庫内作業を効率化するためのしくみ 物流新技術を活用する(その2)

投稿日

 
  SCM
 
 多くの会社で導入が進んでいるAGV(無人搬送車)は、進化を続けていますので、庫内作業を効率化するためのしくみとして有効です。今まで倉庫からの出庫は作業員が棚間を移動しながら該当製品をピッキングしていました。
 
 しかし発想を変え、人が動くのではなく、棚が動くというしくみを導入した会社があります。難しいしくみではなく、ICTにより制御されたAGVが保管棚を運搬するというものです。作業員は定位置に立っていればよく、そこに保管棚がやってくるという考え方です。この棚は出庫担当者のところだけではなく、入庫担当者のところにも移動します。
 
 入庫担当者は届いた棚に必要な製品を投入するという作業を行うだけです。従来のやり方では、固定棚の位置まで作業員がフォークリフトなどで製品を運搬し、入庫作業を行っていました。まさに発想の転換です。むしろ棚まで作業員が移動して入出庫を行うというのは固定観念だと思います。頭は常に柔軟にしておくべきでしょう。
 
 立体自動倉庫も進化しています。従来型の立体自動倉庫では、棚間にクレーンが行き来するスペースを設け、それによってものの出し入れを行っていました。このタイプのデメリットは、その空間が無視できないスペースを食うことです。保管効率を考慮すると、できるだけ余分なスペースは取りたくないものです。しかし新たな進化した立体自動倉庫では、棚間に余分なスペースを取る必要はありません。立体自動倉庫の最上部にロボットを配置し、そのロボットが下の棚にものを出し入れします。
 
 もちろん、それにかかる時間は従来型よりも長いかもしれません。大切なことは現状にこだわらないということです。新たな発想が重要なのです。
 
 トラックドライバーがスマートフォン等を...
 
  SCM
 
 多くの会社で導入が進んでいるAGV(無人搬送車)は、進化を続けていますので、庫内作業を効率化するためのしくみとして有効です。今まで倉庫からの出庫は作業員が棚間を移動しながら該当製品をピッキングしていました。
 
 しかし発想を変え、人が動くのではなく、棚が動くというしくみを導入した会社があります。難しいしくみではなく、ICTにより制御されたAGVが保管棚を運搬するというものです。作業員は定位置に立っていればよく、そこに保管棚がやってくるという考え方です。この棚は出庫担当者のところだけではなく、入庫担当者のところにも移動します。
 
 入庫担当者は届いた棚に必要な製品を投入するという作業を行うだけです。従来のやり方では、固定棚の位置まで作業員がフォークリフトなどで製品を運搬し、入庫作業を行っていました。まさに発想の転換です。むしろ棚まで作業員が移動して入出庫を行うというのは固定観念だと思います。頭は常に柔軟にしておくべきでしょう。
 
 立体自動倉庫も進化しています。従来型の立体自動倉庫では、棚間にクレーンが行き来するスペースを設け、それによってものの出し入れを行っていました。このタイプのデメリットは、その空間が無視できないスペースを食うことです。保管効率を考慮すると、できるだけ余分なスペースは取りたくないものです。しかし新たな進化した立体自動倉庫では、棚間に余分なスペースを取る必要はありません。立体自動倉庫の最上部にロボットを配置し、そのロボットが下の棚にものを出し入れします。
 
 もちろん、それにかかる時間は従来型よりも長いかもしれません。大切なことは現状にこだわらないということです。新たな発想が重要なのです。
 
 トラックドライバーがスマートフォン等を利用して、バースを予約するシステムも登場しました。今まで到着順で行っていた荷役作業が予約可能となり、待ち時間の減少が期待できます。このシステムは庫内作業員にも共有され、到着時刻があらかじめわかるため、荷役作業の効率化にもつながると思われます。このような新たな発想による新技術を採用することで、生産性の低い物流業務を何とか改善していくことにつながるはずです。
 
 次回に続きます。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
面積原価(その1)

 SCMの生産性を計るKPIとして、『面積原価』の概念とそれに基づくSCMのPDCAサイクルを実現する手法『面積原価管理』について解説します。 &nbs...

 SCMの生産性を計るKPIとして、『面積原価』の概念とそれに基づくSCMのPDCAサイクルを実現する手法『面積原価管理』について解説します。 &nbs...


人財育成編 物流改善ネタ出し講座 (その12)

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...


クロスドッキングとは

1. クロスドッキングの趣旨    物流センターにはDC(もしくはSC)、TC(もしくはDP)という呼び名があります。DCやSCは在庫がある...

1. クロスドッキングの趣旨    物流センターにはDC(もしくはSC)、TC(もしくはDP)という呼び名があります。DCやSCは在庫がある...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
  水平展開の前にすること:物流の改善ポイント(その5)

  ◆改善は、まず一か所だけ導入する 単なる発注者とサプライヤーの力関係だけで現状を変えようとしても上手くいくはずがありません。そうでは...

  ◆改善は、まず一か所だけ導入する 単なる発注者とサプライヤーの力関係だけで現状を変えようとしても上手くいくはずがありません。そうでは...


改善方策の検討 実践型の物流勉強方法(その2)

◆ サプライチェーン効率化の勉強  物流はサプライチェーン管理全体の視点が必要になってきているため、単なる物流5機能(輸送、保管、荷役、包装、流通加...

◆ サプライチェーン効率化の勉強  物流はサプライチェーン管理全体の視点が必要になってきているため、単なる物流5機能(輸送、保管、荷役、包装、流通加...


物流管理とは

        物流作業は物流部門だけが行うとは限りません。製造部門が自ら物流業務を行うこともあるはずで...

        物流作業は物流部門だけが行うとは限りません。製造部門が自ら物流業務を行うこともあるはずで...