~第3ステージ:わりつけ 実験計画法実施マニュアル(その7)

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 今回から直交表を上手に使うためのポイントを4回にわたり解説いたします。上手に使うためのポイント…、それは内側直交表と外側条件(外側直交表)の使い分けを行うことです。それでは順を追って説明します。

1. 内側直交表への割り付け

 【内側直交表】

  1. 全列に制御因子を対応させること(交互作用列、誤差列をわりつけない)
  2. 多水準割り付けをできる限り避ける(2水準直交表では4水準まで、3水準直交表では3水準までとすると良い)

 【外側直交表】

 あらゆる環境下で安定に機能を維持するため、標準条件といくつかの最悪条件下でノイズを与え、その実験結果から最適条件を決める。その際、ノイズに相当する水準を直交表の外側に割り付ける。

2. 制御因子の割り付け

 主効果列のみを直交表の全列に対応させることに疑問を持つ統計学者もいらっしゃると思いますが、技術者は何を目的にして実験しているかを考えるべきです。「早く、安い価格で安定性ある新製品、または最適条件を短時間に完成させることが大切」との考え方は私も同感です。ただ、そうすると技術者は目標を達成できるような出力に大きな影響力を有する制御因子を探し出すために実験を行っていることになります。誤差列にはバラツキの情報があることも考えられますが、目的に対する改善情報は存在していないのです。技術者は誤差を評価するために実験を行っているのではありません。

 検定のために誤差分散が必要でしたら、主効果など分散の小さい列変動を加え合わせ、新たな誤差分散とするのが良いと思います。

 実験計画法を運用するのは技術者ですから、工業実験をするには主効果列が重要であることはすぐ理解できることです。出力には大きな影響を因子こそ大きな改善効果が期待できます。このような情報は主効果以外からは得られませんので、主効果列が多ければ多いほど、目的を達成できる可能性は高くなるのです。逆に交互作用列や誤差列が存在する分だけ得られる改善情報を放棄してしまうことになってしまいます。

【チェックリスト】 
  下記に内側直交表で具体的割り付けを行うにあたってのチェックリストを示します。

  1. 直交表をL12、L18...

 

 今回から直交表を上手に使うためのポイントを4回にわたり解説いたします。上手に使うためのポイント…、それは内側直交表と外側条件(外側直交表)の使い分けを行うことです。それでは順を追って説明します。

1. 内側直交表への割り付け

 【内側直交表】

  1. 全列に制御因子を対応させること(交互作用列、誤差列をわりつけない)
  2. 多水準割り付けをできる限り避ける(2水準直交表では4水準まで、3水準直交表では3水準までとすると良い)

 【外側直交表】

 あらゆる環境下で安定に機能を維持するため、標準条件といくつかの最悪条件下でノイズを与え、その実験結果から最適条件を決める。その際、ノイズに相当する水準を直交表の外側に割り付ける。

2. 制御因子の割り付け

 主効果列のみを直交表の全列に対応させることに疑問を持つ統計学者もいらっしゃると思いますが、技術者は何を目的にして実験しているかを考えるべきです。「早く、安い価格で安定性ある新製品、または最適条件を短時間に完成させることが大切」との考え方は私も同感です。ただ、そうすると技術者は目標を達成できるような出力に大きな影響力を有する制御因子を探し出すために実験を行っていることになります。誤差列にはバラツキの情報があることも考えられますが、目的に対する改善情報は存在していないのです。技術者は誤差を評価するために実験を行っているのではありません。

 検定のために誤差分散が必要でしたら、主効果など分散の小さい列変動を加え合わせ、新たな誤差分散とするのが良いと思います。

 実験計画法を運用するのは技術者ですから、工業実験をするには主効果列が重要であることはすぐ理解できることです。出力には大きな影響を因子こそ大きな改善効果が期待できます。このような情報は主効果以外からは得られませんので、主効果列が多ければ多いほど、目的を達成できる可能性は高くなるのです。逆に交互作用列や誤差列が存在する分だけ得られる改善情報を放棄してしまうことになってしまいます。

【チェックリスト】 
  下記に内側直交表で具体的割り付けを行うにあたってのチェックリストを示します。

  1. 直交表をL12、L18、L36の中から選択したか。またほかにL8、L32、L27を利用しても可
  2. 最も期待できる因子と期待できる因子は必ず直交表にあてはめること
  3. 基本的に交互作用、誤差列が存在してはならない。もしこれらが存在する場合は制御因子をあてはめ、すべて主効果のみとすること
  4. アソビ列、多水準、変身法を採用した場合、使用例や対応水準などをチェックすること

 次回は「第4ステージ:実験作業書の作成」について解説します。

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この記事の著者

森 輝雄

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