合理的なモノの造り方 儲かるメーカー改善の急所101項 (その7)

更新日

投稿日

 

生産マネジメント

1.モノづくり〈基本の基本〉

【急所7】合理的なモノの造り方

 今回は合理的なモノの造り方についてお話ししたいと思います。

 モノを造るにあたっての合理的とは、「モノを造るための動作以外は行わない」こと、すなわち動作のすべてがモノを造ることに有効に使われることを言います。当たり前ですよね。

 しかし私たちの周りには、これまでそれを当たり前としてやってきたけれど、よく考えると必ずしも合理的とは言えないモノの造り方が結構あるのです。

 モノを造るということは付加価値が付くということです。例えば「モノを運ぶ」という動作は、運ぶことによってそのモノの位置が変わるだけなのであって、おいしくなったり完成に近づいたりということではありません。すなわち運搬があることは合理的ではないということになります。これは先回までの「動作経済の4原則」でご説明したとおりです。
 
 多くの方が合理的と思っているのですが、実は合理的でないモノの造り方の代表的な例として「分担作業」があります。私も小さいころ、何かするときはそこにいる人数分に作業を分けることを普通にしていました。皆さんはいかがでしょうか、子供たちで手分けをして仕事をしませんでしたか? その方がすぐに仕事が始められてテキパキとして見えるのでこれが正しいと思い込んでいたのです。

 しかし、手分けをすればするほど取り置きや持ち替えや調整は増えるでしょう。あるいは早く終わってしまって前の人が終わるのを待つ時間もたくさん生まれるでしょう。手分けをすると一人分の一回の仕事量が減るので練習しないですぐできるといったメリットはあるかもしれませんが、実はロスが多いものです。
 
 ではどうすればいいか?ですが手分けをしないで全員が一人で「一回つかんだら離さない」で最後まで造るのです。3人の人がいたら、仕事を3工程に分けるのではなく、3人全員が同じ仕事を、すなわち全員が最初から最後まで一人で造るようにするのが正解です。もちろん動作経済の4原則を織り込んでみんなが一番いい作業条件で行うことは前提です。

 現場に行っ...

 

生産マネジメント

1.モノづくり〈基本の基本〉

【急所7】合理的なモノの造り方

 今回は合理的なモノの造り方についてお話ししたいと思います。

 モノを造るにあたっての合理的とは、「モノを造るための動作以外は行わない」こと、すなわち動作のすべてがモノを造ることに有効に使われることを言います。当たり前ですよね。

 しかし私たちの周りには、これまでそれを当たり前としてやってきたけれど、よく考えると必ずしも合理的とは言えないモノの造り方が結構あるのです。

 モノを造るということは付加価値が付くということです。例えば「モノを運ぶ」という動作は、運ぶことによってそのモノの位置が変わるだけなのであって、おいしくなったり完成に近づいたりということではありません。すなわち運搬があることは合理的ではないということになります。これは先回までの「動作経済の4原則」でご説明したとおりです。
 
 多くの方が合理的と思っているのですが、実は合理的でないモノの造り方の代表的な例として「分担作業」があります。私も小さいころ、何かするときはそこにいる人数分に作業を分けることを普通にしていました。皆さんはいかがでしょうか、子供たちで手分けをして仕事をしませんでしたか? その方がすぐに仕事が始められてテキパキとして見えるのでこれが正しいと思い込んでいたのです。

 しかし、手分けをすればするほど取り置きや持ち替えや調整は増えるでしょう。あるいは早く終わってしまって前の人が終わるのを待つ時間もたくさん生まれるでしょう。手分けをすると一人分の一回の仕事量が減るので練習しないですぐできるといったメリットはあるかもしれませんが、実はロスが多いものです。
 
 ではどうすればいいか?ですが手分けをしないで全員が一人で「一回つかんだら離さない」で最後まで造るのです。3人の人がいたら、仕事を3工程に分けるのではなく、3人全員が同じ仕事を、すなわち全員が最初から最後まで一人で造るようにするのが正解です。もちろん動作経済の4原則を織り込んでみんなが一番いい作業条件で行うことは前提です。

 現場に行って作業を見てみましょう。もし一人でできることをわざわざ分割して運搬や手待ちを増やしていることがあったらすぐにカイゼンしてください。運搬や手待ちが減り、管理が不要になりリードタイムが短くなります。

 今回の言葉

*************
一回つかんだら離さない。
*************

「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」
日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

柿内 幸夫

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革


「生産マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
中国工場の実状を知る、日本人駐在員について 中国工場の品質改善(その17)

  【第2章 中国工場の実状を知る】 【日本人駐在員について】  前回のその16に続いて解説します。 (4)日本人駐在員は常に見られ...

  【第2章 中国工場の実状を知る】 【日本人駐在員について】  前回のその16に続いて解説します。 (4)日本人駐在員は常に見られ...


台車化して早く移動し仕掛を削減する レイアウトと物流(その9)

  1.粗材、部品、加工品、完成品は資産ではなく経費である 工場内にある粗材、部品、加工品や組立品といった仕掛品、そして完成品は、会計上...

  1.粗材、部品、加工品、完成品は資産ではなく経費である 工場内にある粗材、部品、加工品や組立品といった仕掛品、そして完成品は、会計上...


中国工場の実状を知る、日本人駐在員について 中国工場の品質改善(その21)

  【第2章 中国工場の実状を知る】 【設備ノウハウの落し込み】  前回のその20に続いて解説します。 (5)勝手にやり方を変える中...

  【第2章 中国工場の実状を知る】 【設備ノウハウの落し込み】  前回のその20に続いて解説します。 (5)勝手にやり方を変える中...


「生産マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
金型メーカーにおける3次元設計がうまくいかなかった事例(その2)

【目次】 ◆ 3次元設計導入がうまくいかなかった要因は何だったのか -----< 事例、その1で記述済 >--------------...

【目次】 ◆ 3次元設計導入がうまくいかなかった要因は何だったのか -----< 事例、その1で記述済 >--------------...


‐段取り替え時間の短縮‐ 製品・技術開発力強化策の事例(その33)

 前回の事例その32に続いて解説します。繰り返し性のある大量生産品はアジアの各国に生産拠点が移転し、多品種少量の生産が当然の状態になっています。つまり、段...

 前回の事例その32に続いて解説します。繰り返し性のある大量生産品はアジアの各国に生産拠点が移転し、多品種少量の生産が当然の状態になっています。つまり、段...


新規調達先および資材の認定について

        今回は、新規調達先を選定する場合の注意点について解説します。特に、精密樹脂部品の発注先で計測限界に近い高い加工精度が要求される場合を...

        今回は、新規調達先を選定する場合の注意点について解説します。特に、精密樹脂部品の発注先で計測限界に近い高い加工精度が要求される場合を...