経営者に物流KPIを報告する 物流を認識しない経営者(その2)

投稿日

 
 SCM
 
 一度経営者に関心を持ってもらったならば、その状態を維持していきたいものです。仮にそのきっかけが物流コスト増のようなネガティブなものであったとしても、です。
 
 経営者が一番関心を持つものは「数字」です。ですから物流についても必ず何かしらの数字を用いて状況をインプットしていきたいものです。
 
 そこで必要となってくるものがKPIです。KPIとは Key Performance Indicator の略で、重要経営管理指標のことです。
 
 物流のパフォーマンスを的確に示せるKPIを設定し、その値を経営者に定期的に報告できるようにしていきましょう。
 
 KPIには結果系の指標と要因系の指標の2種類があります。何かしらの活動の結果として表される指標が結果系、そこに至る過程で把握できる指標が要因系です。
 
 たとえば輸送コスト(金額)は結果系指標、トラック積載率は要因系指標ということになります。この2つを常に対にして考えていくとよいと思います。
 
 この結果系、要因系ですが、大きなくくりで考えると「物流コスト」が最終的な結果系となり、その構成指標として「輸送コスト」、「保管コスト」、「荷姿コスト」などが挙げられます。
 
 では「輸送コスト」の要因系指標とは、となると「トラック積載率」や「トラック回転率」が考えられます。もちろん「輸送距離」や「輸送価格水準」が輸送コストの要因となることも当然です。
 
 「保管コスト」の要因系指標としては「倉庫内充填率」や「倉庫内荷役費」が考えられます。もちろん「1㎡あたり出庫数」などの指標をとらえても構いません。
 
 次に「荷姿コスト」の要因系指標について考えてみましょう。たとえば「容器内充填率」が挙げられます。容器の中にどれだけ隙間なくものが詰められているのかを示します。もちろん「ダンボール購入費」や「荷姿資材費」など直接的に購入しているコストそのものを要因系指標とすることでも問題ありません。
 
 このように日常的に管理することで物流のレベル向上につながるKPIを取っていくことをお勧め...
 
 SCM
 
 一度経営者に関心を持ってもらったならば、その状態を維持していきたいものです。仮にそのきっかけが物流コスト増のようなネガティブなものであったとしても、です。
 
 経営者が一番関心を持つものは「数字」です。ですから物流についても必ず何かしらの数字を用いて状況をインプットしていきたいものです。
 
 そこで必要となってくるものがKPIです。KPIとは Key Performance Indicator の略で、重要経営管理指標のことです。
 
 物流のパフォーマンスを的確に示せるKPIを設定し、その値を経営者に定期的に報告できるようにしていきましょう。
 
 KPIには結果系の指標と要因系の指標の2種類があります。何かしらの活動の結果として表される指標が結果系、そこに至る過程で把握できる指標が要因系です。
 
 たとえば輸送コスト(金額)は結果系指標、トラック積載率は要因系指標ということになります。この2つを常に対にして考えていくとよいと思います。
 
 この結果系、要因系ですが、大きなくくりで考えると「物流コスト」が最終的な結果系となり、その構成指標として「輸送コスト」、「保管コスト」、「荷姿コスト」などが挙げられます。
 
 では「輸送コスト」の要因系指標とは、となると「トラック積載率」や「トラック回転率」が考えられます。もちろん「輸送距離」や「輸送価格水準」が輸送コストの要因となることも当然です。
 
 「保管コスト」の要因系指標としては「倉庫内充填率」や「倉庫内荷役費」が考えられます。もちろん「1㎡あたり出庫数」などの指標をとらえても構いません。
 
 次に「荷姿コスト」の要因系指標について考えてみましょう。たとえば「容器内充填率」が挙げられます。容器の中にどれだけ隙間なくものが詰められているのかを示します。もちろん「ダンボール購入費」や「荷姿資材費」など直接的に購入しているコストそのものを要因系指標とすることでも問題ありません。
 
 このように日常的に管理することで物流のレベル向上につながるKPIを取っていくことをお勧めします。
 
 ただし注意ポイントを1つ申し上げておきます。それはKPIのデータ取得に時間がかからないということです。
 
 データ取得にあまりに管理工数がかかりすぎるとその仕事は続きません。ですからこの点は無理のないところでスタートするとよいと思います。
 
 経営者はこのような数値指標を好みます。今の物流の水準がよいのか悪いのかについて瞬時に判断できるように工夫していきましょう。
 
 次回は、物流を認識しない経営者(その3)です。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーンにおけるリードタイム短縮の方策

1.情報共有とチームワークによる同期化  危機感や目標の共有が、キャッシュの回転スピードを上げます。 サプライチェーンの同期化とは、車の運転でいえば、速...

1.情報共有とチームワークによる同期化  危機感や目標の共有が、キャッシュの回転スピードを上げます。 サプライチェーンの同期化とは、車の運転でいえば、速...


海外工場支援者のための「物流指導7つ道具」(その6)

第6回 道具4「物流会社選定ツール」(下) 前回のその5に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 【選定ステップ6】回答...

第6回 道具4「物流会社選定ツール」(下) 前回のその5に続いて解説します。 ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 【選定ステップ6】回答...


ビジネスの収益力を決めるサプライチェーンのスピード

 サプライチェーンの重要な指標は時間です。「供給する時間(玉の飛ぶ時間)」と、変動する需要(標的)に対する「供給計画を作る時間(狙いを定める時間)」が短縮...

 サプライチェーンの重要な指標は時間です。「供給する時間(玉の飛ぶ時間)」と、変動する需要(標的)に対する「供給計画を作る時間(狙いを定める時間)」が短縮...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
有事に対する初動対応 物流BCPについて考える(その5)

         【物流BCPについて考える 連載目次】 1. 事業継続を脅かすリスク ...

         【物流BCPについて考える 連載目次】 1. 事業継続を脅かすリスク ...


ミルクラン、調達物流改善とは

   皆さんの会社ではジャストインタイム生産に取り組まれていることでしょう。必要なものだけを必要なだけ必要なタイミングで生産する。これ...

   皆さんの会社ではジャストインタイム生産に取り組まれていることでしょう。必要なものだけを必要なだけ必要なタイミングで生産する。これ...


物流ユーザーの役割:物流購買の勘所(その5)

  ◆ 物流ユーザーの役割 物流サプライヤーと直接接する部署として「購買部門」が挙げられます。購買部門の主な役割は物流サプライヤーの選定...

  ◆ 物流ユーザーの役割 物流サプライヤーと直接接する部署として「購買部門」が挙げられます。購買部門の主な役割は物流サプライヤーの選定...