【あなたも一瞬で「技術が伝わる」エンジニアになれる 連載目次】
1. ラポールを応用して喜ばれる会話を行う方法
今回は、ラポールを応用して「話題や相手の気持ちを考えなくても」喜ばれる会話を行う方法と練習方法をお話します。
2. 話題や相手の気持ちを考えても無駄。当たらないから。
「会話の話題がない!」「何を話ししていいか分からない!」話題を探さなければ・・・。エンジニアが会話の苦痛にはまり込む典型的なパターンです。
「だって、話題提供が大切ってよく耳にしますよ!」確かに、多くの本やWEB情報では「話題提供が大切」ということになっています。では・・・
今まで話題を探す苦労に見合う効果がありましたか? 「ノー」ですよね。
理由は簡単です。自分と異なる相手の価値観を自分の価値観で推測することになるため「相手の興味に当たらない」のです。相手の気持ちを考える場合も同じです。相手の気持ちを考えたのに、逆に相手が怒ってしまった経験、ありませんか?
原因は、自分と異なる価値観で発生している相手の気持ちを、「自分の価値観」で推測しているからです。当たらないのです。それどころか、あなたの価値観で相手の気持ちを「〇〇ですよね」と決めつけるから、相手は腹が立ちます。逆の立場でそういう経験もあるのではないでしょうか?
3. 価値観は考えても分からない。2つとして同じものはないから。
価値観てなんでしょう?
「今からバンジージャンプ行くぞ!」そう聞いて料金を払って、「万一の時も文句を言いません」の書類にサインをして、高いところから落ちるなんて「おかしいんじゃないの?」という人もいれば、「最高の経験」という人もいるのです。どちらが正常なのか?
実はそこに良い、悪い、正しい、間違いといった意味はありません。バンジージャンプが好きな人も嫌いな人も、「単に育つ過程でどういう環境でどういう(偶然の)経験をしたか」に従って「反応しているだけ」です。
だから、時として想像がつかない価値観を持っている人がいます。しかも、本人にとってはそれは経験に裏打ちされた「当たり前のこと」なので、意識していないことが多いのです。だから尋ねても分かりません。偶然の経験を含めた育つ過程は2人として同じ人はいませんから、価値観が同じ人もいません。自分の価値観で相手の価値観を推測することは「原理的に不可能」です。
これでは、相手の価値観や気持ちを推測しようとすると一生答えのないループにはまり込んでしまいます。実は、私も昔に「相手の気持ちを考えよう」といった本を読んで随分苦しい目にあいました。
4. 価値観や気持ちを推測せずに話す方法
では、どうすればいいか?「相手の価値観から出た結果を尋ねる」のが鉄板の方法になります。例えば、「最近、楽しいことって何がありました?」すると相手は「自分の価値観で楽しいこと」を話します。
「バンジージャンプ行ったんですよ!とても楽しかった!」「なるほど!どこのバンジーですか?」「誰と?」「次はどこのバンジーに行きたいですか?」「相手の価値観に沿った質問だけ」で進めることができるので、相手は楽しく話してくれます。ちなみに、尋ねるコツは「自分と相手の頭の中に同じ映像が浮かぶまで」聞くことです。
このとき、あなたが自分の価値観で邪魔をしないことが重要です。「真っ逆さまのバンジーでした!」「それは凄いですね!」でも、多くの人が邪魔をしています。
「真っ逆さまのバンジーでした!」「それって怖いじゃないですか!」怖いのはあなたの価値観で、相手は(あなたは理由が分からないけど)「真っ逆さま最高!」と言っているのだから、その人にとっては「最高!」なのです。素直に「相手の最高」に沿...