【連載目次】
- 1. 生産財メーカーはSEOよりコンテンツマーケティングに取り組もう
- 2. Webサイトで成果を上げるターゲティングとは
- 3. エンジニアに選ばれるWebサイトのコンテンツとは
- 4. Webサイトのゴール設計で、営業につなげる
- 5. アクセス解析をビジネスに生かすには
- 6. アクセス解析の活かし方とABC分析
1.コンテンツマーケティングとは
前回、Webマーケテイングとして、改善の余地が大きい“ものづくり”のマーケティングを解説しました。今回は、コンテンツマーケティングについてです。コンテンツマーケティングとは、顧客や見込み客に役立つ情報をWebサイトやブログなどで提供することで関心を集め、信頼を勝ち取り、最終的に自社の利益につながる行動を引き起こしてもらうためのものです。いくらネットを活用して宣伝をしても中身が薄ければ効果は期待できません。どのような手段を使おうとも、根本がしっかりしてないと魅力は伝わらないのです。コンテンツマーケティングは小手先のテクニックではなく王道のマーケティング手法です。
2.コンテンツマーケティングが生産財メーカーに向く理由
コンテンツマーケティングはあらゆる業界で活用できる手法ですが、特に生産財メーカーに最適なマーケティング手法です。その理由は2つあります。
(1)生産財メーカーは専門性が高く、希少価値の高い記事が書き易い
生産財業界の専門的なコンテンツはマネすることがとても難しく、競争相手も少ないため希少性が高く着実に成果に結びつきます。実際に特殊な測定器を販売する会社では、エンジニアの役に立つ専門的な情報をコツコツと公開し続けて、600ページ近い情報をWebサイトに公開しています。製品紹介もありますが、半数以上は直接セールスにつながらない技術論文や試験データの公開、技術者にとって役立つお役立ち情報なのです。
特に人気があるのが自社の測定ノウハウをまとめたテクニカルレポートです。公開を始めて10年以上自社の専門領域のノウハウを公開し続けているのです。この記事を読んでもらってもすぐに製品購入になることはありません。しかし、潜在ユーザーにWebサイトを見てもらう大きなきっかけとなっています。
(2)生産財のユーザーもスペシャリストが多い
専門性が高く最新のテクノロジーを学び続けるエンジニアの場合、会社がそのような優秀なエンジニアを手離すことは少なく、もっと良い職場を求めて転職したとしても業界内での転職が多いでしょう。専門性の高い技術領域のエンジニアほどその傾向が強く、自社製品や技術のファンになってもらう価値が高いのです。だからこそ数少ないVIPエンジニアに効率的にコミュニケーションを取ることにとても価値があるのです。スペシャリストであるエンジニアと関係を築くきっかけとして、専門性の高い良質なコンテンツが求められています。
3.宣伝は逆効果
コンテンツマーケティングの最終的な目的は、ビジネスにつなげることです。しかし、宣伝が強すぎてはかえって逆効果です。ソーシャルメディアで自社製品を宣伝し続け、知らぬ間にヒンシュクというより・・・ユーザーに無視されてしまう企業が多いのもそのせいです。【過度な宣伝は嫌われるのです。】プロとして専門技術の動向やノウハウ、試験データやトラブルシューティング、メンテナンス方法などユーザーへのお役立ち情報の提供が重要になります。また企業ブログでありがちな社員の私的なできごとの更新は公式ブログとしてはお勧めできません。(マイナスにはならないと思いますが・・・)やはりプロフェッショナルな専門家という立ち位置が...