半導体製造プロセスにおけるパラメータ設計とT法の併用による超効率的条件最適化

更新日

投稿日

これは2010年の品質工学研究発表大会で、東芝の岡川宏之さんが発表した「半導体製造プロセスにおけるT法活用による超効率的プロセス条件最適化」を要約したものです。

◆関連解説『品質工学(タグチメソッド)とは』

例えば半導体のプロセス実験では、一回の実験に数週間の時間と多大な費用がかかる事から、できるだけ少ない実験で結果を出したいところです。そこでL9などの小さな直交表を使うと少ないパラメータしか扱う事ができず、特性のトレードオフが発生しやすくなるため、L18などの大きめな直交表を使いたいところです。

そこでこの発表者は、T法が項目数よりも小さなサンプル数で解析可能であることに目を付けて、直交表部分実験とT法を活用する事により効率的にパラメータ設計を実施する手法を考案しました。
これによって、L18やL36など大きな直交表に因子を割り付けて、従来と比べて少ない実験回数で主効果解析を行う事ができます。

さらに、部分直交表における水準振りの幅と偏りを考慮してパラメータを割付け、相関行列を用いた因子間の相関係数をチェックすることで主効果の混同を防止しています。
これを半導体メモリ製造の薄膜堆積工程に適用し、L18直交表に8因子を割り付けた組合せの8実験のみで、成膜速度とその面内均一性を共に向上させるようなプロセス条件最適化を実現し、従...

これは2010年の品質工学研究発表大会で、東芝の岡川宏之さんが発表した「半導体製造プロセスにおけるT法活用による超効率的プロセス条件最適化」を要約したものです。

◆関連解説『品質工学(タグチメソッド)とは』

例えば半導体のプロセス実験では、一回の実験に数週間の時間と多大な費用がかかる事から、できるだけ少ない実験で結果を出したいところです。そこでL9などの小さな直交表を使うと少ないパラメータしか扱う事ができず、特性のトレードオフが発生しやすくなるため、L18などの大きめな直交表を使いたいところです。

そこでこの発表者は、T法が項目数よりも小さなサンプル数で解析可能であることに目を付けて、直交表部分実験とT法を活用する事により効率的にパラメータ設計を実施する手法を考案しました。
これによって、L18やL36など大きな直交表に因子を割り付けて、従来と比べて少ない実験回数で主効果解析を行う事ができます。

さらに、部分直交表における水準振りの幅と偏りを考慮してパラメータを割付け、相関行列を用いた因子間の相関係数をチェックすることで主効果の混同を防止しています。
これを半導体メモリ製造の薄膜堆積工程に適用し、L18直交表に8因子を割り付けた組合せの8実験のみで、成膜速度とその面内均一性を共に向上させるようなプロセス条件最適化を実現し、従来手法と比べて期間を3分の1、かつ多額の設備投資を抑制する事ができました。

もちろん全18実験に比べれば、繰り返し数が少ないだけ結果の信頼性は下がる訳ですが、繰り返し数を2倍にしても実験誤差は√2分の1にしかなりませんので、実験費用が大きい場合は非常に有効な方法であると言えます。

   続きを読むには・・・


「パラメータ設計(ロバスト設計)」の他のキーワード解説記事

もっと見る
パラメータ設計の手順とは

【目次】  パラメータ設計とは、システムの機能(働き)を最適化するための設計の方法を指します。つまり、市場で問題を起こさないために、...

【目次】  パラメータ設計とは、システムの機能(働き)を最適化するための設計の方法を指します。つまり、市場で問題を起こさないために、...


コストを掛けずに良いものを作るには

【パラメータ設計、連載目次】 1.パラメータ設計の目的を正しく理解する 2.コストを掛けずに良いものを作るには 3.パラメータ設計の目的とは ...

【パラメータ設計、連載目次】 1.パラメータ設計の目的を正しく理解する 2.コストを掛けずに良いものを作るには 3.パラメータ設計の目的とは ...


パラメータ設計における制御因子間の交互作用とは

1. 複雑に絡み合う交互作用    パラメータ設計においては、制御因子間に交互作用があるまま実験を行なうと、実験結果の精度が悪くなり、再現性...

1. 複雑に絡み合う交互作用    パラメータ設計においては、制御因子間に交互作用があるまま実験を行なうと、実験結果の精度が悪くなり、再現性...


「パラメータ設計(ロバスト設計)」の活用事例

もっと見る
ロボット塗装条件の最適化

塗装工程は単純作業の繰り返しが多い事から、ロボットで実施されることが多くなっています。しかし複雑な形状に対する塗装条件は勘と経験をロボットに教え込む事が多...

塗装工程は単純作業の繰り返しが多い事から、ロボットで実施されることが多くなっています。しかし複雑な形状に対する塗装条件は勘と経験をロボットに教え込む事が多...


ロボット塗装の条件最適化で時間短縮と安定性向上を達成したアルパインプレシジョンの事例

 2010年の品質工学会研究発表大会でアルバインプレシジョン株式会社の菅藤智行さんが発表した「ロボット塗装条件の最適化」の概要を紹介します。 ◆関連解説...

 2010年の品質工学会研究発表大会でアルバインプレシジョン株式会社の菅藤智行さんが発表した「ロボット塗装条件の最適化」の概要を紹介します。 ◆関連解説...


ファクシミリの紙送り時間と安定性を劇的に改善したキャノンの事例

 これは1997年の品質工学研究発表大会で、キャノン(株)の高橋貢司さんが発表した「リタードローラを用いた用紙送り機構の安定性設計」を、要約掲載したもので...

 これは1997年の品質工学研究発表大会で、キャノン(株)の高橋貢司さんが発表した「リタードローラを用いた用紙送り機構の安定性設計」を、要約掲載したもので...