書評検索結果
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「トヨタ生産方式の原点」大野耐一著
投稿日 2014/12/18
本書は、ロングセラーとなった「大野耐一の現場経営」を新編集したもので、大野氏が現場に向き合って生み出した生産性向上に対する考え方、ノウハウが37編の小論に分かれてぎっしり詰まっています。その多くが現場にはびこる常識や錯覚をばっさりと切り裂く鋭い文体であり、すべてのものづくり関係者に新たな気づきをもたらすでしょう。
今回の再版の大きな特徴は、著者本人の44分に渡る講演DVDがついている事です。1980年能率協会主催の「第一級監督者大会」での採録というその画像は、にこやかに話しながらも、厳しく現場を諭す大野氏の肉声を聞く事ができ、文字とはまた異なる強い説得力が感じられます。このビデオだけでも充分価格以上の価値があります。
「サプライチェーンマネジメント」今岡善次郎著
投稿日 2014/12/04
本書は、サプライチェーンマネジメントの参考書ではありますが、無味乾燥な解説ではありません。
前半はゴールドラット「ザ・ゴール」の要約風になっており、とはいえ100ページ以上ありますので、主要なイベントは網羅されてさらに解説も同時進行で知ることができます。
さらに後半はTOC(制約理論)のDBRやスループット会計に留まらず全般的な経営論からJIT、TQCまで筆者の持論が展開されます。特にバッジサイズとリードタイムそしてスループットの関係の図解は非常に腑に落ちる説明になっています。
流通部門というよりは、生産管理部門の方に参考になりそうな一冊です。
「クリティカルチェーン革命」稲垣公夫著
投稿日 2014/11/19
本書は、ゴールドラットが日本で「ザ・ゴール」を出版する4年も前にTOCの優れた内容を「TOC革命」で日本に紹介した著者が、それに続いて画期的なプロジェクト期間短縮法である「クリティカルチェーン」を解説したものです。
こちらも本家ゴールドラットの書籍が出版される5年前でしたので、当時プロジェクトの管理で悩んでいたマネージャー達には、大いに珍重されたことでしょう。
「TOC革命」と同じくオメガ社という架空の製造企業を舞台に、小説仕立てでかつ時系列、事例毎にポイントが紹介されるため、非常に印象深く理解することができます。
小説パートの後には、あらためて解説書風に書かれていますが、小説で描かれたものと同様の内容が繰り返されるため、さっと目を通せば、かなり短時間でこの有効な管理方法を学習することが可能です。
「リーンプロジェクトマネジメント」ラリー・リーチ著
投稿日 2014/11/06
本書は、売れっ子のプロジェクトマネジメントコンサルタントである著者が、プロジェクトマネジメントを8つのフェーズに分け、各段階での留意事項やノウハウがびっしりと詰まっています。
その背景として大野耐一のトヨタ生産方式、著者自らが名付けたCCPM、そしてPMの世界基準PMBOKが採用されており、WBSやEVM、PERTといった一般的な概念は当然解説されている他に、さらにTRIZやクリティカルシンキングまで言及され非常に広い知識体系の統合を試みていることが分かります。
広大であるがゆえに、この通り一気にプロジェクトを進めるには無理があるように思えますが、自分の課題に該当するところをつまみ読みして、部分的に試してみる事で大きな成果を上げる可能性はありそうです。
残念ながら既に廃刊となっており、元の定価2900円がAmazonマーケットプレイスで5000円で販売されていますが、下記サイトではpdf版が1500円で入手できるようです。