書評検索結果
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「ビジネスモデルジェネレーション」A.オスターワルダー&E.ビニュール著
投稿日 2015/09/04
本書では、ビジネスモデルを描写する時に必要な項目を、漏れなく抽出するためのフレームワークを提案しており、それは3M、エリクソン、デロイトなどの一流企業で利用されています。
その項目とは(1)顧客セグメント(2)価値提案(3)チャネル(4)顧客との関係(5)収益の流れ(6)リソース(7)主要活動(8)パートナー(9)コスト構造の9つであり、これらをキャンバスと呼ばれるフレームの上にレイアウトすることで、対象となるビジネスモデルで検討し忘れているあるいは不足しているものを気付かせてくれます。
また成果を収めた既存のビジネスモデルが多くの協力者によって、このキャンバス上で分析されており、自分が検討中のビジネスモデルと比較することでどうやって成功するかの参考情報を提供してくれます。
新たな事業を開発中もしくは再構築中のあなたにおススメの一冊です。
「続・技術者の意地」長谷部光雄著
投稿日 2015/08/21
本書は品質工学の有効性を小説風に解説して好評を博した「技術者の意地」の続編です。前作では仮想メーカーの開発現場を舞台に、多くの技術屋が「あるある」風に抱える開発設計の問題をステップを追いながら解決していく物語でした。
この続作では、製造工場の中国移設を計画中の組織が日本と中国の生産現場の違いを検討する中で品質工学を学びながら、技術の本質を理解していく課程をやはり小説形式で解説していきます。
底流には市場問題を設計開発段階で未然防止する品質工学と、作業基準を守る事で問題発生を防止する品質管理の融合という重いテーマがありますが、「あるある」の例話に乗せられてすーっと理解できるところが嬉しいところです。
設計と製造の狭間で悩めるあなたにおススメの一冊です。
「中小企業が再生できる8つのノウハウ」忽那憲治著
投稿日 2015/08/07
本書は中小企業の経営者が対象になっているものの、著者が大学の経営学部教授ですので、マーケティング、ビジネスモデル系統の論理的な話題が多く、零細企業で現場たたきあげの経営者にはちょっと手強いかもしれません。上記アトリビュートマトリクスに関する記述もあります。
現状維持ではなく、業界の適正ポジションを獲得するために積極的なM&A(買収)戦略やVC(ベンチャー投資)の活用にかなりのページを割いていることからも、単なる「再生」というよりは「発展、拡大」に軸足を置いていることが分かります。
何カ所かに米国の中小企業は自己資本比率や利益率が非常に高い例が示されており、日本でも可能、もしくはそこを目指さないと「現状維持」は幻想なのかもしれません。
本書提案の全てを実現するのは一朝一夕にはできませんが、自社の将来に漠然とした不安を感じている経営者が読むならば、必ずや考えるヒントを獲得できる一冊です。
「フレームワーク使いこなしブック」吉澤準特著
投稿日 2015/07/23
業務を教わるにあたってマニュアルがあるとないとでは雲泥の差があります。しかし新規の業務を始める時にマニュアルがあるはずがありません。では全く白紙の状態から始めるしかないのでしょうか?
そんな時に役立つのがフレームワークと言われるものです。これは過去の先達が経験と工夫をもとに作り上げた枠組みで、全く新規の分野であっても、闇夜のローソクとなって進路を照らします。
本書はそんなフレームワークを集大成した解説書ですが、単なる説明の羅列ではなく、比較的簡単かつ身近なケースに沿って分かりやすい図表とともに学習できる形態になっています。3C、4P、SWOT、PPMといった著名なものからSCAMPERといったニッチなものまで
50個ほどのフレームワークの使い方が載っています。
PLとかROIってフレームワークか?と突っ込みどころもありますが、覚えておいて損のないものばかりです。
本当に使う場合はさらに詳しい専門書で学習するとして、どんなものがあるのかさらっと知りたい人に最適の書です。