変化に気づく感性をアップしたい 「5S」の目的(その5)

投稿日

1.良い組織文化醸成の条件

 組織とは、人の集合体です。それ故に、そこに属する人が変わって初めて組織が変わるとことは可能となります。そこには、意識や認識の変化を経て行動が変わり、行動が変わるからこそ結果につながるという大切なプロセスが存在します。「5S」という活動には、そのプロセスが内包されているのをご存知でしょうか。

 今回は、組織を変えるための「5S」のふたつめの目的である【良い組織文化の醸成】に寄与する五つ目の効果、【変化に気づく感性のアップ】についてご説明致します。

2.「清掃」に隠されたもうひとつの効果

 「5S」の三つ目の「S」である「清掃」は、日常的な保全活動に重要な日常清掃と同じ効果を持ち、設備が壊れる前の対応を可能として、生産性の低下や予期せぬ怪我を防ぐことでコストの削減につながります。しかし、「清掃」の優れた効果はそれだけではありません。むしろ、次の効果の方が中長期的には経営に寄与するのではないかと思われます。それは「モチベーションの向上」です。
 それでは、なぜ「清掃」が「モチベーションの向上」に寄与するのかを考えていきます。

3.「清掃」が「モチベーションの向上」に寄与する理由

 「清掃」が「モチベーションの向上」に寄与する理由は、次のように考えられます。 

ⅰ.清掃は、やれば必ず変化が目に見えます。 

ⅱ.目に見える変化というのは、確実にきれいになるという結果のことです。

ⅲ.結果が出るのですから、上司は部下をほめる機会を得られます。部下はほめられる機会)     

ⅳ.ほめる、ほめられることは、どちらもモチベーションのアップにつながります。
 (実は、ほめることのできる上司の方への効果が大きかったりします。)
  怒ること、叱ることは想像以上にパワーがいることなのです。
  逆にほめることは、ほめた方もほめられた方も満更ではないでしょう。

ⅴ.モチベーションのアップのきっかけが掃除だけに、継続性が出てきます。そして、その行為が自分の職場を観察することにつながり、周囲の小さな変化にも注意が向き始めます。⇒ 変化に対する感性アップ  

 この、変化に対する感性のアップこそが、組織文化を変えるためには重要な役割を果たします。...

1.良い組織文化醸成の条件

 組織とは、人の集合体です。それ故に、そこに属する人が変わって初めて組織が変わるとことは可能となります。そこには、意識や認識の変化を経て行動が変わり、行動が変わるからこそ結果につながるという大切なプロセスが存在します。「5S」という活動には、そのプロセスが内包されているのをご存知でしょうか。

 今回は、組織を変えるための「5S」のふたつめの目的である【良い組織文化の醸成】に寄与する五つ目の効果、【変化に気づく感性のアップ】についてご説明致します。

2.「清掃」に隠されたもうひとつの効果

 「5S」の三つ目の「S」である「清掃」は、日常的な保全活動に重要な日常清掃と同じ効果を持ち、設備が壊れる前の対応を可能として、生産性の低下や予期せぬ怪我を防ぐことでコストの削減につながります。しかし、「清掃」の優れた効果はそれだけではありません。むしろ、次の効果の方が中長期的には経営に寄与するのではないかと思われます。それは「モチベーションの向上」です。
 それでは、なぜ「清掃」が「モチベーションの向上」に寄与するのかを考えていきます。

3.「清掃」が「モチベーションの向上」に寄与する理由

 「清掃」が「モチベーションの向上」に寄与する理由は、次のように考えられます。 

ⅰ.清掃は、やれば必ず変化が目に見えます。 

ⅱ.目に見える変化というのは、確実にきれいになるという結果のことです。

ⅲ.結果が出るのですから、上司は部下をほめる機会を得られます。部下はほめられる機会)     

