・・」と話しかけると「そういうことを急に言われても・・・」と敬遠されてしまいます。最初にNo.なのです。
 
 2つの会話はあたりまえのようでいて、会話の根本原理を示しています。
 

5. エンジニアの会話はラポールで決まる

 
 ならば良好な人間関係だ!
 
 人間関係の本を読むと「日ごろから信頼関係を築く」「飲みにケーションが効く」とか書いています。でも!これは表層を見ているだけで本質ではありません。表層のテクニックを追いかけると「ツールに振りまわされて」しまうので要注意です。たくさんツールがあって習得が大変な上に、今一つどこで何を使えばいいのか分からない。苦労の割に結果が出ないということになります。
 
 Yes.から始めることができる親しさ、信頼関係は「初対面でも30秒」で創り出せるるのです。それを可能にするのが心の架け橋「ラポール」です。エンジニアがラポールを会話に取り入れること。これがあなたを一瞬で「技術が伝わる」エンジニアに変えてくれるのです。
 
 今回は、ここまでです。「会話はYesから始める」。そのためには「ラポールがエンジニアの会話の鍵になる」を覚えておいてください。次回はエンジニアがすぐに使えるラポールの使い方、練習の仕方をご紹介します。
 
「参考書籍:最強のエンジニアになるための話し方の教科書」亀山 雅司
 

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この記事の著者

亀山 雅司

エンジニアの生産性を改善する専門家。 仕事の短時間化、鬱発症や離職率を低下させる話し方を世に広めるのが私のミッションです。

エンジニアの生産性を改善する専門家。 仕事の短時間化、鬱発症や離職率を低下させる話し方を世に広めるのが私のミッションです。


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