エンジニアに選ばれるWebサイトのコンテンツとは

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【連載目次】

 

 

 Webマーケティングで一番大切なことは、「誰に」「何を伝えるのか」この2点に集約されます。だからWebサイトのコンテンツは、ターゲティングとともに最も重要になります。そのため【Content is King=コンテンツは王様】とWeb業界ではよく言われています。いかに優れたWebデザインやユーザビリティーを持っていても、最も大切なのは【中身】なのです。

 

1.一番重要な製品・サービス情報

 生産財を新規購入する際、ユーザーは品質、納期、価格などを比較検討します。そして候補を絞り込んだうえで有力な会社にコンタクトしています。新規見込客の多くは、初期段階での調査・情報収集にWebサイトを利用しています。それなのに検討に必要な情報が掲載されていないWebサイトがあるのです。まず検討できる製品・サービス情報を揃えるのが最低限の条件です。引合を頂く条件には次のようなものが挙げられます。

 

  • ● Webサイトを見てもらう
  • ● 検討に必要な情報が掲載されている
  • ● ライバルと同様かそれ以上の情報がある
  • ● 会社に信頼感がある(あやしくない)
  • ● 他社にない魅力がある

 

 いまさら言うまでもないことです。しかし、それができていない製造業が多いのです。検討できるだけの製品・サービス情報を公開することが先決です。まずは概要、特長、スペック情報をライバル同等に公開する。最低限それだけは実行する必要があります。

 

2.競合に真似されない強みをつくる

 ライバル企業のWebサイトより詳しく製品やサービス情報を掲載することができたら、自社ならではの強みを伝えることがより大きな成果を上げる条件です。差別化につながる自社独自の強み(USP)が大切なのです。しかし、競合がすぐに真似できることは本当の強みとは言えません。典型的な例は、価格競争です。真似のできる価格は意味がありません。決して真似のできないコスト構造を持つことが本当の強み。価格に限らず品質や納期でも、強みと思っていることがすぐに真似される危険性があります。強みを考えることは大切ですが、独自資源に裏打ちされた強みでないとすぐに真似されます。自社の独自資源は何かを考え、お客様に選ばれる理由を見つめ直すことが必要なのです。それには次の3つの差別化の軸で考えます。

 

  • 手軽・・・早い、安い、便利
  • 商品・・・高品質、高付加価値、高サービス
  • 密着・・・個別ニーズへの対応力

 

 このうちどこに自社の独自資源が生かせそうかを検討し、徹底的に磨きをかけていきます。1つの軸に特化することが重要であり、そして他の2つも平均的なレベルが必要です。営業・宣伝は市場との対話≒コミュニケーションです。自社の強みを伝え、その反応を観察し、ズレを修正しつづける。問合せや売り上げは後からついてきます。

 

3.ライバルのWebサイトをチェックする

3-1.ユーザーはWebサイトで比較検討している

 サイト運営するときに忘れてはならないことがあります。Webサイトはユーザーに比較検討されているということです。BtoBでは特にその傾向が強く、設備投資やキーデバイスの選定は当然として、多くの場合複数のWebサイトを比較して検討されます。(Webサイトだけでなく取引先の評判、営業との商談、展示会などあらゆる角度で比較されるものです。)だから、自社サイトだけを見ていてもサイト運営は不完全です。

 

3-2.検索順位チェックだけになっていませんか

 もっとも意識している競合サイトは、定期的にチェックするのが基本です。Webマーケティングに取り組んでいる企業なら検索順位チェクは定期的に行っているでしょうが、それだけでは不十分です。サイトマップをチェックしてサイト構造を把握することから始めるのがお勧めです。特に製品・サービス情報は入念に読み込んで自社と比較するのがポイントです。競合チェックはまずサイトマップを比較して、製品・サービス情報を中心にコンテンツを比べます。そのうえでWebサイトのゴールを確認しましょう。Webサイトのゴールとは「お問合せ」「カタログ請求」「見積り依頼」「デモ機貸出」「CADデータダウンロード」「工場見学希望」などサイトに訪れたユーザーにして欲しいアクションです。ゴールをチェックするとライバルの営業戦術に気付くヒントが見つかります。

 

