~第5ステージ:データ解析『最適条件の決め方』 実験計画法実施マニュアル(その12)

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 今回は、これまでお話をしてきた実験計画法マニュアル最終項目の「最適条件の決め方」について解説いたします。

 

♦ 各水準の特定値ごとの要因効果を一表にまとめて比較

 最適水準はその出力が目標値に一致していて、内乱外乱による出力への影響を減衰させる組み合わせであることが必要です。データ変換しなくても、また生データのままでも、解析するとねらい値に一致した最適条件を選択できることもありますが、その最適条件が、内乱外乱に対し安定であるといった保証はまったくありません。

 軽量値データは、生データよりもSN比に変換された望小、望大特性、望目特性(パラメータデザイン)はSN比変換後の数字が大きいほど良い設計ができ、目的にあった水準といえます。

 割り付け要因のみでバラツキの減衰化と出力調整をする望目特性は、次のような最適条件を決めます。ここで要因A、Bの一般平均SmSNηの要因効果を図1のように仮定します。

  1. バラツキの小さくなる組み合わせをηから選択(図ではA2とする)
  2. 次に出力を目標値に一致させるようにηの変化が小さく、Smの大きい要因で調整する(図1だとBの水準をスライドさせ、目標値と出力を一致させる)。このようにすることで、バラツキが小さく、しかも出力と目標値が一致した最適条件が選択できます。

図1. パラメータデザインの水準の決め方

図2. 分類値の要因効果

 工程や部品の水準が設定値前後にばらつく際は、非線形(ノンリニア)要因を使います。また、分類値データ最適条件の選択についてですが、分類値の要因効果図は0~100%の帯グラフで書きます。例えば、図2のように要因を仮定したとします。図の白色部分が最も好ましい分類とすると、白色の部分が最大となっているA2が好ましい水準となります。

 複数の特定値が存在する時の最適条件の...

 

 今回は、これまでお話をしてきた実験計画法マニュアル最終項目の「最適条件の決め方」について解説いたします。

 

♦ 各水準の特定値ごとの要因効果を一表にまとめて比較

 最適水準はその出力が目標値に一致していて、内乱外乱による出力への影響を減衰させる組み合わせであることが必要です。データ変換しなくても、また生データのままでも、解析するとねらい値に一致した最適条件を選択できることもありますが、その最適条件が、内乱外乱に対し安定であるといった保証はまったくありません。

 軽量値データは、生データよりもSN比に変換された望小、望大特性、望目特性(パラメータデザイン)はSN比変換後の数字が大きいほど良い設計ができ、目的にあった水準といえます。

 割り付け要因のみでバラツキの減衰化と出力調整をする望目特性は、次のような最適条件を決めます。ここで要因A、Bの一般平均SmSNηの要因効果を図1のように仮定します。

  1. バラツキの小さくなる組み合わせをηから選択(図ではA2とする)
  2. 次に出力を目標値に一致させるようにηの変化が小さく、Smの大きい要因で調整する(図1だとBの水準をスライドさせ、目標値と出力を一致させる)。このようにすることで、バラツキが小さく、しかも出力と目標値が一致した最適条件が選択できます。

図1. パラメータデザインの水準の決め方

図2. 分類値の要因効果

 工程や部品の水準が設定値前後にばらつく際は、非線形(ノンリニア)要因を使います。また、分類値データ最適条件の選択についてですが、分類値の要因効果図は0~100%の帯グラフで書きます。例えば、図2のように要因を仮定したとします。図の白色部分が最も好ましい分類とすると、白色の部分が最大となっているA2が好ましい水準となります。

 複数の特定値が存在する時の最適条件の決め方についてですが、各水準の特定値ごとの要因効果を一表にまとめ、特性値の重要度と要因効果とを比較しながら、最終的な最適条件を求めます。このように特性値ごとのバランスを考え、要因間の水準を選択することをトレードオフといいます。


 以上で、12回にわたりお送りしてきた「実験計画法実施マニュアル」についての解説を終わります。

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この記事の著者

森 輝雄

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