リスクアセスメントの進め方 リスクアセスメント(その3)

投稿日

 今回は、前回のその2に続いて「危険源の特定」について解説します。 
 
                           リスクアセスメント
 
 「①使われ方の想定」で意図する使用、予見可能な誤使用を明確にしました。次は製品にどのような危険源(ハザード)があるかを特定します。そして、想定した使われ方と危険源(ハザード)を組み合わせて、どのような危害の発生が予想されるかを検討します。扇風機を例に解説します。
 
【 扇風機の危険源(ハザード)の例 】
 
               リスクアセスメント
 
【 危害発生のシナリオの例 】
 
      リスクアセスメント
 
 使われ方の想定と同様に、危険源(ハザード)の抽出漏れは製品事故に直結します。抜け・漏れなく抽出できるような工夫をすることが重要です。下記の危険源(ハザード)リストの活用や安全チェックリストを使った方法が一般的です。
 
 ※危険源(ハザード)リスト
 ISO12100やEC(欧州委員会)消費生活用製品のリスクアセスメントガイドラインでリスト化されている危険源(ハザード)のリスト 
 
 実際の設計においては、リスクアセスメントのためだけに危険源(ハザード)の特定という作業をすることは非効率です。製品の使われ方の想定⇒危険源(ハザード)の特定⇒リスクの見積り/評価⇒設計対応というリスクアセスメントの一連の流れは、設計プロセスそのものだからです...
 今回は、前回のその2に続いて「危険源の特定」について解説します。 
 
                           リスクアセスメント
 
 「①使われ方の想定」で意図する使用、予見可能な誤使用を明確にしました。次は製品にどのような危険源(ハザード)があるかを特定します。そして、想定した使われ方と危険源(ハザード)を組み合わせて、どのような危害の発生が予想されるかを検討します。扇風機を例に解説します。
 
【 扇風機の危険源(ハザード)の例 】
 
               リスクアセスメント
 
【 危害発生のシナリオの例 】
 
      リスクアセスメント
 
 使われ方の想定と同様に、危険源(ハザード)の抽出漏れは製品事故に直結します。抜け・漏れなく抽出できるような工夫をすることが重要です。下記の危険源(ハザード)リストの活用や安全チェックリストを使った方法が一般的です。
 
 ※危険源(ハザード)リスト
 ISO12100やEC(欧州委員会)消費生活用製品のリスクアセスメントガイドラインでリスト化されている危険源(ハザード)のリスト 
 
 実際の設計においては、リスクアセスメントのためだけに危険源(ハザード)の特定という作業をすることは非効率です。製品の使われ方の想定⇒危険源(ハザード)の特定⇒リスクの見積り/評価⇒設計対応というリスクアセスメントの一連の流れは、設計プロセスそのものだからです。設計時に危険源(ハザード)は特定していることが多いはずなのです。したがって、リスクアセスメントは設計プロセスの中にうまく組み込んで行うことが効率的です。それに関しては後で詳しく解説しますが、まずはリスクアセスメントの考え方を理解してください。
 
 次回、その3では、リスクの見積もりを解説します。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

田口 宏之

中小製造業の製品設計の仕組み作りをお手伝いします!これからの時代、製品設計力強化が中小製造業の勝ち残る数少ない選択肢の一つです。

中小製造業の製品設計の仕組み作りをお手伝いします!これからの時代、製品設計力強化が中小製造業の勝ち残る数少ない選択肢の一つです。


「安全工学一般」の他のキーワード解説記事

もっと見る
設計プロセスの中に組み込む  リスクアセスメント(その6)

 前回のその5に続いて解説します。今回からは実務においてリスクアセスメントを進める際のポイントを解説します。リスクアセスメントを形骸化させずに、いかに効果...

 前回のその5に続いて解説します。今回からは実務においてリスクアセスメントを進める際のポイントを解説します。リスクアセスメントを形骸化させずに、いかに効果...


リスクアセスメントの進め方 リスクアセスメント(その4)

 前回はリスクアセスメントの進め方のうち「②危険源の特定」について解説しました。今回は最後のステップである「リスクの見積り/評価(1)」について解説します...

 前回はリスクアセスメントの進め方のうち「②危険源の特定」について解説しました。今回は最後のステップである「リスクの見積り/評価(1)」について解説します...


メリハリをつける リスクアセスメント(その8)

 前回のその7で、実務におけるリスクアセスメントのポイントの1つ目、「設計プロセスの中に組み込む」について解説しました。    <リスクアセスメント実...

 前回のその7で、実務におけるリスクアセスメントのポイントの1つ目、「設計プロセスの中に組み込む」について解説しました。    <リスクアセスメント実...


「安全工学一般」の活用事例

もっと見る
静電気事故防止事例: 作業台はアースをしましょう

♦ ビスから放電 ~ 静電気対策の基本はアース ちょっとの工夫で快適な作業空間に  ある会社さんの作業台で静電気の電撃を感じました。おやっ...

♦ ビスから放電 ~ 静電気対策の基本はアース ちょっとの工夫で快適な作業空間に  ある会社さんの作業台で静電気の電撃を感じました。おやっ...


プラスチック製品の不具合事例 (その1)

 不具合事例を見る前に、設計者が担保すべき製品の安全性について説明したいと思います。製造物責任法においては、「製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に係...

 不具合事例を見る前に、設計者が担保すべき製品の安全性について説明したいと思います。製造物責任法においては、「製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に係...


プラスチック製品の不具合事例 (最終回)

  【プラスチック製品の不具合事例 連載記事】 1. 欠陥とは 2. プラスチックメッキの剥がれ 3. 不具合事例から知る製品安全の...

  【プラスチック製品の不具合事例 連載記事】 1. 欠陥とは 2. プラスチックメッキの剥がれ 3. 不具合事例から知る製品安全の...