【5Sの基本 連載目次】
◆5Sの基本(その4)清掃
【目次】
1.清掃
2.清掃の進め方
3.清掃の具体例
1.清掃
清掃とは、職場をゴミ、汚れのない状態にすることです。整理・整頓され、要るものがすぐ取り出せる状態になっていても、取り出したものが正しく使える状態でなければなりません。その状態を作っておくのが清掃の一番の目的になります。
まず、職場からゴミ、汚れを一切なくしましょう。床や壁、天井はもちろんのこと、機械、設備、棚やロッカーもすべてきれいにします。汚れが残っていると製品を汚してしまう恐れもありますし、精密な製品では不良の原因にもなります。清掃は、単なる掃除ではなく、製品品質を守る工程の重要な作業として認識すべきです。
また、一日の作業が終ったら、機械、治工具、作業台などは、明日すぐに使えるようにきれいに磨き上げておきます。毎日磨くことによって、ちょっとした異常を発見することができます。これを清掃点検といいます。
2.清掃の進め方
(1)まず汚れを取り除く
まずは、ほうき、モップ、雑巾などで、よごれを取り除きます。職場全体の活動とするためには、管理職、リーダーが率先して清掃を行うことが大切です。
(2)清掃で発見された不具合箇所を直す
また、清掃中に発見された不具合個所は、すぐに直します。床の凸凹やカーペットの剥がれなどは、スムーズな運搬の妨げになりますし、作業者の安全にもかかわります。 また、火災の危険があるタコ足配線を見つけたら、電源の取り方を変えて解消しておきます。エアーホースは、床を這わせていると、踏んで傷をつけたり、足をかけて転ぶ危険もありますので、吊り下げ式の方が良いでしょう。他にも、機械や設備の不具合を見つけたら、すぐに直すようにします。
(3)汚れの根源を付き止め、元から断つ
毎日清掃を行っても、すぐに油や埃でいっぱいになっていたのではキリがありませんので、汚れの根源を突き止め、汚れが出ないように発生原因を解消するようにしましょう。また、清掃の周期や方法を基準化して、誰もが実行できるようにすることも大切です。
(4)製造工程の清掃
製造工程では、決められた手順に沿って清掃することが大切です。また、治工具を破損したり、新たな汚れの原因を作ってしまわないように、手袋、清掃用具、洗剤などは決められたものを使用するようにします。
3.清掃の具体例
(1)まずは清掃用具の5Sから
まずは清掃用具の5Sが大切です。使えない道具はないか、道具が汚れていたり、ゴミが付着していないか。ほうきやモップなどの清掃用具も定数管理、色別管理を行いましょう。
(2)床の区画線はくっきりと
また、床に引かれた区画線なども、汚れたり消えていたりするものは引き直しておきます。ものは斜めに置かず、直角、平行に置くことや、線の上にものを置かないといったルールの徹底も清掃時に確認します。不良品置き場など、区画別に用途を定める場合には、区画線の色を指定し、その中には定められたものしか置かないようにします。
(3)切粉や木屑等...