意匠登録出願での「意匠に係る物品」とは

更新日

投稿日

 意匠登録出願では、願書に「意匠に係る物品」を記載する必要があります。意匠法が用途・機能をもつ「物品」を保護対象としているのですから、当然の要求です。
 
 さて、意匠に係る物品をどのように記載すればよいでしょうか。
 
 これについては、意匠法第7条で、「意匠登録出願は、経済産業省令で定める物品の区分により、意匠ごとにしなければならない」とされています。ここでいう「物品の区分」は「別表1」として規定されていますが、その物品が「物品の区分」のいずれにも属さない場合は、「別表1」の下欄に掲げる「物品の区分」と同程度の区分による「物品の区分」を【意匠に係る物品】の欄に記載する(別表1備考2)ものとされています。
 
 ここで、「別表1」を見てみましょう。
 
 「 かま、なべ等」というジャンルでは、物品の区分として「 かま 炊飯器 電子ジャー 両手なべ 片手なべ 中華なべ すきやきなベ ジンギスカンなべ 天ぷらなべ 圧力なべ 電気なべ 電気天ぷらなべ 卵ゆで器 なべぶた なべぶた用つまみ なべ用落しぶた なべ用柄 湯沸し 電気ポット 酒かん器 蒸し器 せいろう フライパン 卵焼き器 コーヒー沸し器 焼き網 焼き板」と記載されています。とても細かい区分です。
 
 他方、登録例では「なべ」というのがあります。
 
 知的財産マネジメント意匠登録1329694号
 
 「電子計算機等」というジャンルでは、物品の区分として「電子計算機 磁気ディスク記憶機 データ入力機 電子計算機用プリンター エックスワイプロッター 紙テープ読み取り機 紙テープ穿孔機 磁気カード読み取り機 ライトペン 自動製図機」と記載されています。「電子計算機」には世界一の計算速度を競う大型の電子計算機から、デスクトップパソコン、タブレット、スマートフォンまでが含まれます。そして、登録例では、次の2点が、両方とも、「スマートフォン」です。
 
 知的財産マネジメント「スマートフォン」 意匠登録1572640
 
 知的財産マネジメント「電子計算機」 意匠登録1594325
 
 どうも、伝統的な物品については「物品の区分」が細かく分かれており、近年登場した物品については「物品の区分」がざっくりとしています。そして、細分化されている伝統的物品については、「物品の区分」よりも上位概念で「意匠に係る物品」とすることを許容し、近年登場した物品については、「物品の区分」よりも下位概念で「物品の区分」を記載することを許容しているようで...
 意匠登録出願では、願書に「意匠に係る物品」を記載する必要があります。意匠法が用途・機能をもつ「物品」を保護対象としているのですから、当然の要求です。
 
 さて、意匠に係る物品をどのように記載すればよいでしょうか。
 
 これについては、意匠法第7条で、「意匠登録出願は、経済産業省令で定める物品の区分により、意匠ごとにしなければならない」とされています。ここでいう「物品の区分」は「別表1」として規定されていますが、その物品が「物品の区分」のいずれにも属さない場合は、「別表1」の下欄に掲げる「物品の区分」と同程度の区分による「物品の区分」を【意匠に係る物品】の欄に記載する(別表1備考2)ものとされています。
 
 ここで、「別表1」を見てみましょう。
 
 「 かま、なべ等」というジャンルでは、物品の区分として「 かま 炊飯器 電子ジャー 両手なべ 片手なべ 中華なべ すきやきなベ ジンギスカンなべ 天ぷらなべ 圧力なべ 電気なべ 電気天ぷらなべ 卵ゆで器 なべぶた なべぶた用つまみ なべ用落しぶた なべ用柄 湯沸し 電気ポット 酒かん器 蒸し器 せいろう フライパン 卵焼き器 コーヒー沸し器 焼き網 焼き板」と記載されています。とても細かい区分です。
 
