:5Sでシンプルな仕事の流れに改善 事務の生産性向上とは(その3)

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【目次】

1. 5Sとは

 
 5Sとは、「整理、整頓、清掃、清潔、躾」のことですが、それぞれは、辞典にある単語の意味と異なりますので、再確認しましょう。
 
・整理 :必要なものと不要なものを区分して、不用品を処分する。
・整頓 :必要なものを使い易いところに置く。置き場所を決めて、使用後は元に戻す。
・清掃 :身の回りをきれいにし、使いたいときにすぐに使用できる。
・清潔 :誰が見てもきれいで、その状態を維持できる風土となっている。
・躾  :上記の状態を維持するため、ルール化するとともに、全員が体得して習慣化する。
 
 5S
 

2. 事務部門の業務の問題点と改善の考え方

 
 事務部門の改善は、次のことが原因で、改善活動がなされていなかったり、成果をあげにくかったりするのが実態です。成果をあげにくい障害は次の4項目です。
 
(1) 机上やパソコン業務が中心なので、作業(仕事)内容と成果が見えにくい。
(2) アウトプット(成果物)は、紙媒体のもの以外、顕在化・定量化しにくい。
(3) プロセスや作業が複雑で、属人化しているので標準化しにくい。
(4) 以上から人時生産性が意識されず、生産性を追求することが難しい。
 
 これらの問題点を5Sを利用して改善していきましょう。 その際、業務分析や見える化で用いた現状業務のデータを基準にして、どれだけの成果があったかを定量的に確認し、人時生産性の生産性改善を確認することが重要です。
 

3. 5Sによる改善活動

 

(1) 事務部門の改善活動の進め方

 
 ①頭の中を整理・整頓(2S)する。
 ②身の回りを2Sする。
 ③対象業務の洗出しを行う。
 ④業務プロセスの流れを明確化する。
 ⑤現状の人時生産性のデータを取る。 
 ⑥改善の目標を立てる。 
 ⑦5Sを実行し、整理、整頓を行う。
 ⑧ムダ、ムラ、ムリを排除して、シンプルラインを構築する。
 
  ここでは⑦、⑧について詳しく説明します。
 

(2) 実施方法

 

① 5S を実行し、整理、整頓を行う。

 
1) 職場には、ファイル、書棚、コピー用紙、文具棚、在庫などが所狭しと広がっていないでしょうか。中には、郵便物、各種伝票なども散乱していることでしょう。これらも、上述の身の回りと同様に、 全てを洗い出し、頻度、要否を決め整理整頓を行います。
 
2) ファイル用品、コピー使用など、それらを使用する場合のルールを決めておきます。これらは、湯水のように使用するのではなく、例えば、コピーは表裏面に行うとか、ミスコピー の裏面を利用するとかです。 また、コピー機の使用制限をかけるのも無駄遣いを削減できます。可能な限り印刷物の配布をしないことです。ペーパーレス化を励行しましょう。(プロジェクターの使用等)
 
3) 文具、帳票、コピー紙、プリンターインクなどを保管するルールを決めておきましょう。あらゆるものの定位置を決めます。 (レイアウト、配置図、ロケーションマップ等)常備位置を設定しておくことで、重複購入や在庫切れを防止できます。また、一括管理をして、購入単価を下げることも可能です。
 
4) ロケーションと保管場所を1対1のルールで識別できるようにして、使用したら保管場所に必ず戻し、あるべき姿を見える化します。(カラーリング、棚番、写真等)
 

② ムダ、ムラ、ムリを排除して、シンプルラインを構築する。

 
1) 標準作業と目標対象作業の標準作業を明確にします。 例えば、コピー紙の場合、コピーをとる対象と、コピー可能範囲を明確にします。会議資料は1枚にまとめ、コピーを配布せず、プロジェクターで映すということです。 参加者各自がノートPCやタブレットを持参します。このような標準作業をスタートの...

