書評検索結果

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「産業財マーケティング」藤井昌樹著

投稿日 2015/07/10

本書はマーケティング専門書の体をなしていますが、読み進めると事業戦略であり、オープンイノベーションであり、人材育成であり、顧客満足であり、技術経営論だったりします。

冒頭を見ると数ページに渡り「変化し続ける事が大事」と提言しています。

もちろん産業財の業界を分析したり、消費財マーケティングとの違いを説明する部分はあります。さらにこれもマーケティングか?と思うような、目標別にやたら具体的な営業戦術と手順の記述もあります。

10年以上前の出版ですので、一部には古さも見受けられますが、マーケティングを「変化に対応する適応の科学」と捉える筆者の多少過激な主張をショック療法として読んでみるのも良いでしょう。

製品企画というよりは、事業部門の技術系管理職向きと感じます。

「マーケティング10の大罪」フィリップ・コトラー著

投稿日 2015/06/19

著者はマーケティングの分野で知らない人はいない大家ですが、本書ののっけから、近年のマーケティングは機能していないと嘆きます。

その原因となる十種類の症状につき一つずつ例を挙げ、
対策を提案していくという構成です。十の大罪の内容は目次に載っており、対策については他の書籍にも書いてありますから、特に目新しいことが書いてあるわけではありません。

しかしながら教科書に載っているから実行できるほどマーケティングは簡単ではありません。陥りやすい過ちの括りで整理する事で、自分たちの組織に最も必要な対策を集中して修正する事が出来る点でこの一冊は有効です。

大学の教授でありながら、CRM、フリーミアム、クロス/アップセルといった非常に実践的かつ比較的新しい方策が載っている点でも注目です。

「マインドマップ超入門」トニーブザン著

投稿日 2015/06/04

本書は、たったの95ページでカラーの図解も豊富なために、マインドマップの提唱者である著者が解説する一連の書籍の中で、最も取り組みやすい一冊です。

薄いながらもその原理、考え方、作り方、活用例まで一通り説明されており、まずはこの一冊で使い始めて、あとはおいおいより細かい使い方を勉強していけば良いのではないでしょうか?

実際私もほとんど解説を読まないまま、直感的にFreeMindを日頃から使って非常に重宝しています。

私のように使いこなしをワンランク上げたいユーザーや始める前にちょっとした心構えを身に付けたい方にお勧めします。

「トヨタ式経営18の法則」今岡善次郎著

投稿日 2015/05/21

本書は、18の視点からトヨタ流の経営を論じていますが、もともと「サプライチェーン18の法則」という本を加筆・改題したものなので、SCM関連の項目が多く、在庫を作らずにスピーディーに流す有効性が前面に出ています。

その法則の一つに「根本原因の法則」があり、「売上」「在庫」といった従属変数を管理する無意味さと、それを決定する「いつ、何をどれだけ作る、仕入れる」などの独立変数をこそしっかり制御し、仕組み化することが重要と説きます。

どちらの変数かを知るために、トヨタでは「なぜ」を5回繰り返し、行きついた理由が根本原因であり、重要な独立変数と考えます。

その他にも常識を打破するSCMの新しい考えが、トヨタなどの先進企業を引き合いに解説されます。

トヨタの強さをサプライチェーンの側面から知りたい人におススメです。