4.引合いが集まる製品ページの作り方

 生産財・建材のWebサイトはなんといっても製品情報が主役です。ところが、製品ページに問題があるケースがとても多いのです。ユーザーが製品を選ぶ基準はどこにあるのでしょうか?QCDで選んでいるのだとは思いますが、具体的に外せない基準を3つ考えてください。そして、あなたが選んだ3つの基準がWebサイトに掲載されているか確認しましょう。Webサイトに載っていても比較が難しかったり、分類ができていなかったり不便なページになっていることがあります。それでは、引合いは頂けません。Webサイトに検討に外せないスペックを掲載することが不可欠です。

 

  • サイズから選ぶことが便利な製品
  • 形状から選ぶことが便利な製品
  • 材質から選ぶことが便利な製品
  • 機能から選ぶことが便利な製品
  • 規格から選ぶことが便利な製品
  • 型番で選ぶことが便利な製品
  • スペックから選ぶことが便利な製品・・・・

 

 状況によっては納期で選ぶ、価格で選ぶということもあるでしょう。製品情報をWebサイトに掲載する際、自分に合った製品が簡単に見つかるように、製品情報を整理・分類する必要があります。あなたが選んだ3つの基準をうまく使って製品分類していくのです。

 

5.Webサイトも購買チームを意識する

5-1.商談における購買チームのパターンを把握する

 生産財は複数の人間がチームを組んで購入検討...

【連載目次】

 

 

 Webマーケティングで一番大切なことは、「誰に」「何を伝えるのか」この2点に集約されます。だからWebサイトのコンテンツは、ターゲティングとともに最も重要になります。そのため【Content is King=コンテンツは王様】とWeb業界ではよく言われています。いかに優れたWebデザインやユーザビリティーを持っていても、最も大切なのは【中身】なのです。

 

1.一番重要な製品・サービス情報

 生産財を新規購入する際、ユーザーは品質、納期、価格などを比較検討します。そして候補を絞り込んだうえで有力な会社にコンタクトしています。新規見込客の多くは、初期段階での調査・情報収集にWebサイトを利用しています。それなのに検討に必要な情報が掲載されていないWebサイトがあるのです。まず検討できる製品・サービス情報を揃えるのが最低限の条件です。引合を頂く条件には次のようなものが挙げられます。

 

  • ● Webサイトを見てもらう
  • ● 検討に必要な情報が掲載されている
  • ● ライバルと同様かそれ以上の情報がある
  • ● 会社に信頼感がある(あやしくない)
  • ● 他社にない魅力がある

 

 いまさら言うまでもないことです。しかし、それができていない製造業が多いのです。検討できるだけの製品・サービス情報を公開することが先決です。まずは概要、特長、スペック情報をライバル同等に公開する。最低限それだけは実行する必要があります。

 

2.競合に真似されない強みをつくる

 ライバル企業のWebサイトより詳しく製品やサービス情報を掲載することができたら、自社ならではの強みを伝えることがより大きな成果を上げる条件です。差別化につながる自社独自の強み(USP)が大切なのです。しかし、競合がすぐに真似できることは本当の強みとは言えません。典型的な例は、価格競争です。真似のできる価格は意味がありません。決して真似のできないコスト構造を持つことが本当の強み。価格に限らず品質や納期でも、強みと思っていることがすぐに真似される危険性があります。強みを考えることは大切ですが、独自資源に裏打ちされた強みでないとすぐに真似されます。自社の独自資源は何かを考え、お客様に選ばれる理由を見つめ直すことが必要なのです。それには次の3つの差別化の軸で考えます。

 

  • 手軽・・・早い、安い、便利
  • 商品・・・高品質、高付加価値、高サービス
  • 密着・・・個別ニーズへの対応力

 

 このうちどこに自社の独自資源が生かせそうかを検討し、徹底的に磨きをかけていきます。1つの軸に特化することが重要であり、そして他の2つも平均的なレベルが必要です。営業・宣伝は市場との対話≒コミュニケーションです。自社の強みを伝え、その反応を観察し、ズレを修正しつづける。問合せや売り上げは後からついてきます。

 