【目次】

1. 5Sとは

 
 5Sとは、「整理、整頓、清掃、清潔、躾」のことですが、それぞれは、辞典にある単語の意味と異なりますので、再確認しましょう。
 
・整理 :必要なものと不要なものを区分して、不用品を処分する。
・整頓 :必要なものを使い易いところに置く。置き場所を決めて、使用後は元に戻す。
・清掃 :身の回りをきれいにし、使いたいときにすぐに使用できる。
・清潔 :誰が見てもきれいで、その状態を維持できる風土となっている。
・躾  :上記の状態を維持するため、ルール化するとともに、全員が体得して習慣化する。
 
 5S
 

2. 事務部門の業務の問題点と改善の考え方

 
 事務部門の改善は、次のことが原因で、改善活動がなされていなかったり、成果をあげにくかったりするのが実態です。成果をあげにくい障害は次の4項目です。
 
(1) 机上やパソコン業務が中心なので、作業(仕事)内容と成果が見えにくい。
(2) アウトプット(成果物)は、紙媒体のもの以外、顕在化・定量化しにくい。
(3) プロセスや作業が複雑で、属人化しているので標準化しにくい。
(4) 以上から人時生産性が意識されず、生産性を追求することが難しい。
 
 これらの問題点を5Sを利用して改善していきましょう。 その際、業務分析や見える化で用いた現状業務のデータを基準にして、どれだけの成果があったかを定量的に確認し、人時生産性の生産性改善を確認することが重要です。
 

3. 5Sによる改善活動

 

(1) 事務部門の改善活動の進め方

 
 ①頭の中を整理・整頓(2S)する。
 ②身の回りを2Sする。
 ③対象業務の洗出しを行う。
 ④業務プロセスの流れを明確化する。
 ⑤現状の人時生産性のデータを取る。 
 ⑥改善の目標を立てる。 
 ⑦5Sを実行し、整理、整頓を行う。
 ⑧ムダ、ムラ、ムリを排除して、シンプルラインを構築する。
 
  ここでは⑦、⑧について詳しく説明します。
 

(2) 実施方法

 

① 5S を実行し、整理、整頓を行う。

 
1) 職場には、ファイル、書棚、コピー用紙、文具棚、在庫などが所狭しと広がっていないでしょうか。中には、郵便物、各種伝票なども散乱していることでしょう。これらも、上述の身の回りと同様に、 全てを洗い出し、頻度、要否を決め整理整頓を行います。
 
2) ファイル用品、コピー使用など、それらを使用する場合のルールを決めておきます。これらは、湯水のように使用するのではなく、例えば、コピーは表裏面に行うとか、ミスコピー の裏面を利用するとかです。 また、コピー機の使用制限をかけるのも無駄遣いを削減できます。可能な限り印刷物の配布をしないことです。ペーパーレス化を励行しましょう。(プロジェクターの使用等)
 
3) 文具、帳票、コピー紙、プリンターインクなどを保管するルールを決めておきましょう。あらゆるものの定位置を決めます。 (レイアウト、配置図、ロケーションマップ等)常備位置を設定しておくことで、重複購入や在庫切れを防止できます。また、一括管理をして、購入単価を下げることも可能です。
 
4) ロケーションと保管場所を1対1のルールで識別できるようにして、使用したら保管場所に必ず戻し、あるべき姿を見える化します。(カラーリング、棚番、写真等)
 

② ムダ、ムラ、ムリを排除して、シンプルラインを構築する。

 
1) 標準作業と目標対象作業の標準作業を明確にします。 例えば、コピー紙の場合、コピーをとる対象と、コピー可能範囲を明確にします。会議資料は1枚にまとめ、コピーを配布せず、プロジェクターで映すということです。 参加者各自がノートPCやタブレットを持参します。このような標準作業をスタートの基準として開始します。ここで、達成すべき目標を立てます。例えば、携帯電話の使用量を毎月◯◯円にするとか、コピー紙の使用量を1日当たり○○枚にするなどの具体的な数値で設定しましょう。
 
2) 分析、標準作業に対し、実際の作業の分析を行い、現状を把握します。実施された作業内容と目標数値に対する実績を集計します。
 
3) 改善、分析結果に基づき、現状からあらゆることを単純化して改善しましょう。
 
 今回で、事務の生産性向上の連載を終了します。
 
  

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この記事の著者

石川  昌平

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