ⅳ.ほめる、ほめられることは、どちらもモチベーションのアップにつながります。
 (実は、ほめることのできる上司の方への効果が大きかったりします。)
  怒ること、叱ることは想像以上にパワーがいることなのです。
  逆にほめることは、ほめた方もほめられた方も満更ではないでしょう。

ⅴ.モチベーションのアップのきっかけが掃除だけに、継続性が出てきます。そして、その行為が自分の職場を観察することにつながり、周囲の小さな変化にも注意が向き始めます。⇒ 変化に対する感性アップ  

 この、変化に対する感性のアップこそが、組織文化を変えるためには重要な役割を果たします。職場は常に変化します。その変化にいち早く気づき、確実に対応する力こそ、企業の環境適応性を向上させる原動力につながるわけです。  

4.まとめ

 このように、「清掃」とはコストを下げる効果だけではなく、「5S」のふたつめの目的である、【良い組織文化の醸成】にも大きな効果があります。人が変わるからこそ組織が変わり、結果も変わってくるのです。

 如何でしょうか。日常の掃除にはたいしたコストはかかりませんが、きちんとやりきれば効果は絶大です。改めて、取組んでみては如何でしょうか。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

大串 隆史

成功のカギは「現地・現物・現実」です!三つの「現」を極めて、企業の利益と競争力を増強します。

成功のカギは「現地・現物・現実」です!三つの「現」を極めて、企業の利益と競争力を増強します。


「5S」の他のキーワード解説記事

もっと見る
新5S思考術で未来を切り開く、異常に気付く力が、現場と自分を変える

【目次】 ▼さらに深く学ぶなら!「5S」に関するセミナーはこちら!   もし今、あなたが日々の仕事の中で「何かが足りな...

【目次】 ▼さらに深く学ぶなら!「5S」に関するセミナーはこちら!   もし今、あなたが日々の仕事の中で「何かが足りな...


必ず成果の上がる実践的5S、ノウハウと要点とは

 海外を含め30年の実践経験から得られた鈴木流5Sのノウハウ・ノウホワイについて要点を解説します。    筆者は、「頭と技法は使いよう!」をモットーにし...

 海外を含め30年の実践経験から得られた鈴木流5Sのノウハウ・ノウホワイについて要点を解説します。    筆者は、「頭と技法は使いよう!」をモットーにし...


事務間接部門 で新5S思考術を活用した、ムリ・ムダ・ムラの取り除き

  【この連載の前回:ヒューマンエラー 防止策 。カンタンにできる、その秘訣は!へのリンク】 私が製造現場で5S活動をしている時、現場で...

  【この連載の前回:ヒューマンエラー 防止策 。カンタンにできる、その秘訣は!へのリンク】 私が製造現場で5S活動をしている時、現場で...


「5S」の活用事例

もっと見る
金型・部品加工メーカーの5S (その3)

   私がコンサルティングの際によく行う、クライアント企業の工場現場や事務所を見て回る「5Sパトロール」を、記事上で仮想的に行い、5Sの解説と...

   私がコンサルティングの際によく行う、クライアント企業の工場現場や事務所を見て回る「5Sパトロール」を、記事上で仮想的に行い、5Sの解説と...


金型・部品加工メーカーの5S (その2)

   私がコンサルティングの際によく行う、クライアント企業の工場現場や事務所を見て回る「5Sパトロール」を、記事上で仮想的に行い、5Sの解説と...

   私がコンサルティングの際によく行う、クライアント企業の工場現場や事務所を見て回る「5Sパトロール」を、記事上で仮想的に行い、5Sの解説と...


トヨタ生産方式の応用 事例

1.ドイツ系電器メーカー  トヨタ生産方式が有名になり出した頃、筆者はシンガポールで技術協力の専門家として多くの会社の指導に当っていました。当時は多くの...

1.ドイツ系電器メーカー  トヨタ生産方式が有名になり出した頃、筆者はシンガポールで技術協力の専門家として多くの会社の指導に当っていました。当時は多くの...