書評検索結果
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「ザ・ゴール コミック版」E・ゴールドラット原作
投稿日 2016/09/06
1984年に原書が出版された「ザ・ゴール」は、その思想の斬新さと小説形式による理解のしやすさで、全世界に翻訳され1000万部を超える大ベストセラーとなりました。
私も企業の生産管理担当者と会うたびに話題にしていましたが、この小説版でさえも550ページ、厚み3.5センチに恐れをなして読み切れない人たちもいました。
今回紹介するコミック版は、ページ数が半減され、わずか1時間ほどで読了できるにもかかわらず、
舞台を日本の工場に移し替えた効果で現実感も大きくなり、原書を読んだのと同じ効果が得られます。
コミックだと情景描写や心理描写が絵一枚で済んですまうので、ホントに短時間で理解が進みます。
しかも定価は小説1600円に対して1200円(いずれも税別)と、安く済んでしまいます。
TOC(制約理論)に関心を持っている人へ、最初の一冊として超おススメです。
「発明を生む基本書」さとう秀徳著
投稿日 2016/08/23
本書は1万人以上にアイデア発想の研修実績を持つ著者による、技術者・研究者向けの発明指南書です。
技術者や研究者にとって、アイデア発想や創造・発明は必須の作業でありスキルです。
本書では、エジソン、ジョブズ、本田宗一郎はじめとした多くの発明事例を紹介しながら、良い発明を生み出すための考え方、手順、ヒントを解説します。
名案が浮かばずに悶々としている第一線の技術者におススメの一冊です。
「難しくない品質工学」鈴木真人著
投稿日 2016/08/04
本書は企業内で品質工学を実践しつつ、地方研究会で幹事として精力的に品質工学を研究している著者による参考書です。
品質工学はなかなか奥が深く、普段から利用している私でも「おー、そんなことがあるのか!」という場面が時々現れます。この分野の参考書を80冊ほど持っていますが、独自性を持ってこれだけの表現が成立するのは、そんな理由からでしょう。
本書の場合、パラメータ設計をダーウィン「進化論」との類似性で論じ、直交表で強制的に生成した突然変異を、誤差因子というフィルターで選択し、環境に適合した技術が生き残るというのは、楽しい考え方です。
品質工学を普段から実践している技術者は、他にも多くの気づきを得るでしょう。
中級者にとって「難しく」はないものの、一方で実践し始めたばかりの人にとっては「これなーに?」かもしれません。
疑問が積み重なってきた実践者におススメの一冊です。
「中国工場の品質改善」根本隆吉著
投稿日 2016/07/20
本書はのべ百社以上の中国工場を指導して成果を上げてきた著者による、中国生産における品質改善、現場改善の指南書です。
構成は、失敗事例→実状分析→対策とオーソドックスですが、そこは経験豊富な著者の強みで、全編が事例集のようでありあらゆる原則を実際の例で示したり、補足しているために説得力があると同時に、現場での対応を、超具体的にイメージすることが可能です。
中国現地工場で、あるいは調達先の中国企業の問題に悩む担当者、経営者に強くおススメの一冊です。