書評検索結果

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これでわかった!超実践品質工学

投稿日 2016/07/03

品質工学(タグチメソッド)の入門書がたくさん出版されています。それだけ注目されているとも言え、また難しいとも言えるでしょう。それぞれの本が工夫されており、筆者の考えを反映したものですが、それ一冊で簡単に使えるほど品質工学は甘くありません。愚直に学習と実践を重ねる必要があります。

本書にも、筆者の経験と工夫が随所に盛り込まれています。特に、パラメータ設計の基礎となる機能性評価を重点的に解説し、機能の定義、ノイズ因子(誤差因子)抽出の方法など、類書にないノウハウやコツが開示されます。
品質工学の鬼門の一つである「SN比」を、筆者が所属する関西研究会で提案している「エネルギー比型」で記述していることも、理解を早めてくれるでしょう。

さらに、品質工学の実験計画シートやSN比・要因効果図などのパラメータ設計計算ツールを無償ダウンロードできるサービスもあり、初学者の導入には大いに役立つはずです。

「実践して成果を出す」ことを目的にしているだけあって、実務者が実務で迷いそうなところ、間違いそうなポイントを、現場目線で丁寧に解説していて好感が持てます。

初学者が初めて触れる入門書としても、また実践者が悩んだ時のノウハウ本としても、技術部隊の書棚に是非備えたい一冊です。

コンビナトリアルテクノロジー

投稿日 2016/06/22

本書は材料開発期間を圧倒的に短縮する可能性のあるコンビナトリアル技術全般を取り扱ったほぼ唯一の書籍です。

1996年に始まったJSTの戦略的基礎研究(CREST)プロジェクトと1999年からの独立法人化先導研究プロジェクトであったCometと呼ばれる"コンビナトリアルマテリアル科学技術の創製と先端産業への展開"の成果がまとめられています。
執筆者は総勢48人に上り、最も応用の進んだ化学合成分野から物質材料系の合成事例、そしてそれらを可能にした合成装置、分析装置、データ処理の方法まで、多くの応用事例が示されます

執筆者のほとんどが大学や公立研究所員であるため、各記事に多数の引用文献も提示。されていますので、さらに詳しい内容を調べることも可能です。

コンビナトリアルって何、どんな風に使うの?という疑問を持ったあなたには唯一無二の一冊です。

ソフトウェアテストHAYST法入門

投稿日 2016/06/09

本書は富士ゼロックスで実際にソフトウェアテストに使用されている直交表の適用方法、ノウハウを公開したものです。

富士ゼロックス社ではコピー機がカラー化、複合機化することで組込ソフトが肥大化し、検査の合理化が必須となりました。
それに対応して1990年代から直交表の利用が始まり、次第にノウハウが蓄積され、HAYST(Highly Accerarated and Yield Software Testing)法と名づけられました。

その特徴は、2水準系の直交表だけを利用しながら複数列を組み合わせることで、4,8,16といった多水準列が容易にできるところです。

企業内で成功した方法ですので、単なる理論書ではなくページの端々に気配りが盛り込まれており、導入すれば効果があるだろうという安心感があります。

膨大なテスト項目を目前にして、茫然としているテスト担当リーダーにおススメの一冊です。

ゲノム情報解析―次世代シーケンサーの最新の方法と応用

投稿日 2016/06/06

 最近、IoTや人工知能、機械学習の普及によりデータ分析、ビッグデータに関連する分野が盛り上がっています。ゲノム情報解析を中心とする生命科学分野も例外ではありません。特にゲノム科学の分野は、次世代シーケンサーと呼ばれる高速DNA解読装置の普及により、データ分析が非常に進歩している領域の一つです。
 しかし一方で参考となる書籍がほとんどなく、データ分析の人材が絶対的に不足していると言われています。この本はこの分野の第一人者である著者を中心に翻訳した書籍で、ゲノム科学のデータ分析のアルゴリズムや、プログラミングに深く踏み込んで書かれており、貴重な情報源と言えるでしょう。
 生命科学分野のデータ分析に興味がある方には強くおススメします。