数字の把握:物流の地位向上活動(その3)

投稿日

SCM

 

◆物流は科学的に

物流が他業界に明らかに負けている点は「科学的でない」ということではないでしょうか。何となく過去の慣例で仕事をしていたり、勘に基づいた判断をしていたりすることがその典型です。物流現場で働く人の数も数値に基づいて算出されていません。フォークリフトに代表される物流機器の数も同様です。足りなくては困るということで、人も機器も多めに投入されているはずです。結果的に人は仕事がなくて手待ち、機器は低稼働率ということになっているわけです。

 

ではなぜ数字に基づいた管理ができていないかというと、「数字が把握できていない」ことが挙げられます。物流の仕事量を把握するためには物流量をとらえる必要があります。箱のサイズ(縦・横・高さ)で容積が計算できます。ひと箱あたりの容積に箱数を乗ずることで物流量を算出することができます。物流を「業として」行う以上、当然のことながらわかっていなければならないのが「箱のサイズ」です。

 

でもそれをきちんと認識せずに実施しているのが物流業の不思議なところなのです。つまり科学的でないということです。このような状況では地位が低いといわれてもやむを得ないと感じざるを得ません。ということで、もっと数字で判断できる素地を整備していく必要がありそうです。ビジネスを行っているわけですからすべては数値化できなければなりませんね。人員にしても機器にしてもエリアにしても、もし数字で示すことができたならばコストは小さくて済むはずです。今多めに取っているから当然のことといえるでしょう。

 

管理のためのKPIも同様です。物流生産性を示すKPIを多くの会社が持っていません。だから今の仕...

SCM

 

◆物流は科学的に

物流が他業界に明らかに負けている点は「科学的でない」ということではないでしょうか。何となく過去の慣例で仕事をしていたり、勘に基づいた判断をしていたりすることがその典型です。物流現場で働く人の数も数値に基づいて算出されていません。フォークリフトに代表される物流機器の数も同様です。足りなくては困るということで、人も機器も多めに投入されているはずです。結果的に人は仕事がなくて手待ち、機器は低稼働率ということになっているわけです。

 

ではなぜ数字に基づいた管理ができていないかというと、「数字が把握できていない」ことが挙げられます。物流の仕事量を把握するためには物流量をとらえる必要があります。箱のサイズ(縦・横・高さ)で容積が計算できます。ひと箱あたりの容積に箱数を乗ずることで物流量を算出することができます。物流を「業として」行う以上、当然のことながらわかっていなければならないのが「箱のサイズ」です。

 

でもそれをきちんと認識せずに実施しているのが物流業の不思議なところなのです。つまり科学的でないということです。このような状況では地位が低いといわれてもやむを得ないと感じざるを得ません。ということで、もっと数字で判断できる素地を整備していく必要がありそうです。ビジネスを行っているわけですからすべては数値化できなければなりませんね。人員にしても機器にしてもエリアにしても、もし数字で示すことができたならばコストは小さくて済むはずです。今多めに取っているから当然のことといえるでしょう。

 

管理のためのKPIも同様です。物流生産性を示すKPIを多くの会社が持っていません。だから今の仕事のパフォーマンスがよいかどうかがわからないのです。数字としてのKPIも当たり前のように持ち、企業間で競え合えるようにできればベストではないでしょうか。

 

ぜひ物流を科学的にとらえることで、地位を少しでも上げていきたいものです。

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
物流人財育成【連載記事紹介】

  物流人財育成の記事が無料でお読みいただけます!   ◆物流課題を解決できる人財育成 「物流は極めて重要な戦略的課題であ...

  物流人財育成の記事が無料でお読みいただけます!   ◆物流課題を解決できる人財育成 「物流は極めて重要な戦略的課題であ...


輸送編 物流改善ネタ出し講座 (その10)

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...


サプライチェーンマネジメント(SCM)とは?メリットや注目される背景を簡単に解説

インターネットの普及やグローバル化などによる事業環境の変化に伴い、サプライチェーンマネジメント(SCM)が改めて注目を集めています。ものづくりに関わる...

インターネットの普及やグローバル化などによる事業環境の変化に伴い、サプライチェーンマネジメント(SCM)が改めて注目を集めています。ものづくりに関わる...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
工場内物流と生産管理のスキル グローバルサプライチェーン(その3)

   1. メーカー物流と工場内物流  生産のコントロールについても理屈は机上で学ぶことが可能です。しかし生産過程では品質や設備の...

   1. メーカー物流と工場内物流  生産のコントロールについても理屈は机上で学ぶことが可能です。しかし生産過程では品質や設備の...


荷主が支払うべき対価 荷主としての心得(その2)

  ◆ トラックを待たせることで発生するコスト  今回は、トラックを待たせることはコストとなり、荷主が支払うべき対価であるという事例を解...

  ◆ トラックを待たせることで発生するコスト  今回は、トラックを待たせることはコストとなり、荷主が支払うべき対価であるという事例を解...


臨時と定時の運搬 運搬改善を進めよう(その3)

       1. 物流の基本と工程設計  1か所で物流作業者が同時に複数の作業ができるようにするためには、物の入口と出口を同じ場所にすること...

       1. 物流の基本と工程設計  1か所で物流作業者が同時に複数の作業ができるようにするためには、物の入口と出口を同じ場所にすること...