3.ライバルのWebサイトをチェックする

3-1.ユーザーはWebサイトで比較検討している

 サイト運営するときに忘れてはならないことがあります。Webサイトはユーザーに比較検討されているということです。BtoBでは特にその傾向が強く、設備投資やキーデバイスの選定は当然として、多くの場合複数のWebサイトを比較して検討されます。(Webサイトだけでなく取引先の評判、営業との商談、展示会などあらゆる角度で比較されるものです。)だから、自社サイトだけを見ていてもサイト運営は不完全です。

 

3-2.検索順位チェックだけになっていませんか

 もっとも意識している競合サイトは、定期的にチェックするのが基本です。Webマーケティングに取り組んでいる企業なら検索順位チェクは定期的に行っているでしょうが、それだけでは不十分です。サイトマップをチェックしてサイト構造を把握することから始めるのがお勧めです。特に製品・サービス情報は入念に読み込んで自社と比較するのがポイントです。競合チェックはまずサイトマップを比較して、製品・サービス情報を中心にコンテンツを比べます。そのうえでWebサイトのゴールを確認しましょう。Webサイトのゴールとは「お問合せ」「カタログ請求」「見積り依頼」「デモ機貸出」「CADデータダウンロード」「工場見学希望」などサイトに訪れたユーザーにして欲しいアクションです。ゴールをチェックするとライバルの営業戦術に気付くヒントが見つかります。

 

4.引合いが集まる製品ページの作り方

 生産財・建材のWebサイトはなんといっても製品情報が主役です。ところが、製品ページに問題があるケースがとても多いのです。ユーザーが製品を選ぶ基準はどこにあるのでしょうか?QCDで選んでいるのだとは思いますが、具体的に外せない基準を3つ考えてください。そして、あなたが選んだ3つの基準がWebサイトに掲載されているか確認しましょう。Webサイトに載っていても比較が難しかったり、分類ができていなかったり不便なページになっていることがあります。それでは、引合いは頂けません。Webサイトに検討に外せないスペックを掲載することが不可欠です。

 

  • サイズから選ぶことが便利な製品
  • 形状から選ぶことが便利な製品
  • 材質から選ぶことが便利な製品
  • 機能から選ぶことが便利な製品
  • 規格から選ぶことが便利な製品
  • 型番で選ぶことが便利な製品
  • スペックから選ぶことが便利な製品・・・・

 

 状況によっては納期で選ぶ、価格で選ぶということもあるでしょう。製品情報をWebサイトに掲載する際、自分に合った製品が簡単に見つかるように、製品情報を整理・分類する必要があります。あなたが選んだ3つの基準をうまく使って製品分類していくのです。

 

5.Webサイトも購買チームを意識する

5-1.商談における購買チームのパターンを把握する

 生産財は複数の人間がチームを組んで購入検討されます。製品や技術の性格によってそのパターンは様々です。設計・開発と生産技術を軸に検討される商品、資材・購買が強い権限をもとに製造と検討する製品、保全と製造で検討する製品・・・いろんなパターンがあります。自社のビジネスがどのような購買チームによって検討されることが多いか把握することが、生産財営業とマーケティングでは必要です。

 

5-2.求める提案・価値は部署によって違う

 営業担当者は自社の製品がどの部署で使用されるのか?間接的に影響を受ける部署はどこか?把握し、部署ごとに違うニーズも理解しています。Web担当者もターゲット部署とそのニーズを把握すべきです。それはターゲットとする部署によって、求める提案・価値が違うからです。部署ごとに関心のあることを以下にまとめます。

 

  • 研究・開発・・・付加価値向上、機能向上
  • 製造・・・リードタイム短縮などQCD
  • 生産技術・・・生産性向上、歩留まり向上
  • 資材・購買・・・価格、信用情報、供給体制、納期
  • 品質管理・・・トレーサビリティー、品質管理体制・方法
  • 保守・・・緊急対応、設備・工具の長寿命化

 

 そして経営者はこれらを総合的に判断しています。これらの切り口を使って自社製品の提案ポイント、価値を掘り下げ、Webサイトのコンテンツを充実させていきましょう。

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この記事の著者

宮本 栄治

製造業、特に生産財専門のWebマーケティングコンサルタント

製造業、特に生産財専門のWebマーケティングコンサルタント


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