前回のその12に続いて解説します。第3章の2.TRIZの思考プロセスで「ユニットバス」を改善してみよう、ステップ3:アイデアの有効化を解説します。
【ステップ3 アイデアの有効化】
こうして出たのアイデアをどうするかという、新たな 問題が発生しました。ここではコンセプト同士の結合を考えるプロセスを繰り返すという方法を説明します。基本的な進め方とそのイメージは、以下です。
<<アイデアの有効化の手順>>
① すべてのアイデアをサブシステムへ分類する。(図20)
② サブシステム毎に結合のコアアイデアを決める。(図21)
③ コアアイデアとその他のアイデアとの関連性を検討しながら、究極のアイデア結合(コンセプト)を
作成する。 (図22)
④ 別の組合せが作成できるコア・アイデアを探し、それとの結合ができないかの検討を続ける。
⑤ サブシステム毎に上記②から④を繰り返し、問題解決へつなげられそうな様々な「結合の絵」をそ
ろえる。
⑥ メインシステムで達成すべき指標と目標値を定義する。
⑦ それらの目標値を実現できそうな最終組合せをサブシステム毎のオプションと照らし合わせて決定
する。 (図23)
図20. サブシステム毎にアイデアを分類
図21. サブシステム内でのコアアイデア選定
図22. コンセプトの生成
図23. メインシステムでのコンセプトの生成
アイデアの有効化の目的は、すべてのアイデアを使って最強のコンセプトを作り上げる上記のプロセスのうち、①から⑤はまだ最終解決策へどうつながるかがはっきり見えてない状態です。
はっきり不安な状態ですが、自分達が生み出したアイデアを更に創造的に「加工」していくことで、今まで見えていなかったものが浮かんでくることがよくあります。それらを見つけ出すことが、このステップの狙いなのです。TRIZで出したアイデアを、解決策へつながる(つなげる) コンセプトへ作り上げるプロセスこそが、実はTRIZをうまく使いこなすコツになるのです。
TRIZ によって提案される様々な視点から出した多数のアイデアを元に、今困っている問題を解決するコンセプトだけを見つけ出すのは、少しもったいないように思います。多数のアイデアの中には、きっと競合他社が気づいていないコンセプトが埋もれている可能性があります。最終的には中長期的...