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1、企業が不祥事を起こす兆候とは
2、なぜ危機管理がうまくいかないのか
3、対応の誤りが重大な危機を招く
4、日常問題の放置・無関心
◆ 企業が不祥事を起こす兆候とは
1. 不祥事の兆候
社内に問題が感じられないように見える優良企業ほど、実は腐敗しやすい要因を抱えた危険な企業であるという指摘があります。客観的な判断よりも、集団としてのまとまりや居心地のよさを維持するように行動してしまうのです。その結果、行動の質が低下し、客観的に見ればおかしな判断や決定がなされてしまいます。
不祥事を起こさないまでも、その兆候は一般の企業でも見られます。次のような4つの兆候が見られる企業は要注意です。
(1) 外部から孤立した集団としてのまとまりが強い
(2) 事を決定する過程でのチェックや外部への情報公開がない
(3) 強いリーダーや有力者がいて、行き過ぎた統制がなされている
(4) 時間がない、人手が足りない、外部からの要求など、強いストレス下にある
無理を重ねる中で次第に自己調整機能が効かなくなり、不正行為に対する。正当化が生まれ、結果として不祥事を引き起こすことにつながっていきます。ただ、不正は必ず露見します。露見したときの損失の大きさを考えれば、不正に手を染めることは企業や組織にとっては致命傷になることを理解すべきです。
2. 不正に至るメカニズム
不正行為に至るメカニズムを考えてみましょう。ある行動が、非倫理的な行為であっても、それがその組織の価値ある目的に役立つものだから個人的にも社会的にも許容される行為と見てしまうのです。そして、一旦そう見てしまうと何が起こるでしょうか。
(1) 都合の良い比較判断、ラベル付け
(2) 組織外への責任転嫁、自己の正当化
(3) 結果に対するチェック機能の低下
(4) 不正行為の放置、慢性化
3. 不正行為への歯止め
不祥事を起こさないようにするためにはいったいどうすればいいでしょうか。外部からの圧力や、トップの強い意向が働いたとしても、不正行為に至るステップをどこかで断ち切る必要があります。そのために必要なことは以下の3つの項目です。
(1) 組織の役割の明確化
例えば検査部門は独立した組織とすべきです。製造部門や、営業の都合で動いたり、判断してはいけません。組織全体として、あいまいな業務をなくし、責任と権限を明確にすべきです。
(2) 情報公開、見える化
建前でなく、生の現場の実態をオープンにし、見える化すること、またそれをチェックすることですが、これは、かなり抵抗感があり、反発を招きます。見える化するには、チェック部門として品質保証部、社長直轄の経営スタッフなどが目を光らせ、日常的に現場に出向き改善させることが重要です。検査記録、測定データなど重要な書類は時々チェックすることも必要になってきます。
(3) 人材育成で問題解決能力を高める
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