◆ コストダウンするならQCDの順ではなく、QDCの順!
1. 品質を考える:5Sは、整理、整頓、清掃、清潔、躾の順番にやるの?
頭で思っていることを、言葉に出すことは10倍のエネルギーが必要で、さらにそれを文字に書くにはさらに10倍のエネルギーが掛かることは、最近連載物や物書きが多くなってきてからは、この方程式が実感として感じます。なんとなく口にしていることは、潜在意識からポロッとでるものですから、意識をしないで何かをやっていると、普段の習慣がそのままでるものです。
文字を書くということは、単なる文字を羅列するものでもありませんので、文章として多くの人が目を通し読まれることになります。そこで色々と気を使うことになります。そのお陰なのか、頭は随分と雪を被ったように白くなってきました。
毎日やっている仕事も習慣となってしまい、要領も良くなりますとただなんとなく仕事ができてしまいます。そうなると、意識しなくても惰性での仕事になりやすく、本当の大切なことをつい忘れてしまうことが良く起こります。単なる年によるボケかと、自分自身心配になることがあります。「目的」がいつの間にか「手段」になってしまうことは、多くの会社や組織で見られる現象であり、本人たちは長くやっているとそれを気付かなくなってしまいます。
多くの会社でも5S活動を展開されていますが、この「S」は整理、整頓、清掃、清潔、躾の言葉から引用したことは、どなたもご存知です。しかし、実際にやるのは、整理、整頓、清掃の3つの「S」であり、あとの清潔と躾は、3つの「S」を徹底的にトコトンしっかりやったあとの結果として、でてくるものです。最初に躾などとか、5Sをやれ!5Sをやれ!と軍隊方式のように叫んでいるトップを聞くと、本当で理解されているのかとつい勘繰りたくなります。また、5Sだけでなく、6Sとか7Sとかなんでも「S」をつけたがる人もいますが、もう実態から離れた言葉遊びのようです。
筆者の体験からは、①整理、②整頓、③清掃ではなくて、①整理をまずやってから、②清掃をやり、そして③整頓は、表示と標識を同時に行う順番だと思います。5Sの手法には、直接表示と標識とは書いてありませんが、これらはセットでやるべきだと思います。何気なしに、言われたことを鵜呑みにしてはどうかと思います。現在の変化の激しい世の中だからこそ、当たり前にやっていることをまず疑ってみてみることは、あなたが立っている座標軸がどうなっているかを、もう一度原点から見直す良いチャンスです。そして、自らやってみて検証してみることが大切だと思います。
2. 品質を考える:Q、C、Dの重要なものは?
多くの人は、普段から何気なく「Q、C、D」と口にしていますが、筆者はどうも重要な順番ではないように思います。生まれが蛇年なのか、根性もかなり曲がっているようです。人・モノ・設備をインプットとして、加工や組立の生産活動を通して、アウトプットとしてより多くの付加価値を創り出すことですが、その生産活動を上手くやるには、「Q、C、D」において、不良がゼロ「Q」、コストが最小「C」、そして可動率(べきどうりつと読む:動かしたい時にきちん動くこと)を100%にして最短の納期「D」に、していくことがあるべき姿です。
市場環境が激しく変化している現在において、お客様から求められる要求は、やはり品質(Q)ですが、目の前に突きつけられるものは、コスト(C)のようです。最近、新聞で賑やかに報じられているのは、古い材料を活性化した「白い変人」と言う有名なチョコレート、さらにはアンコが腹黒い「真っ赤な嘘福」という餅の事件がありました。豚や鶏さらに雨水さらした牛100%のミンチ肉もありましたね。お客様が口にする食品業界で、単なるコストダウンの目的のために、一番大切な品質や信用を崩壊させてしまっている経営者がいます。まず、C ありきで、次にD が優先して、肝心のQ はオマケの実態です。
生産現場では、品質が良いことは当たり前であり、後工程やお客様からコストダウンして欲しいと無理な要求に四苦八苦となってしまいます。でもこれをきちんとやることが、生産活動なのですが、無理が通れば道理も通ってしまいがちに?ここで何とかコストダウンをしなければ、競争相手にも負けてしまうと言うことで、まずこのコストに着目して、コストダウンに一生懸命になってしまいます。一時にはその効果を出すことはできますが、長くは続きないことがほとんどです。それは、競争相手も同じようにコストダウンを仕掛けてくるからです。
コストダウンのためにコストダウンをするのは、早計であり間違った方法です。急がば回れのように、目先のコストではなく、本質は品質を向上することです。そして、その次が短い納期で生産することです。コストダウンは、最後についてくるオマケのようなものです。コストダウンしたいのであれば、全く反対のことや一見別のことをやることに気付くべきです。第三者や鳥瞰的な見方をして、本質は何かと言うことをじっくり考えることが重要になってくるのです。その時間は、自分で創りださなければなりません。つらいことは理解できますが、やった人が勝つのです。思っていてもやらない人が多いのです。
3. 品質を考える:Qを追い求め、最短のDを狙うことで、Cができる
会社が生き残るには、利益を出すことと利益を出し続ける体質に変えていくことです。特に、利益を出し続けていくには、目先のことでは...