◆ 物流品質指標の把握
自社だけで実力値を評価することは当然必要なのですが、私たちは経済全体の中で競争をしています。従いまして自社の立ち位置というものが気になる点でありかつ認識しておかなければならない点でもあるのです。物流の実力値を把握するとともにそこで使うKPIは他社との比較ができるようなものにしておくとよろしいのではないでしょうか。
その意味であまり細かいものやマニアックな指標は避けた方がよいかもしれません。単純な指標は「扱った商品の価値」に対する「物流コスト」というものが考えられます。
例えば100万円の価値がある商品を入庫し、出庫し、梱包し出荷したとします。その工程で2万円相当の物流コストがかかったとすればその比率は2%だということになります。ただしここで注意が必要なことがあります。それは扱い商品の種類によってこの比率にはばらつきが出るということです。
たとえば高額な化粧品を1㎥出荷した場合と安価なティッシュペーパーを1㎥出荷した場合を考えてみましょう。前者は10万円を超えることはざらにあるでしょう。一方で後者は何千円のレベルです。しかしこれらの商品を取り扱う場合の物流コストには大きな差は出ないと考えられます。それだけでも100倍近い差がついてしまうことが考えられるのです。そこでこのような扱い金額に対する物流コストの比を取る場合には類似商品を扱っている他社と比較することが望ましいのです。
物流実力値を把握するために品質に関する指標を取ることは重要です。物流品質は物流の基礎の基礎ですから最初に把握しておかなければなりませんし、物流専業者であればお客様を安心させるためにも提示することが望ましい指標です。
誤出荷率は物流品質の結果を示す典型的な指標です。お客様へと流出させてしまった不良率と社内で発見された不良率の両方を把握することをお勧めします。
日本の製造業の流出不良率はppmです。つまり百万個出荷した内数個の不良が存在するという計算になります。日本の流通業ではこの10倍...