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◆ 未活用の自社の重要資産(市場の知見とアクセス)
多くの企業が、既存の市場は早晩行き詰る、新事業を生み出さなければならない、と考えています。そうすると、世の中で既に広く議論されている、IoTや医療といった議論になり、自社の知見や経験がない市場への展開となり(注:既存市場・技術の延長線上での展開であれば問題はありません)、加えて結果的に厳しい競合にさらされるというパターンになってしまいます。
既に自社が対象としている「市場」については、その「市場」の知見は、これまでの企業活動の中から経験を積み上げて獲得してきたもので、「経路依存性」<注>が高く、他社に対する差別化能力となる重要な自社の資産です。この「経路依存」で獲得してきた未活用の資産を活用しない手はありません。
<注>経路依存性とは、「自社の強みや仕組みが、過去の経緯や歴史的な偶然などで規定される」というものです。すなわち、全ての企業にとって、自社の知見や経験は自社特有の経路によって獲得された自社独自のもので、(競合)他社とは異なるということです。
◆ 何を自社独自の強みとすべきかを未来志向で考え設定する
新しい自社の強みを創出するためには、自社がその能力において「強くない時期」から、何を強くすべきかを考えていかなければなりません。もちろん偶然が新しい強みを身に着ける機会を提供してくれるということは現実にはあります。しかし、経営において偶然に期待するほど愚かなことはありません。それが起こらない可能性の方がはるかに大きいからです。従って、自らが主体的に自社独自の強みを未来志向で設定することが、極めて重要です。
『価値づくり』の研究開発マネジメントについて、ものづくりドットコム 登録専門家の浪江 一公氏が詳しく紹介しています。
【価値づくりの研究開発マネジメント連載記事から】
- 生産と研究開発の違い:『確実性』の違い
- オープン・イノベーションの価値
- オープンイノベーションを成立させる2つの前提
- オープンイノベーションの世界での「競争原理」の意味
- オープンイノベーションによる研究開発に関わる固定費の変動費化の効果
- オープンイノベーションに対する漠然とした不安
- 研究者自身が脅威と感じることへの対応策
- 日本企業に欠けているビジネスモデル
- 強み設定の軸:VRIOとは
- 自社独自の強みが重要である2つの理由
【執筆者 紹介】
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