 他方、登録例では「なべ」というのがあります。
 
 知的財産マネジメント意匠登録1329694号
 
 「電子計算機等」というジャンルでは、物品の区分として「電子計算機 磁気ディスク記憶機 データ入力機 電子計算機用プリンター エックスワイプロッター 紙テープ読み取り機 紙テープ穿孔機 磁気カード読み取り機 ライトペン 自動製図機」と記載されています。「電子計算機」には世界一の計算速度を競う大型の電子計算機から、デスクトップパソコン、タブレット、スマートフォンまでが含まれます。そして、登録例では、次の2点が、両方とも、「スマートフォン」です。
 
 知的財産マネジメント「スマートフォン」 意匠登録1572640
 
 知的財産マネジメント「電子計算機」 意匠登録1594325
 
 どうも、伝統的な物品については「物品の区分」が細かく分かれており、近年登場した物品については「物品の区分」がざっくりとしています。そして、細分化されている伝統的物品については、「物品の区分」よりも上位概念で「意匠に係る物品」とすることを許容し、近年登場した物品については、「物品の区分」よりも下位概念で「物品の区分」を記載することを許容しているようです。
 
 知的財産マネジメント
 
 「物品の区分」だとか「別表1」だとか、崩壊しているのではないでしょうか。こんなものはやめて、「意匠に係る物品」には、その物品の用途・機能が理解できる名称を記載する、と規定すれば足りるのではないか、と思います。筆者自身、幾多の意匠登録出願を手がけていますが、「別表1」を気にしたことはほとんどないのが実情です。
  

   続きを読むには・・・


この記事の著者

峯 唯夫

「知的財産の町医者」として、あらゆるジャンルの相談に応じ、必要により特定分野の専門家を紹介します。

「知的財産の町医者」として、あらゆるジャンルの相談に応じ、必要により特定分野の専門家を紹介します。


「知的財産マネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
新規性は日本における新規性と類似 アメリカ特許法(その2)

アメリカ特許法改正の解説、その1に続いて、その2では新規性について説明します。    新規性については、改正法102条(a)(1)に定義されており、「...

アメリカ特許法改正の解説、その1に続いて、その2では新規性について説明します。    新規性については、改正法102条(a)(1)に定義されており、「...


インテリジェンス・サイクルと特許情報調査活動(その3)

 前回のその2に続いて今回は、特許情報調査活動の事例を解説します。   2. A社における特許情報調査活動    前節で、イン...

 前回のその2に続いて今回は、特許情報調査活動の事例を解説します。   2. A社における特許情報調査活動    前節で、イン...


デザインによる知的資産経営:「知的資産」を活用する経営(その3)

 前回のその2に続いて解説します。   6.協業    「協業」、これには二つのタイプがあると思います。一つはコアとなる開発成...

 前回のその2に続いて解説します。   6.協業    「協業」、これには二つのタイプがあると思います。一つはコアとなる開発成...


「知的財産マネジメント」の活用事例

もっと見る
特許解析、ミクロマップの面白さ

◆ 特許解析、マクロマップからミクロマップへ  わたくしが研究開発から離れ、知的財産部(知財部)に異動してきたきっかけは、世界中から集まる発明情報を...

◆ 特許解析、マクロマップからミクロマップへ  わたくしが研究開発から離れ、知的財産部(知財部)に異動してきたきっかけは、世界中から集まる発明情報を...


自社コア技術の他用途への展開 -㈱氷温の事例-

1.はじめに  今回は、自社のコア技術の他の用途への展開についてお話いたします。  市場環境の変化に応じて多種多様な製品やサービスを開発してゆく必要性...

1.はじめに  今回は、自社のコア技術の他の用途への展開についてお話いたします。  市場環境の変化に応じて多種多様な製品やサービスを開発してゆく必要性...


ピクトグラムの著作物性

  ◆ ピクトグラムの著作物性、認知事案:大阪地裁 平成25年 (ワ)1074号 2015年9月24日判決  本件は、ピクトグラムの著作物製を認め...

  ◆ ピクトグラムの著作物性、認知事案:大阪地裁 平成25年 (ワ)1074号 2015年9月24日判決  本件は、ピクトグラムの著作物製を認め...