委託先に期待するSQDCMの水準 物流アウトソース(その6)

更新日

投稿日

サプライチェーンマネジメント

◆ 委託先管理の実施

 荷主会社は物流アウトソース先が決まり、物流業務を外部で実施することが決まったからといって安心してはいけません。荷主の重要タスクとして委託先マネジメントがあるからです。

 物流アウトソースの重要事項が共同改善の実施でした。物流業務を社内で実施するのか、外部に委託するのかは基本的な要件ですが、それ以上に将来的に改善を一緒に行っていくことで物流効率化につなげていくことが重要になってくるのです。委託先マネジメント、つまり目的とする物流のアウトプットのためにアウトソース先である物流会社には何をしてもらうかを決めてマネジメントしていくことがポイントになってくるのです。

 この委託先管理は基本となるSQDCM[1]の観点から見ていくことになります。委託先に期待するSQDCMの水準を明確化し、お互い握っていきましょう。場合によっては委託先への指導も必要になってきます。現場管理や作業者教育など委託先が十分なスキルを持っていないこともあり得ます。

 その場合は荷主会社が委託先に出向き、色々な指導を行います。この過程を通して委託先である物流会社が改善していくと共に、物流業務を通して結果的にそのメリットが自社に返ってくるのです。この委託先指導は「荷主のタスク」ととらえ、積極的に実行していくことをお勧めします。何年後かには委託先のレベルも向上し、自社の物流の水準がかなり改善していくことが考えられると思います。

 以上のように物流アウトソースは単なる業...

サプライチェーンマネジメント

◆ 委託先管理の実施

 荷主会社は物流アウトソース先が決まり、物流業務を外部で実施することが決まったからといって安心してはいけません。荷主の重要タスクとして委託先マネジメントがあるからです。

 物流アウトソースの重要事項が共同改善の実施でした。物流業務を社内で実施するのか、外部に委託するのかは基本的な要件ですが、それ以上に将来的に改善を一緒に行っていくことで物流効率化につなげていくことが重要になってくるのです。委託先マネジメント、つまり目的とする物流のアウトプットのためにアウトソース先である物流会社には何をしてもらうかを決めてマネジメントしていくことがポイントになってくるのです。

 この委託先管理は基本となるSQDCM[1]の観点から見ていくことになります。委託先に期待するSQDCMの水準を明確化し、お互い握っていきましょう。場合によっては委託先への指導も必要になってきます。現場管理や作業者教育など委託先が十分なスキルを持っていないこともあり得ます。

 その場合は荷主会社が委託先に出向き、色々な指導を行います。この過程を通して委託先である物流会社が改善していくと共に、物流業務を通して結果的にそのメリットが自社に返ってくるのです。この委託先指導は「荷主のタスク」ととらえ、積極的に実行していくことをお勧めします。何年後かには委託先のレベルも向上し、自社の物流の水準がかなり改善していくことが考えられると思います。

 以上のように物流アウトソースは単なる業務の外注化ではなく、荷主会社・委託先物流会社ともに成長していくチャンスだと考えるべきではないでしょうか。丸投げは失敗しますのでくれぐれもご注意を。お互い関心を持ち進めていきましょう。皆さんの会社の物流アウトソースが成功することをお祈りしています。

[1]S(安全)、Q(品質)、D(デリバリー)、C(コスト)、M(マネジメント)

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーンとはなにか

 工業時代の主役が技術であったことは言うまでもありません。企業の成長は最高の技術が約束し、企業の評価基準が研究開発投資であった時代が長く続きました。今は成...

 工業時代の主役が技術であったことは言うまでもありません。企業の成長は最高の技術が約束し、企業の評価基準が研究開発投資であった時代が長く続きました。今は成...


サプライチェーンマネジメントの最終目標とは

 サプライチェーンマネジメントは、企業のキャッシュフローのスピードを上げて、企業の生命力を強くすることが最終目標です。血液の流れが円滑であることが生命力の...

 サプライチェーンマネジメントは、企業のキャッシュフローのスピードを上げて、企業の生命力を強くすることが最終目標です。血液の流れが円滑であることが生命力の...


供給を考える。 物流改善ネタ出し講座 (その6)

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流アウトソースにあたっての留意点 (その2)

1. 物流アウトソース:RFIとRFPの実行  アウトソース先には物流条件をできるだけ詳しく伝えましょう。たとえば輸送業務をアウトソースするのであれ...

1. 物流アウトソース:RFIとRFPの実行  アウトソース先には物流条件をできるだけ詳しく伝えましょう。たとえば輸送業務をアウトソースするのであれ...


コミュニケーション技術と物流水準の向上

  1.コミュニケーションと物流効率化 ものがある限り物流は発生しますので、物流は無くならないと考えるべきでしょう。この物流をいかに効率...

  1.コミュニケーションと物流効率化 ものがある限り物流は発生しますので、物流は無くならないと考えるべきでしょう。この物流をいかに効率...


物流を手段とした生産統制とは

1. 物流はモノと情報を運ぶ  サプライチェーンマネジメントという言葉が一般的になりました。モノを調達し、それを加工し、運搬してお客様にお届けするま...

1. 物流はモノと情報を運ぶ  サプライチェーンマネジメントという言葉が一般的になりました。モノを調達し、それを加工し、運搬してお客様にお届けするま...